MINT JAMS
『MINT JAMS』(ミント・ジャムス)は日本のフュージョンバンド、カシオペアの7枚目のアルバム。ライブ・アルバムとしては2作目にあたる。 解説アルファレコードのヨーロッパ進出に伴い、所属アーティストであるカシオペアのヨーロッパ向けのアルバムの制作が企画された。当初は既存アルバムからのベストセレクトが予定されていたが、ヨーロッパでのディストリビューションを受け持つことになったCBS-UKの担当者 Peter Robinsonが、1981年12月の「CROSS POINT」ツアーにおける大阪公演のパフォーマンスをたいへん気に入り、「何というライブの素晴らしいバンドだ。このライブの迫力とスタジオ録音の緻密さが一緒になったものができないだろうか」とのリクエストに応え、既存の楽曲をホール・レコーディングすることとなった。 アルバム制作のマテリアルとして中央会館(現・銀座ブロッサム 中央会館)における2日間の単独ライブ音源が使用され、10日間以上にわたる入念なリミックス作業が行なわれた。楽曲も事前にスタジオ作業を念頭に置いたアレンジがなされ、「Time Limit」のアウトロなどにスタジオで部分的なトリートメント処理が施されたほかは一切ダビングを行なわず[2]、ライブにつきものの観客のノイズも「Domino Line」と「Swear」の一部を除きカットされ、スタジオ録音と見紛うほどの出来ばえになっている。 アルバムタイトルは、ミント・コンディション (新品同様、極上のコンディションの意) のミントとジャム・セッションのジャムを合わせた造語「最高の演奏」 (当時は自重してミントの意味を“爽快な”として説明していた) であり、メンバーのイニシャルのアナグラムでもある。アルバムジャケット[3]にはタイトルの直訳である“ハッカのジャム”の瓶が描かれている。 彼らの純粋な演奏のダイナミズムに綿密なスタジオ作業が加わった『MINT JAMS』は、今日においてもカシオペアのキャリアを代表する作品のひとつとして評価されている。 このセッションで試みたレコーディング手法は後年のアルバム制作にも活かされており、次作『FOUR BY FOUR(4X4)』ではリー・リトナーグループとのスタジオセッション音源、1984年の『DOWN UPBEAT』ではスタジオでの一発録音音源、1990年の『THE PARTY』ではスタジオライブの映像収録時の音源をそれぞれ用いている。近年では、アレンジをリハーサルライブで充分に練り上げたのち、短期間のスタジオレコーディングに臨むという手法も用いている。 なお向谷実はこの頃より"YAMAHA GS1"をメインキーボードにするようになり、以後カシオペアの表看板となっていった。 本作のヨーロッパ盤は日本と同年にリリースされた。翌1983年、彼らがアルバム『JIVE JIVE』のレコーディングのためにロンドンを訪れた際、プロモーションのためのライブが行われている。 収録曲
スタッフ・クレジット参加ミュージシャンCASIOPEA
制作クレジット
受賞履歴
リリース日一覧
参考文献
外部リンク
出典・脚注
|