SES アストラ
SESアストラSA(SES Astra SA)は、アストラ静止衛星シリーズを所有・運用し、176機のトランスポンダで約1100チャンネルのアナログまたはデジタルのテレビ/ラジオ放送をヨーロッパの9100万世帯に提供している。SESの子会社であり、ルクセンブルク東部のベッツドルフ (Betzdorf) にある。 沿革1985年、Société Européenne des Satellites-Astra (SES-Astra) として創設された。ヨーロッパ初の民間衛星運用企業である。現在の標語は「Your Satellite Connection to the World」である。 最初の顧客はスカイ・テレビジョン(現BスカイB)で、1989年に4機のトランスポンダを購入した。イギリスおよびアイルランドでは東経19.2°の方向にアンテナを向けていたが、2001年9月のスカイのアナログ放送の休止に伴い、1998年の打ち上げ以来デジタル放送の行われている東経28.2°の方向に向けるようになった。 2011年にSES本社に吸収され一部門となった。 衛星の詳細SES アストラは3つの軌道で12機の衛星を運用している。7機は19.2°E、3機は28.2°E、2機は23.5°Eである。さらに初期のアストラ1の代替として2機製造中である。アストラは同一軌道に常時複数の衛星を配置して異常が起きても代替できるようになっている。
備考 衛星製造と打ち上げSES アストラの運用する人工衛星の設計は、ボーイング衛星システム(BSS、かつての Hughes Space and Communications)、EADSアストリアム、アルカテル・スペースが行っている。 アストラ衛星は全て同じ設計ではなく、例えばアストラ2衛星群のうち、2Aと2Cは BSS 601HPs、2Bは Astrium Eurostar-2000、2Dは BSS 376 である。 打ち上げはフランス領ギアナのクールーからアリアンスペースのアリアンロケットで行うか、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から International Launch Services のプロトンロケットで行う。衛星は楕円の「一時遷移軌道」で打ち上げられ、そこから推進することで、高度約36,000kmの円形の静止軌道に達する。プロトンロケットに4段目の推進ユニットを装備すると、(楕円軌道の近地点で)アリアンロケットよりも数千キロメートル高く衛星を打ち上げることができる。そのため、静止軌道に達するまでの燃料消費が少なくて済み、運用における柔軟性が増す。 失敗SES アストラが1997年に開発を依頼したアストラ1Kは当時最大の商用通信衛星だった。アストラ1Kは2002年11月26日、プロトンロケットで打ち上げられた。ロケットは予定通り打ち上げられ、待機軌道に達して最終段の燃焼によって衛星を静止軌道に乗せようとした。しかし、最終段は点火せず、衛星は待機軌道に放たれ、使い物にならなくなった。これを回復させる唯一の方法はスペースシャトルを使うことだったが、断られた。2002年12月10日、SES アストラは製造者のアルカテル・スペースとフランス国立宇宙研究センターに依頼し、衛星を軌道から離脱させ、太平洋上で大気圏に再突入させた。 外部リンク
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