U2 snRNAは、一次転写産物の3'スプライス部位の18–40ヌクレオチド上流に位置する、分枝点配列(branch point sequence、BPS)として知られる7–12ヌクレオチドの配列を介して、イントロンの認識に関与している。酵母では、BPSのコンセンサス配列の長さは7ヌクレオチドであり、U2 snRNA側の相補的認識配列は6ヌクレオチドである。これら2つの配列が二重らせんを形成することで、保存されたBPSの5位のアデノシン残基はバルジを形成する。バルジを形成したアデノシン残基はC3'-endo型の立体配座をとり[14]、スプライシング因子Cwc25、Yju2(英語版)、Isy1の助けのもと、5'スプライス部位のリン原子への求核攻撃(in-line攻撃)のために2'-OHを整列させる[15]。求核攻撃は2段階のエステル交換反応の1段階目を開始し、一般的でない2'-5'-3'連結型のラリアット中間体としてイントロンを切り出す。2段階目のエステル交換反応は2つの隣接するエクソンのライゲーションを伴うものである。
一次構造と二次構造
U2 snRNAの配列の長さには真核生物種の間で最大1桁程度の差異が存在するが、すべてのU2 snRNA、特に5'末端の最初の80ヌクレオチドには系統学的に不変の領域が多く含まれており、そこでは85%の部位で配列が保存されている[16]。さらに、ステムループI、II、III、IVを含むいくつかの二次構造エレメントや、これらのドメインを連結する一本鎖領域の一部も保存されている[16][17]。酵母のU2 snRNAのステムループIIには一般的でないGA塩基対が含まれており、特徴的なUターンループモチーフが形成される。このモチーフはtRNAのアンチコドンループに類似した幾何学的コンフォメーションをとる[5]。すべてのU2 snRNAにはターミナルステムループ(ステムループIV)が存在する。このステムループは10–16塩基対のヘリックスと11ヌクレオチドのループからなり、ループ部分のコンセンサス配列は5'-UYGCANUURYN-3'である[16]。
U2 snRNAは全てのsnRNAのなかで最も広範囲に修飾を受けている[18]。こうした転写後修飾の正確な位置は生物種によって異なるが、U2 snRNAの修飾と生物学的機能には強い相関が存在することが示唆されている[18]。修飾には、一部のウリジン残基のシュードウリジンへの変換、2'-O-メチル化、核酸塩基のメチル化、5'モノメチル化グアノシンキャップの2,2,7-トリメチル化グアノシンキャップへの変換が含まれる[18]。こうした修飾の多くは分子の5'末端の27ヌクレオチドの領域内にみられる[18]。
^Nelson, David L; Cox, Michael M; Lehninger, Albert L (2013). Lehninger principles of biochemistry (6th ed.). New York: W.H. Freeman and Company. ISBN9781429234146. OCLC824794893
^ ab“U2 snRNA sequences that bind U2-specific proteins are dispensable for the function of U2 snRNP in splicing”. Genes & Development3 (12A): 1887–98. (December 1989). doi:10.1101/gad.3.12a.1887. PMID2559872.
^“Analysis of RNase-A-resistant regions of adenovirus 2 major late precursor-mRNA in splicing extracts reveals an ordered interaction of nuclear components with the substrate RNA”. Journal of Molecular Biology196 (3): 559–73. (August 1987). doi:10.1016/0022-2836(87)90032-5. PMID3681967.
^ abc“U2-U6 RNA folding reveals a group II intron-like domain and a four-helix junction”. Nature Structural & Molecular Biology11 (12): 1237–42. (December 2004). doi:10.1038/nsmb863. PMID15543154.