World Robot Olympiad(以下WROと記す、ワールドロボットオリンピアード) は、世界の若者を対象としたロボット競技の一つである。この大会では、LEGO EducationのLego Mindstorms を使用する。初めての大会は2004年にシンガポールで開かれ、2019年には83カ国、28,000チームもの参加者がいる[1]。
概要
この大会は、ROBO MISSION、FUTURE INNOVATORS、ROBO SPORTS、FUTURE ENGINEERSの4つのカテゴリーからなっている。そして、ROBO MISSIONとFUTURE INNOVATORSについては、小学生部門、中学生部門、高校生部門の三部門がある。
日本から世界大会に出場するにはカテゴリーによって方法が違う。
ROBO MISSION・ROBO SPORTSの場合は地区予選大会に出場し、Japan決勝大会への出場権を勝ち取る。そして、Japan決勝大会で優秀な成績を残すことができれば代表チームとしてWRO国際大会へと出場できる。
FUTURE INNOVATORSの場合は、レポートと動画をWRO Japanに提出し審査を突破すればJapan決勝大会へと出場できる。そして、優秀な成績を残した場合、WRO国際大会へと出場できる。
FUTURE ENGINEERSの場合は内容が難しく現在チーム数が少ないため、最初からJapan決勝大会である。そして、優秀な成績を残すとWRO国際大会に出場できる。
13歳未満の参加者は小学生とみなされ、13歳から16歳までの参加者は中学生とみなされ、17歳から19歳の参加者は高校生とみなされる。参加者は自分の年齢層外でも競技することができるが、参戦する年齢層の年齢より若くなければならず、その年齢層の誰かと提携する必要がある。一例をあげると、12歳の参加者は、14歳から16歳までの人と組んでいる場合のみ、中学生のサブカテゴリに参加できる。
WROとは
WRO® (World Robot Olympiad) は自律型ロボットによる国際的なロボットコンテスト。2023年現在、85以上の国と地域が参加。世界中の子どもたちが各々ロボットを製作し、プログラムにより自動制御する技術を競うコンテストで、市販ロボットキットを利用することで、参加しやすく、科学技術を身近に体験できる場を提供するとともに、国際交流も行われる。
NPO法人WRO Japanは、WRO®ナショナルオーガナイザーとして他国ナショナルオーガナイザーとともに国際大会の運営や継続的発展に協力し、国内では、国内決勝大会を開催している。
歴史
2004年にシンガポールで開催され、以後、毎年開催される。2008年には横浜で開催された。2018年はタイのチェンマイで11月16日から18日にかけてFood Mattersをテーマとして開催される。
日本では科学技術館、株式会社アフレル、神奈川工科大学の連携により実行委員会が立ち上げられ、2004年当初から国際大会に参加、国内大会を開催している。2008年日本での国際大会開催に合わせてNPO法人を立ち上げ、各社団体の協力により運営されている。2024年は開催20周年を記念して、シンガポールで2回目の国際大会が行われる予定である。
過去の開催地
国際大会
2000年代
- 2004 シンガポール(国立サイエンスセンター)
- 2005 タイ、バンコク(教育科学センター)
- 2006 中国、南寧
- 2007 台湾、台北(台湾大学スポーツセンター)
- 2008 日本、横浜(パシフィコ横浜)
- 2009 韓国、浦項
2010年代
- 2010 フィリピン、マニラ
- 2011 UAE、アブダビ
- 2012 マレーシア、クアラルンプール
- 2013 インドネシア、ジャカルタ
- 2014 ロシア、ソチ
- 2015 カタール、ドーハ(アル シャカブ インドア アリーナ)
- 2016 インド、ニューデリー
- 2017 コスタリカ、サンホセ
- 2018 タイ、チェンマイ
- 2019 ハンガリー、ジェール(オリンピックスポーツパーク)
2020年代
- 2020 カナダ、モントリオール(中止)
- 2021 オンライン開催
- 2022 ドイツ、ドルトムント(メッセ・ドルトムント展示センター)
- 2023 パナマ、パナマシティ(アマドール、パナマ コンベンション センター、ジェネラル フアン D. ペロン ストリート)
- 2024 トルコ、イズミル(フアル・イズミル)
- 2025 シンガポール(国立サイエンスセンター)
日本国内決勝大会
2000年代
