Windows Genuine Advantage
Windows Genuine Advantage (ウィンドウズ・ジェニュイン・アドバンテージ、略称WGA、正規 Windows 推奨プログラムとも)は一部のMicrosoft Windowsに関するサービス(例えば Microsoft Update)を利用する場合や、マイクロソフトが提供する一部のソフトウェアをダウンロードおよびインストールするときに、そのWindowsが正規のコピーであることを確認するマイクロソフトの海賊版防止プログラムの一環である。 当初はWGAでの確認は任意であったが、2005年7月から確認を義務付けられるようになった[1]。 特徴WGAの確認プロセスは、関係するハードウェアに対して、Windowsとそのライセンスを確認するものである。
Windowsが有効なライセンスを持つようでない場合は、WGAは特定の情報をユーザーに通知して、重要でない更新がマイクロソフトからダウンロードされるのを防ぐ。
ソフトウェアWGA Validation ToolユーザーがWGAで確認を行うとき、「Windows Genuine Advantage」という名称のInternet Explorerのアドオンがインストールされる。以前はこのアドオンを「アドオンの管理」機能で無効にできた。WGAは、ライセンスが有効かどうか確認するために「確認コード」を生み出す「確認ツール」(GenuineCheck.exe) かActiveXコントロールを使う。どちらの方法にしろインターネット接続が必要になる。ユーザーが使用しているWindowsのコピーが正規品でないとWGAによって判定された場合でも、表面上正規品に見えるメディアからインストールされたものであれば(すなわちWindowsの正規品と見分けがつかないCDとホログラムをもった海賊版を、海賊版と知らずにインストールした場合)、マイクロソフトはユーザーに正規品のCDを提供している。マイクロソフトは、Windowsの合法的な正規のコピーを購入したいが、有効なCDを持っていない者に、割引を提供している。正規品と確認されなくても重要なセキュリティー更新プログラムはダウンロードできるようになっている。 WGA Notifications2006年4月25日から、マイクロソフトはユーザーへ「重要な更新」KB905474として「Windows Genuine Advantage Notifications」を提供し始めた[2]。海賊版を使用しているユーザーは起動時およびWindowsを使用している間、通知を受け続けるようになっているものである。もちろん、合法的なコピーをもつユーザーは、通知は受けない。2006年5月23日に、このプログラムを回避するいくつかの手口に対応するよう、マイクロソフトはプログラムをアップデートした。このプログラムは全言語で同時に更新されるわけではないため、一部の言語で提供されている実際のバージョンは最新のリリースではない可能性がある。Windows XPの自動更新で2007年2月20日から日本語をはじめとする22言語で開始した[3]。 なおWindows VistaはWindows Genuine Advantage Notificationsの仕組みが実装されているため、Windows Genuine Advantage Notificationsの対象になっていない。 WGA Validation Libraryマイクロソフトは、Windowsが正規のコピーであることを確認するために、「Windows Genuine Advantage Validation Library」をWindows Defender、Windows Internet Explorer 7、Windows Media Player 11のようないくつかの製品に同梱させている。 WGAの回避2005年11月16日に、マイクロソフトはMozilla Firefoxと他のGeckoベースのブラウザーからWGAでの確認を行うために、プラグインを公表した。しかしOperaのような他のNPAPIサポートのブラウザーでは未だ使えないため、批判を免れなかった。もう一つの回避方法は、「確認ツール」によって発生する有効な「確認コード」を用いてWGAを通すために、2005年12月25日に公表された。問題点としては、Windowsの正規のコピーを使っている一般のコンピューターから「確認ツール」を実行し、「確認コード」を記録し、海賊版のWindowsを使っている環境からその「確認コード」を入力することにより、WGAを行わずにダウンロードできることが挙げられる。2006年7月現在、マイクロソフトはこの手口を防ぐ方法を考案していない。WGAでの確認を通させたり、WGAを使わずにMicrosoft Updateなどを行うための回避方法は、様々な方法がインターネット上で示された。 WGA NotificationsとファイアーウオールたとえWindowsの基本的なプロセスでも、一部のファイアーウオールは、「wgatray.exe」のインターネットへのアクセスに警告を発するかもしれない。
収集される情報WGAでは、次のような情報を収集される[4]。
批判時限爆弾たとえWGAがWindowsを完全に使えなくしないとしても、製品が正規品と判定されなかったならば、重要なもの以外の更新がマイクロソフトからダウンロードできなくなくなるという事実は、一部の者がWGAを「時限爆弾」と揶揄する原因となった。 スパイウェア疑惑Windows Genuine Advantage Notificationsはスパイウェアのような振る舞いで批判された。マイクロソフトは振る舞い自体の存在は認めたが、それがスパイウェアに達することは否定した[5]。この後、マイクロソフトは毎日ではなく、Windows Genuine Advantage Notificationsが2週間おきに送信するだけに変更したという発表をした。マイクロソフトは、Windows Genuine Advantage Notificationsを削除する方法も示した。 擬陽性WGAは、擬陽性(誤って、Windowsの正規のコピーを「正規でない」ものと判定している)を生むことがある。これには、それぞれ多くの理由がある。マイクロソフトは、問題に遭遇しているユーザーを助けるために、フォーラムを設立した。 擬陰性他方で、Windows をインストールしていなくても Linux で動作させている ies4Linux と Wine で Internet Explorer を使えば、「正規マイクロソフト製品」ユーザであると認証され、マイクロソフトの公式サイトから特定のソフトウェアがダウンロードできることが2007年6月18日に明るみに出た[6]。 トラブル2007年8月25日、マイクロソフトのWGAサーバに問題が発生した。そして、Windows XPとWindows Vistaの正規品を「正規でない」と誤った結果を示した[7]。この問題は、およそ12時間後に解決された。マイクロソフトによると、「12,000足らずのシステムが、世界中で影響を受けた」とのことである。 類似した問題は2006年10月5日にも起こったが、それは広範囲にわたるものではなかったようである。 Windows Activation Technologiesマイクロソフトは2009年にWindows Genuine Advantageを「Windows Activation Technologies」(WAT)に改称すると発表した[8](単数形で「~Technology」と表記されることもある)。Windows Vista以降にはこの名称で海賊版対策が提供され、Windows XP以前ではWGAの名称が引き続き使用される。 2010年2月にはWindows 7用のWATのアップデート(KB971033)がリリースされ、3月からはWindows Update・Microsoft Updateでの自動配信が開始された。それまでに発見された70以上のアクティベーション回避プログラムを検出・除去する。 脚注
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