CUCV
CUCV(Commercial Utility Cargo Vehicle)は、アメリカ軍で、民生品のピックアップトラックやSUVに改修を加え、軽軍用車両として採用するプログラムの呼称、およびそれらの車種の呼称である。
概要CUCVはアメリカ合衆国で1970年代中旬に調達計画が始まった。この頃アメリカでは、M151"ケネディ・ジープ"シリーズの後継車種という位置づけで開発されたM561 ガマゴートが、非常に高いオフロード性能を持つ一方、その複雑な機構のため高価であり、M151の全てを更新する程の数を揃えられない事や、M151そのものの耐用年数も迫ってきていることなどから、これらの車種の、低コストの後継車種として計画されたものである。 CUCVはM151の任務の中でもオフロード能力や耐弾能力を求められない後方任務等を引き継ぐものとして運用され、一方、高いオフロード能力を求められる分野では、M561 ガマゴートが1980年代半ばまで使用が続けられた後、AMゼネラル社のハンヴィーシリーズがその任務を引き継いでいく事となった。 CUCVシリーズの車種は、民間市販車をモデルとしているためこれまでに何度かのモデルチェンジを行いながらも、1970年代中盤から現在に至るまで、アメリカ軍および輸出先で使用が続けられている。 バリエーションダッジ M880/M890
最初に採用された車種はダッジ製W/Dシリーズピックアップトラックで、1976年から1977年にかけて、4×4輪駆動のM880シリーズ、4×2輪駆動のM890シリーズとしてアメリカ軍に採用された。この時点では、採用された車種には"CUCV"の名称は用いられていなかった。 M880/M890は積載量約2,500ポンド(1,130kg)で、カーゴ型を基本としていくつかの派生型が制式化されている。 エンジンは出力150馬力のクライスラー製5,200ccV型8気筒ガソリンエンジンを搭載し、変速機は3速オートマチックであった。M880/M890シリーズは総計約44,000台がアメリカ軍に採用されている。 形式
使用国GMシボレー CUCV
1983年に、M880/M890に代わる新型車種としてゼネラルモーターズ製のシボレー・C/K、シボレー・K5ブレイザーをベースとした車両が新たに追加採用され、この車種はCUCVと呼称された。 M880/M890と同様に、ピックアップトラック型、救急車型など派生車種が開発された。エンジンは出力155馬力の6,200ccV8ディーゼルエンジンを搭載し、変速機は3速オートマチックであった。CUCVは1983年から1986年にかけて生産され、総計70,000台がアメリカ軍に採用された。 1986年から1996年にかけても、それまでに生産した車両の交換用として、引き続き少数が継続して製造された。 形式
使用国GMシボレー CUCV II
1996年に、CUCVの後継車種として、CUCV IIという名称で新型車種が採用された。この車種はバージョンアップされたシボレー・C/Kシリーズ、シボレー・タホシリーズ、シボレー・サバーバンシリーズなどをベースとして、2000年頃まで生産された。 形式
使用国LSSV
2000年に、ベース車種のモデルチェンジに伴いCUCV IIの調達が終了し、2001年には新モデルの調達が始まったが、これらの車種は新たにLSSV(Light Service Support Vehicle)と呼称されるようになった。LSSVシリーズはシボレー・シルバラードシリーズ、シボレー・タホシリーズ、シボレー・サバーバンシリーズをベース車種としている。 ゼネラルモーターズ製の6,600ccV型8気筒ターボディーゼルエンジンと、4速または5速のオートマチックトランスミッションを装備している。 2005年から、LSSVの調達先企業がゼネラルモーターズ社からAMゼネラル社に変更されている。 形式
使用国脚注・出典
関連項目
外部リンク
|
Portal di Ensiklopedia Dunia