KSK (ドイツ陸軍)
KSK(ドイツ語:Kommando Spezialkräfte)とは、ドイツ連邦陸軍特殊作戦師団隷下の旅団級特殊部隊である。1996年に編成される。日本語では特殊戦団と訳される場合もある。 KSKのモットーは、「Facit Omnia Voluntas(意志が決め手)」。管理系統は特殊作戦師団隷下にあるも、統合作戦や国外での実作戦時には特殊部隊作戦指揮司令部の指揮下におかれる。 歴史KSKの編成は、1996年、カルフのグラーフ・ツェッペリン兵舎に駐屯する第25空挺旅団を基盤に始まった。KSK創設の基幹要員となったのは、解隊された第25空挺旅団、ならびに連邦軍第100および第300偵察中隊の将校だった。編成は、2000年に完結した。 KSKは、陸軍指導部に従属し、軍事性の作戦のみを行う純粋な軍事組織である。KSKは、特殊作戦旅団(フランス)、グリーンベレー(米国)、そしてSAS(英国)のようなNATO諸国の類似部隊と同じように創設された。これら部隊は、KSKのための原型かつ手本であるだけではなく、戦闘訓練過程における常時パートナーでもある。英SASとの協力は、特に上手く進行している。ヘレフォード市の第22連隊の駐屯地から15kmにあるポートリラス市において、協同演習がかなり頻繁に行われている。 2002年、ドイツのマスコミに、KSKがアフガニスタンに投入され、特殊作戦に参加しているという報道が現れたが、ドイツ国防省は損害や作戦の成否を含め、一切のコメントを拒否している。 先祖にあたる部隊として1990年から1996年まで活動していたFallschirmjägerkompanie B1(FJK B1:B1降下猟兵中隊)と呼ばれるコマンドー部隊が存在していたが、KSKの創立に伴い解隊した。 不祥事KSKはナチスへの傾倒や軍内での武器の横領疑惑など極右的な風土があるとして当局より調査をたびたび受けている。
任務KSKの創設目的は、ドイツ連邦軍の文書中において、次のように定義されている。「戦争の防止及び停戦、国の防衛の枠内における軍事作戦の実施のための陸軍部隊。新しい状況に基づき、連邦軍の前には、既存の戦力が遂行できない新しい任務が生じている。このためには、当該任務を迅速に遂行し、軍の行動を補足できる特殊戦力が必要とされる」。 現在、KSKには、以下の任務の遂行が要求されている。
編制KSKは、本部、100人から成る偵察中隊、各80人の4個コマンドー中隊、通信、修理、物資・衛生保障の3個保障中隊から成り、総員580人である。コマンド中隊は、その各々が専門を有する4個小隊から成る。第1小隊は地上浸透、第2小隊は空中浸透、第3小隊は水上浸透、第4小隊は、複雑な地理及び気象条件下での作戦を専門とする。 訓練・研究センターも戦闘部隊に属する。ここでは、候補者の選抜、その訓練等、あらゆる研究が行われる。
選抜基準KSKには、3ヶ月間の選抜過程を受けた連邦軍の将校及び下士官だけが採用される。候補者の年齢の上限は、以下の通りである。
選抜第1段階においては、以下のような基準により、候補者の体力が検査される。
選抜の第3週目には、グループで錯雑地とシュヴァルツヴァルト山地の長期行軍が行われる。この際、重量物を長距離運搬させられ、完全装備での負傷者の搬送、登山及び飛込みが実施される。この全てには、睡眠と食事の制限が付随する。最後に、候補者は心理的安定性の各種テストを受ける。この後、合格者は契約書に署名する。KSKでの最低勤務期間は、6年である。下士官の年齢の上限は、38歳である。 歴代団長[2]
主要装備武器
車両等その他脚注
関連項目
外部リンク |