Elite Dangerous
『Elite Dangerous』(エリートデンジャラス)は、2014年のWindowsおよびMacOS用スペースフライトシミュレーター:MMORPGである。 Frontier Developmentsが開発・発売した本作は、Elite(1984年)シリーズの1作でありプレイの自由度の高さが特色である。 2015年10月6日にはXbox One版が発売されたほか、2017年6月27日にはPlayStation 4版も発売された[7]。 また、2016年3月28日にはOculus Riftのローンチタイトルとして本作のVRHMD対応版が発売されている[8]。 ゲーム内容ゲーム開始時、プレイヤーはMatetのCoelho Stationという小さなステーションで1000クレジットと小さな船を持った「CMDR(コマンダー)」として登場し、ここから完全に自由に行動できる。 舞台背景や新たに発生した出来事によってストーリーは展開するが、それによりプレイヤーが特定の行動を強制されることはほとんどない。つまり、大きなイベントに参加することで世界の行く末を左右することも、そういったことに関わらずに暮らすことも可能である。 行動できる範囲は天の川銀河全域であり、既に知られている範囲の宇宙は再現されている一方、現実世界では未知とされている範囲は架空の設定がなされている。 星系間の移動には超光速航法を可能にするフレームシフト・ドライブ(FSD)と呼ばれる技術が使用されている(後述)。 資金を増やすには各星系を支配している団体のミッションを受けるか、商品を輸送し価格差を利益にする、賞金をかけられた犯罪者を撃墜し利益を出す、他の船を襲って貨物を奪うなどの行為を行う必要がある。 世界観このゲームの舞台は34世紀、協定世界時に1286年を加えたものがゲーム内時間となる。 人類圏の拡大により、銀河全体の人類の総人口は6兆人を超えている。 技術人類はフレームシフト・ドライブ(FSD)という装置で超光速航行および恒星間ワープを実現し、スペースコロニーやテラフォーミング技術で生存圏を太陽系外に広げている。 宇宙船の燃料や生活に必要なエネルギーは、恒星から放出される水素を用いており、人類の技術レベルはいわゆる「タイプII文明」に到達している。 勢力火星を首都とした自由主義国家の連邦、連邦から分裂し絶対君主制と奴隷制を導入した帝国、連邦と帝国の脅威に対応するために星系が手を結んだ共同体である同盟の3つの主力勢力と、そのいずれにも属さないアナーキー星系が存在する。 連邦と帝国は対立しており、冷戦状態にある。 宇宙人
過去世代宇宙船(Generation Ship)はFSDが開発される前の移動手段であり、目的地に着くまでの長い時間、船員たちが世代交代をしながら航行する恒星船である。この世界では数万の恒星船が銀河中に散らばっているとされ、すでに発見されたものもいくつかある。基本的にほとんどのものは機能を停止し、船員の残した音声ログが残されているのみであるが、音声ログのなかには世界観の理解のために重要なものもある。また、恒星船の中には未知の伝染病の流行で乗員が全滅したものや、謎の電波で乗員が発狂し殺し合いの末に全滅したものなど、悲惨な最期を辿ったもある。 著名な地名
開発本作の開発資金はクラウドファンディングによってまかなわれた[8]。 リリース
評価VR版に対する評価フリーライターの佐藤カフジはweb媒体Game Watch内の連載にて、VR版について本作とVRとの相性のよさを証明する一本だと評価し[9]、ファミ通編集部のミル☆吉村も同様の評価を述べている[10]。 Operation: Beyond The Dark Edge本作では、銀河の果てを目指す競争がしばしば行われている[11]。そういったプレイヤーの一人が、フライト時間にして249時間後に太陽系から6万5705光年のポイントに到達、無事に自身の過去最高記録を更新した。しかし出発から42日目、ミスからか燃料を使い果たしてしまい、天の川銀河の果ての何も無い空間で帰還不能に陥ってしまった。2018年11月、彼はゲームの公式掲示板に、「ここが私の住処になります。」と諦めたような書き込みを投稿した[12]。 しかし、本作にはこういった燃料切れで立ち往生したコマンダーを救助する集団がおり、そこに所属するコマンダーの一人が、掲示板に彼の救出作戦「Operation Beyond the Dark Edge」が進行中であることを投稿。5名のコマンダーと2576トンの燃料、632機のドローンを運ぶ[12]、『Elite: Dangerous』史上でも稀に見る大作戦であった[13]。計画立案には3日以上かかり、大量の燃料と資材、それらを運ぶための宇宙船の用意、さらには必要スキルの獲得まで行ったという[11]。 計画の進捗はTwitchなどで更新を重ねつつ伝えられ、2019年2月23日21時(日本時間で24日朝6時頃)に、救出作戦のクライマックスである2機の救助艇によるタッチダウンが予定された。普段は決して多くないTwitchの『Elite: Dangerous』の視聴者数だが、救出作戦のライブストリーミングは多くの人々に見守られた。そして、救出作戦開始から飛行時間にして600時間に及んだ救出作戦は成功。最低限の設備以外のシステムを落としていた遭難機は、90日ぶりにすべての機能がオンラインに復帰した。深宇宙への旅を始めてから133日目、救助されたコマンダーは、事前に用意していたシャンパンの栓を抜き、祝杯をあげたという[13]。 脚注
外部リンク
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