HP 30bHP 30b (NW238AA)は2010年1月7日に発売されたヒューレット・パッカード(HP)社のプログラミング可能[1]な金融電卓である[2]。2014年に製造が終了している。 HP 30bは前機種HP 20bの進化バージョンである。 その特徴は、
である。 このARM搭載電卓は限定的ではあるものの科学技術関数を搭載している。科学技術関数の搭載は金融電卓としては珍しい。 さらにブラック–ショールズ方程式[4]も内蔵しており、コール・オプション(買う権利)とプット・オプション(売る権利)の行使に対する理論プレミアム(オプションの価値)、修正内部収益率(Modified Internal Rate Of Return)そして財務管理収益率(Financial Management Rate of Return)を計算するために使う。 HP 30bは当時の最も高速な電卓の一つであり、当時のHP社のフラッグシップモデル HP 50gよりも高速である。その原因はHP 30bがネイティブARMコードで実行されるからである。一方、HP 50gは75MHzで動作しているにもかかわらず、Saturnコードをエミュレーション実行するので遅い。 HP 30bはHP 20bで評判の悪かったキーよりも改良されたキーを採用したため利用者から賞賛されている。 当時、HP 30bはCFA認定試験のような主要な試験で持ち込みが禁止されていた。 仕様
WP 34S と WP 31SHP 20bと同様にHP 30bのファームウェアはPCと特殊ケーブルを使って書換えることができる。 この書換の容易さを利用して、一部のHP電卓ファンが金融電卓HP 30bとHP 20bをプログラム科学技術関数電卓へ変身させるファームウェアを制作した[7]。その結果としてWP 34Sが誕生した。そのファームウェアと説明書は無料でダウンロードできる[8]。そして、キーパッド用オーバーレイ(キーパッドの上に貼るシール。HP 30bからキー配置が変わるので必要)は低価格で購入可能である[9]。 特殊ケーブルもかつては販売されていたが、2016年12月現在は販売されていないので、自作する必要がある。特殊ケーブルは、USBをシリアル変換する必要がある上、シリアル配線側に2つのスイッチが必要である。さらに電卓側の特殊形状6pinコネクタは市販されていないので、電卓側のコネクタは完全に自作する必要がある[10]。そのため、本体の改造よりも特殊ケーブルの自作の方が難しくなっている。 WP 34Sの時間関連機能の誤差を減らすためには、HP 30bに水晶振動子とキャパシタ(コンデンサ)を追加する改造と水晶振動子を有効化する操作が必要である。 WP 34Sは完成品が商業販売もされている。完成品にはオーバーレイが貼られており、水晶振動子とキャパシタも装着済みである。2016年12月現在、WP 34Sの販売サイトには「状態の良いHP 30bが残っていないので、キーに多少問題があるものしか発送していない」と書かれている[11][12]。 WP 31SはWP 34S完成品の廉価版である。2016年12月現在、すでに商業販売はされていないようである[13]。 外部リンクHP 30b Business Professional(公式ページ) WP 34S Scientific Calculator(WP 34Sの完成品の販売。上述のようにキーに難点があるかもしれない) WP 31S Scientific Calculator(WP 31Sの完成品。販売終了) WP 34S Overlay(WP 34Sのオーバーレイの販売。WP 34Sを自作するときに必要) How to make WP 34S(HP 30bをWP 34Sへ改造する方法) 出典
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