- WRO 2004 Japan決勝大会(科学技術館)
- WRO 2005 Japan決勝大会(科学技術館)
- WRO 2006 Japan決勝大会(科学技術館)
- WRO 2007 Japan決勝大会(科学技術館)
- WRO 2008 Japan決勝大会in横浜(パシフィコ横浜)
- WRO 2009 Japan決勝大会(科学技術館)
2010年代
- WRO 2010 Japan決勝大会(BumB東京スポーツ文化館)
- WRO 2011 Japan決勝大会(BumB東京スポーツ文化館)
- WRO 2012 Japan決勝大会(BumB東京スポーツ文化館)
- WRO 2013 Japan決勝大会(BumB東京スポーツ文化館)
- WRO 2014 Japan決勝大会in厚木(神奈川工科大学)
- WRO 2015 Japan決勝大会(BumB東京スポーツ文化館)
- WRO 2016 Japan決勝大会(BumB東京スポーツ文化館)
- WRO 2017 Japan決勝大会(BumB東京スポーツ文化館)
- WRO 2018 Japan決勝大会in金沢(医王山スポーツセンター)
- WRO 2019 Japan決勝大会in西宮(関西学院大学西宮上ヶ原キャンパス)
2020年代
- WRO 2020 Japan決勝大会 on the WEB
- WRO 2021 Japan決勝大会 東京改めオンライン大会
- WRO 2022 Japan決勝大会in浜松(浜松アリーナ)
- WRO 2023 Japan決勝大会(東京都立産業貿易センター浜松町館)
- WRO 2024 Japan決勝大会in富山(富山市総合体育館)
公認地区予選会
RoboMisson
- 北海道地区
- 東北地区
- 秋田中央予選会
- 秋田予選会
- 宮城予選会
- 山形予選会
- 関東地区
- 群馬予選会
- 栃木予選会
- 千葉予選会
- 東京小中予選会(RoboSports東京予選会)
- 東京高校生予選会
- 電子ロボと遊ぶアイデアコンテスト(神奈川予選会)
- 中部地区
- 新潟予選会
- 長野予選会
- 富山県予選会
- 石川予選会
- 福井予選会
- 岐阜予選会
- 沼津地区予選会
- 浜松 予選会
- 静岡県裾野地区予選会
- 中部大学学長杯争奪LEGOロボットコンテスト(東海予選会)
- 愛知予選会
- 関西地区
- 京都予選会
- 大阪中央予選会
- 大阪北予選会
- 奈良予選会
- 和歌山予選会
- 兵庫予選会
- 中国・四国地区予選会
- 中四国予選会
- 中国予選会
- ロボットプログラミング体験会 in 鳥取(鳥取予選会)
- 九州地区
- 沖縄地区
RoboSports
参加国
国名
|
全国主催者
|
国際決勝大会初参加年
|
アルゼンチン
|
Fundación Innovar / Fundesteam
|
2023
|
アルメニア
|
Ayb Educational Foundation
|
2014
|
オーストラリア
|
RoboCup Junior Australia
|
2011
|
バングラデシュ
|
Bangladesh Open Source Network
|
2020
|
バーレーン
|
https://www.amais.edu.bh/
|
2011
|
ベラルーシ
|
School of Robotics
|
2014
|
ボリビア
|
Centro de Tecnologia Aplicada
|
2009
|
ボスニア・ヘルツェゴヴィナ
|
Univerzitet u Zenici
|
2020
|
ブラジル
|
AMEducação
|
2014
|
ブルネイ
|
STEP Centre, Ministry of Education
|
2012
|
カナダ
|
Robotique Zone 01 Robotics
|
2014
|
チリ
|
Fundacion Redes Creativas
|
2019
|
中国
|
Semia
|
2004
|
台湾
|
ESUN Robot Association in Taiwan
|
2004
|
コスタリカ
|
Aprender Haciendo Costa Rica S.A.
|
2009
|
クロアチア
|
HROBOS
|
2019
|
デンマーク
|
Dept. of Computer Science at Aarhus University/DITEK
|
2006
|
エジプト
|
Searag
|
2007
|
ドイツ
|
Technik Begeistert e.V.
