PIG/ピッグ
『PIG/ピッグ』(原題:Pig)は、2021年に公開されたアメリカ合衆国のドラマ映画。監督はマイケル・サルノスキ、主演はニコラス・ケイジが務めた。本作はサルノスキの長編映画監督デビュー作でもある。 本作は批評家から絶賛されている(後述)。特に、ケイジの演技に対しては惜しみない賛辞が贈られており、「近年の彼の演技の中では最高のもの」と評されている[2]。 ストーリーオレゴン州。ロビン・フェルド(ロブ)はかつて大都会ポートランドで一流の料理人として腕を振るっていたが、妻(ローリー)を亡くしてからというもの、森の奥深くで隠者同然の暮らしを送っていた。ロブは自慢の豚と共にトリュフを採取し、それを駆け出しのバイヤーであるアミールに売却することで生計を立てていた。ところが、そんなある日、ロブの愛豚が何者かによって誘拐されるという事件が発生した。ロブはアミール経由で犯人と思しきヤク中集団の情報を得ることができたが、彼らの下に辿り着いたときには、既に豚はポートランドへと運び去られていた。 何としてでも愛豚を取り戻したいロブは、アミールと共に意を決してポートランドに向かうことにした。かつての知人たちを尋ねて情報を集めたところ、事件の背後にはアミールの父親で街の顔役であるダリウスがいたことが判明する。怒り狂ったロブはアミールとの絶縁を宣言し、その勢いでダリウスの自宅にまで乗り込んでいった。ロブはダリウスに豚を返すよう迫ったが、「2万5000ドルを支払うから今回のことは忘れろ。君もあの豚の命は惜しいだろう」と言われ引き下がるより外なかった。 途方に暮れるロブを迎えに来てくれたのはアミールであった。道中、ロブは「俺は樹木を頼りにトリュフを見つけていた。だから、あの豚がいなくてもトリュフハンターは続けられる。でも、俺はあいつが大好きだ。あいつと一緒にいたいんだ」とアミールに胸の内を明かすのだった。そして、最後の望みを託し、ダリウスを料理でもてなす作戦を立てるロブ。ダリウスとその妻は昔、ロブの店の常連だったのだ。完全な懐かしい味の再現に動揺したダリウスは、豚が乱暴な扱いで死んだことを白状した。その場にへたり込むロブ。「探しに来なければ、まだあの子は頭の中で生きていた」と呟いて、ロブは山の小屋に帰って行った。 キャスト※括弧内は日本語吹替。
製作・音楽2019年9月23日、ニコラス・ケイジとアレックス・ウルフが本作に出演することになったと報じられた[3]。同月下旬、本作の主要撮影がオレゴン州のポートランドで始まった[4]。2021年7月16日、レイクショア・レコーズが本作のサウンドトラックを発売した[5]。 マーケティング・興行収入2020年3月26日、ネオンが本作の全米配給権を獲得したと報じられた[6]。2021年6月18日、本作のオフィシャル・トレイラーが公開された[7]。7月16日、本作は全米552館で封切られ、公開初週末に97万935ドルを稼ぎ出し、週末興行収入ランキング初登場10位となった[8]。 評価本作は批評家から絶賛されている。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには242件のレビューがあり、批評家支持率は97%、平均点は10点満点で8.2点となっている。サイト側による批評家の見解の要約は「『PIG/ピッグ』は観客の予想を良い意味で裏切る作品である。同作において、愛と喪失をめぐる美しい物語が展開されているが、それはニコラス・ケイジの鮮烈な演技があってこそのものである。」となっている[9]。また、同サイト内での年間評価で選出される「第23回ゴールデン・トマト賞」の限定公開映画賞とドラマ映画賞を受賞し、年間ベスト映画では第4位に輝いた[10]。 また、Metacriticには39件のレビューがあり、加重平均値は82/100となっている[11]。 映画監督クエンティン・タランティーノは、2024年の自身のポッド・キャストの配信において、「過去5年で最高の映画」に本作を選んだ[12]。
受賞・ノミネート
出典
外部リンク |
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