THE END (遠藤ミチロウのアルバム)
『THE END』(ジ・エンド)は、日本のシンガーソングライターである遠藤ミチロウの初のミニ・アルバム。 1985年3月30日に東芝EMIのイーストワールドレーベルよりリリースされた。前作『ベトナム伝説』(1984年)からおよそ1年ぶりにリリースされた作品であり、先行シングルとしてリリースされた「仰げば尊し」を除いて作詞および作曲、編曲はすべて遠藤が担当している。 ザ・スターリン解散後、初となる遠藤の作品。『ベトナム伝説』においてパンク・ロック調でカバーした「仰げば尊し」のリメイク版、自らが責任編集として発行したソノシート付きマガジン「ING'O」のタイトルを冠した楽曲、ピアノから始まるバラード曲、ザ・スターリン時代の未発表曲など4曲が収録されている。レコーディングにはザ・スターリンのメンバーからは小野昌之が参加した他、元プラスチックスの佐久間正英や、当時P-MODELとして活動していた平沢進など、テクノポップグループのメンバーが参加している。 本作品はザ・スターリン時代に在籍していた徳間ジャパンから東芝EMIに移籍してリリースされたが、遠藤はこの後キングレコードに移籍したため同レーベルでのリリースは本作のみとなった。 背景アルバム『Fish Inn』(1984年)リリース後、12月31日に新宿ロフトで行われたライブにて、ボーカルの遠藤ミチロウからライブMCにて「スターリンはこれで終わりだ!」との発言があり[2]、翌1985年1月15日に正式にザ・スターリンは解散宣言を行った[3]。 同月、遠藤はレコード会社を東芝EMIに移籍し、1月末には本作のレコーディングを東芝EMIスタジオにて開始[4]。2月1日には先行シングルとなる「仰げば尊し」をリリース。このシングルバージョンはカセットブック『ベトナム伝説』(1984年)およびB.Q.レコードよりリリースされたシングル盤とは異なり、佐久間正英編曲による軽快なアレンジが施されている[4]。 2月21日にはザ・スターリンの解散記念ライブ「I was THE STALIN〜絶賛解散中〜」が大映スタジオにて開催され、2時間を超える演奏の後にザ・スターリンは解散した[2]。 音楽性芸術総合誌『ユリイカ9月臨時増刊号 総特集*遠藤ミチロウ1950-2019』においてライターの行川和彦は、佐久間正英や平沢進、そうる透、厚見麗などパンク・ロックとは無縁のミュージシャンが参加している事も含めて、本作以降から新生スターリンの解散までの約7年続く遠藤のバラエティに富んだ音楽活動を予告するような内容であると指摘した[5]。 収録曲に関して行川は、「仰げば尊し」の英題「SCHOOL'S END」がアリス・クーパーの曲「スクールズ・アウト」(1972年)を想起させるとした上で「ポップにリメイク」されたと表現、「ING'O 7」では遠藤自身がスライドギターを演奏している事を指摘、「WATER SISTER」は「内省的に迫る静かな」曲であると表現、「THE STALIN」はセックス・ピストルズのアルバム『ザ・グレイト・ロックン・ロール・スウィンドル』(1979年)の収録曲「ザ・グレイト・ロックン・ロール・スウィンドル」に影響された曲調であり、同バンドのニヒリズムの流れを感じさせると表現した[5]。 リリース、チャート成績本作は1985年3月30日に東芝EMIのイーストワールドレーベルより、LPにてリリースされた。本作はオリコンアルバムチャートにて最高位第88位の登場週数2回で売り上げ枚数は0.2万枚となった[1]。 以降、長らく再リリースされずCD化されていなかったが、2003年10月24日に初CD化されいぬん堂よりリリースされた[6]。 批評、影響
収録曲一覧全作詞・作曲・編曲: 遠藤みちろう(特記除く)。
曲解説
スタッフ・クレジット参加ミュージシャン
スタッフ
リリース履歴
脚注
参考文献
外部リンク
|