Brainfuck

Brainfuck
パラダイム 構造化プログラミング
登場時期 1993年
設計者 Urban Müller
型付け なし
影響を受けた言語 P′′
影響を与えた言語 Ook!Pxem
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Brainfuck(ブレインファック)はプログラミング言語のひとつ。なお名称に含まれるfuck卑語であるため、Brainf*ck または Brainf**kなどと表記されることがある。

概要

開発者Urban Müllerがコンパイラがなるべく小さくなる言語として考案した。 実際、Müllerが開発したコンパイラのサイズはわずか123バイトインタプリタは98バイトであった。

Brainfuckプログラムは非常に可読性・記述性が低いため実用性は期待できないが、チューリング完全である。その簡潔さから多くの派生言語を生み出すこととなった。

Brainfuckの言語仕様

処理系は次の要素から成る: Brainfuckプログラム、インストラクションポインタ(プログラム中のある文字を指す)、少なくとも30000個の要素を持つバイトの配列(各要素はゼロで初期化される)、データポインタ(前述の配列のどれかの要素を指す。最も左の要素を指すよう初期化される)、入力と出力の2つのバイトストリーム。

Brainfuckプログラムは、以下の8個の実行可能な命令から成る(他の文字は無視され、読み飛ばされる)。

  1. > ポインタインクリメントする。ポインタをptrとすると、C言語の「ptr++;」に相当する。
  2. < ポインタをデクリメントする。C言語の「ptr--;」に相当。
  3. + ポインタが指す値をインクリメントする。C言語の「(*ptr)++;」に相当。
  4. - ポインタが指す値をデクリメントする。C言語の「(*ptr)--;」に相当。
  5. . ポインタが指す値を出力に書き出す。C言語の「putchar(*ptr);」に相当。
  6. , 入力から1バイト読み込んで、ポインタが指す先に代入する。C言語の「*ptr=getchar();」に相当。
  7. [ ポインタが指す値が0なら、対応する ] の直後にジャンプする。C言語の「while(*ptr){」に相当。
  8. ] ポインタが指す値が0でないなら、対応する [ (の直後[注釈 1])にジャンプする。C言語の「}」に相当[注釈 2]

Brainfuckプログラミング例

Hello World!

++++++++[>++++[>++>+++>+++>+<<<<-]>+>+>->>+[<]<-]>>.>---.+++++++..+++.>>.<-.<.+++.------.--------.>>+.>++.

派生言語

以上の8つの命令文字は可読性のために選ばれたものであり、これらが使われなければならない理由はなく、より難解にすることを目指したり、あるいは単なる遊びとして、各命令に使用する文字を置き換えた派生言語が考えられている。以下はその代表例である。

  • A[1] - 「A」だけで記述する。文字を置き換え、難読性を深めた例。
  • BrainCrash[2] - 4つの命令「|&~^」を加えたもの。終了時にポインタの指す値が0になるまでポインタを進め値を出力する。また、実行前に"Hello, world!"が格納される。原型をさらに発展させた例。
  • Ook! - 「Ook.」「Ook!」「Ook?」のうち2つのトークンから成る文字列をBrainfuckの各命令に当てはめたもの。使用される記号(実際には文字列だが)の種類がわずか3つと、本家より少ない。元の8種類の文字を置き換え、よりユーモアを加えた例。

脚注

注釈

  1. ^ 現在言語仕様として参照されているBrian Raiterによる記述には「直後」とは書いてないが、意味を考えると直後とするのが妥当
  2. ^ 無条件に、対応する [ にジャンプしている、と考えることもできる。

出典

関連項目

外部リンク