|
2009
|
ガーナ
|
Ghana Robotics Academy Foundation
|
2012
|
ギリシャ
|
Knowledge Research SA
|
2009
|
ハンガリー
|
Edutus College
|
2015
|
ホンジュラス
|
Honduras STEM Foundation
|
2017
|
香港
|
Semia
|
2004
|
インド
|
India STEM Foundation (ISF)
|
2004
|
インドネシア
|
Mikroskil/Mikrobot
|
2004
|
イラン
|
Global Brand Toys
|
2006
|
日本
|
NPO法人WRO Japan
|
2004
|
カザフスタン
|
AEO "Nazarbayev Intellectual Schools" in partnership with Ministry of Education and Science
|
2014
|
クウェート
|
MILSET Regional office for Asia
|
2011
|
レバノン
|
MindPower STEM consultancy
|
2009
|
マレーシア
|
Sasbadi
|
2004
|
メキシコ
|
Fundación Care and Share for Education, A.C./Edacom
|
2012
|
モンゴル
|
MIND STORM
|
2011
|
ネパール
|
STEM Foundation Nepal
|
2018
|
オランダ
|
オランダWRO協会
|
2018
|
ニュージーランド
|
NZCILAB
|
2022
|
ニカラグア
|
COMTECH
|
2017
|
ナイジェリア
|
ARC Lights Limited
|
2011
|
ノルウェー
|
FIRST Scandinavia
|
2006
|
オマーン
|
Edutech Middle East
|
2010
|
パレスチナ
|
|
2015
|
パナマ
|
Fundesteam
|
2015
|
ペルー
|
IEP W. von Braun SRL
|
2009
|
フィリピン
|
Felta Multimedia
|
2004
|
カタール
|
College of the North Atlantic
|
2007
|
ルーマニア
|
Knowledge Research
|
2013
|
ロシア
|
Innopolis University
|
2004
|
サウジアラビア
|
Royal Commission Robot Club
|
2008
|
南アフリカ
|
Hands on Technologies
|
2009
|
韓国
|
アドバンスラーニング株式会社
|
2004
|
シンガポール
|
Space Faculty
|
2004
|
スペイン
|
Fundació educaBOT
|
2013
|
スリランカ
|
|
2004
|
スウェーデン
|
FIRST Scandinavia
|
2007
|
スイス
|
IngCH – Engineers Shape Our Future
|
2013
|
シリア
|
Syrian Computer Society SCS
|
2011
|
タイ
|
Gammaco
|
2004
|
チュニジア
|
IEEE Tunisia section
|
2014
|
トルコ
|
Bilim Kahramanları Derneği
|
2015
|
ウクライナ
|
Prolego
|
2009
|
アラブ首長国連邦
|
Abu Dhabi Education Council
|
2006
|
アメリカ
|
US Engineering League
|
2014
|
ベトナム
|
|
2013
|
部門と競技の年齢
ROBOMISSON・FUTEREINNOVETERS
8~12歳
|
11~15歳
|
14~19歳
|
エレメンタリー
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ジュニア
|
シニア
|
ROBOSPORTS
11歳~19歳
FUTER ENGINERS
16歳~19歳
競技
- ROBO MISSION[ミドル、エキスパート](2022年以前:レギュラーカテゴリ)
- FUTURE INNOVATORS(2022年以前:オープンカテゴリ)
- ROBO SPORTS(2022年以前:Football)
- FUTURE ENGINEERS(2021年初開催)
昔の競技
ハードウェア: WRO フットボールに参加するには、チームは 2 台のロボットが必要。ロボットの組み立てに使用するコントローラー、モーター、センサーは、LEGO MINDSTORMS セット (NXT または EV3) のものである必要がある。ロボットの残りの部分の構築には、LEGO ブランドの要素のみを使用できる。さらに、チームは HiTechnic 赤外線ボールを必要とし、HiTechnic 赤外線センサーとコンパス センサーを使用できる。
ソフトウェア: LEGO RoboLab、NXT、EV3 ソフトウェアのみが許可される。
ロボットの最大サイズ:各ロボットは、直径 22 cm、高さ 22 cm、重量が 1 kg を超えてはならない。
チーム:チームはコーチ 1 名とチーム メンバー 2 名または 3 名で構成される。
アドバンス・ロボティクス・チャレンジ
年齢層は1つ: 17~25歳。
ハードウェア:ロボットは、MATRIX および TETRIX 構築システムのみを使用して構築する必要がある。センサー、バッテリー、電気モーター、サーボの使用やブランドに関する制限はない。
ロボットの最大サイズ: 45 cm x 45 cm x 45 cm。
チーム:チームはコーチ 1 名とチーム メンバー 2 名または 3 名で構成される。
レギュラーカテゴリ
現在のRoboMisson
オープンカテゴリ
現在のFUTER INNOVETERS
脚注
外部リンク