USB - シリアル変換ケーブルUSB - シリアル変換ケーブル(ユーエスビー シリアルへんかんケーブル)は、物理的な端子のみならずUSBデータ通信とシリアル通信のプロトコル変換器の一種である。 一般的には、USBデータ通信と、RS-232, RS-485, RS-422, TTL-level UART といったシリアルデータ通信が相互に変換される。古いRS-423プロトコルはほとんど利用されることがないため、変換ケーブルも一般的ではない。 利用方法USB - RS-232変換ケーブルが、消費者にも商業分野、産業分野でもよく利用されている。USB - RS-485/422変換ケーブルは、ほぼ産業分野のみで利用される。USB - TTLレベルUARTコンバータは、マイクロコントローラに直接接続できるため、学生や愛好家によって広く使用されている。 USB変換ケーブルは、一般的に様々な用途で利用され、非公開のプロトコル用のものも存在するが、そういう製品はシリアル変換ケーブルとは見做されない。 パソコンのUSBポートからD-Subコネクタ(通常はDB9またはDB25)またはRJ45コネクタのシリアルデバイスに繋いで直接通信することで、データ転送のセキュリティは問題にならない。 歴史歴史的に、1990年代までは、ほとんどのパソコンには、COMポートとも呼ばれるD-subシリアルRS-232ポートが搭載され、ほとんどのタイプのシリアルRS-232デバイスに接続するために使用できた。90年代末頃に、多くのコンピュータメーカは、USBポートを支持してシリアルCOMポートを段階的に廃止し始めた(一部はPC97アーキテクチャから、マイクロソフトからの指示があった)。 2020年頃まで一部のパソコン(例: NEC VersaPro[1])にはシリアルCOMポートとUSBポートの両方があったが、大半にはシリアルCOMポートがなく、今日ではUSBポートしか搭載されていない。 RS-232、RS-485、またはRS-422ポートを備えたシリアルデバイスがまだ使用されていることで、USBからシリアルアダプタの必要性が生じた。2020年代において、Cisco製品をはじめとする多くの機器では、EIA/TIA-561ベースRS-232規格で、RJ45ポートに置き変えられている[2][3][4]。 設計簡単な例として、一般的なUSB - シリアル変換ケーブルは、USB信号を処理するUSBプロセッサチップで構成されている。 USBプロセッサは、処理されたUSB信号をシリアルドライバチップに送信し、正しい電圧を適用し、処理されたデータ信号をシリアル出力に送信する[5]。 コンピュータがデータ信号を検出し処理するには、ドライバをOSにインストールする必要がある。FTDIを含む一部の信号処理チップは、ドライバが初期状態でOSにインストールされているが、他のチップモデルのドライバは別途インストールする必要がある (例:Windows 10, macOS, WCH CH340,[6] Silicon Labs 210x,[7] Prolific PL2303[8]). USB - シリアル変換ケーブルがパソコンに接続されている場合、ドライバは、Windowsではデバイスマネージャー、LinuxおよびmacOSでは/devに表示される仮想COMポートを作成する。この仮想COMポートは、組込みのシリアルCOMポートであるかのようにアクセスして使用できる。 仮想COMポートの特性は、主にデータレイテンシの点で、実際の内部COMポートとまったく同じという訳ではない。つまり、非常に機密で正確なデータ転送が必要な場合、USBからシリアルへのアダプタは信頼性が低く、望ましいソリューションではない可能性がある[9]。 仮想COMドライバは一般的に、Windows、Linux、macOSでのみ利用可能である[10]。 脚注
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