BRエンジニアリング・BR1は、SMPレーシングとドラゴンスピード(英語版)が使用し、BRエンジニアリングが製作した、スポーツプロトタイプのレーシングカーである。[4]これは、FIA世界耐久選手権およびルマン24時間レースでのルマン・プロトタイプの2018年LMP1規定を満たすように設計された。BR1は、2018-19年のFIA世界耐久選手権の第1戦、スパ6時間レースでデビューした。
開発
SMPレーシングは、ダラーラ・P217で、2017年のヨーロピアンルマンシリーズのLMP2クラスに参戦していた。 2017年、ダラーラと共同でBRエンジニアリングとロシアの大学生とが新たなシャーシ、BR1を設計および製造した。[5]ミハイル・アリョーシンは、アラゴンでの最初のテスト中に、マシントラブルにより腕に怪我を負った。[5]バーレーンでの正式な発表に先立ち、マシンはキリル・レディギン、ヴィタリー・ペトロフ、ヴィクトル・シャイタール、セルゲイ・シロトキンによってもテストされた。[6]
レース戦績
2018-19年
2018-19年の世界耐久選手権のスーパーシーズンでは、3台のBR1が投入された。2台はSMPレーシングで、もう1台はドラゴンスピード(英語版)だった。2チームの車は、エンジンの選択が異なっていた。SMPは、AER製のP60B 2.4リッターV6ターボエンジンを使用した。ギブソン製のGL458 4.5リッターV8自然吸気エンジンを使用したドラゴンスピードは、レベリオン・レーシングがR13で使用したものと同じエンジンだった。
スパ6時間でのデビュー戦は、ドラゴンスピードのドライバーであるピエトロ・フィッティパルディが、予選中の事故で両足を骨折した。車は電気系の問題を抱えていた為、オールージュを登っている時に車がコントロールを失い壁に衝突し、レースに参加できなかった。[7] SMPレーシングも#17が技術的な問題を抱えていた。だが#11は予選で5位だった。[8]レースでは、#17がオールージュの頂上で空中を飛ぶアクシデントが発生しリタイヤした。[9] #11は総合5位でフィニッシュした。
ル・マン24時間レース(英語版)では、ドラゴンスピードの#10 BR1がポルシェカーブの出口でクラッシュし、レース残り約7時間40分で、リタイアした。#17もポルシェカーブでアクシデントを起こし、リアに深刻なダメージを与えた。 マテヴォス・イサーキアンは再び走らせようとしたが、エンジンが修理不可能なほど損傷し、数メートル動かした後、再び車を止めた。#11はレースの早い段階でメカニカルトラブルが発生し、再びレース復帰したが、315周でリタイヤとなった。
シルバーストンでは、#11 SMPレーシングBR1でエンジントラブルが発生し、リタイアした。しかし2台のトヨタ・TS050ハイブリッドが失格となったため、#17は2台のレベリオン・R13に次ぐ総合3位でフィニッシュした。ドラゴンスピードの#10はメカニカルトラブルが起こり、総合25位、クラス4位だった。
富士スピードウェイでは、SMPの#17 BR1が右前輪外れた後、メカニカルトラブルが発生し、リタイヤした。一方#11は総合4位でフィニッシュした。ドラゴンスピードの#10もメカニカルトラブルを起こし、リタイヤした。
FIA 世界耐久選手権の戦績
脚注
- ^ Goodwin, Graham (17 November 2016). “BR Engineering, Dallara & ART Grand Prix Combine For New For 2018 BR1 LMP1 L Programme”. dailysportscar.com (Dailysportscar). http://www.dailysportscar.com/2016/11/17/br-engineering-dallara-and-art-grand-prix-combine-for-new-for-2018-br1-lmp1-l-programme.html 20 May 2018閲覧。
- ^ “New age of Russian motorsport as BR1 LMP1 is revealed for 2018/19 WEC”. fiawec.com (FIA World Endurance Championship). (17 November 2017). https://www.fiawec.com/en/news/new-age-of-russian-motorsport-as-br1-lmp1-is-revealed-for-2018-19-wec/5650 20 May 2018閲覧. "The presentation of BR1 was attended by many VIPs including Boris Rotenberg, founder and head of BR Engineering; Pierre Fillon, President of the ACO; Gérard Neveu, FIA WEC CEO; Luca Pignaca, Dallara chief designer; Dmitry Samorukov, SMP Racing CEO; and Russian motorsport development program SMP Racing drivers: Mikhail Aleshin, Vitaly Petrov and Matevos Isaakyan."
- ^ “BR1”. www.brengineering.ru. BR Engineering. 20 May 2018閲覧。
- ^ Smith, Luke (17 November 2017). “DragonSpeed Confirms BR1 Gibson for WEC”. sportscar365.com (John Dagys Media). http://sportscar365.com/lemans/wec/dragonspeed-confirms-br1-gibson-for-wec/ 20 May 2018閲覧。
- ^ a b Dagys, John (23 November 2017). “Dallara-Built BR1 a “Completely New” Car”. sportscar365.com (John Dagys Media). http://sportscar365.com/lemans/wec/dallara-built-br1-completely-new-car/ 20 May 2018閲覧。
- ^ Smith, Luke (17 November 2017). “BR Engineering BR1 Unveiled”. sportscar365.com (John Dagys Media). http://sportscar365.com/lemans/wec/smp-racing-br1-unveiled-in-bahrain/ 20 May 2018閲覧。
- ^ Dagys, John (4 May 2018). “Fittipaldi Airlifted to Hospital With Broken Legs”. sportscar365.com (John Dagys Media). http://sportscar365.com/lemans/wec/fittipaldi-airlifted-to-hospital-with-suspected-leg-fractures/ 20 May 2018閲覧。
- ^ Dagys, John (4 May 2018). “Toyota Dominates Qualifying at Spa”. sportscar365.com (John Dagys Media). http://sportscar365.com/lemans/wec/toyota-dominates-qualifying-at-spa/ 20 May 2018閲覧。
- ^ Dagys, John (9 May 2018). “Video Emerges of Isaakyan’s Wild Airborne Crash at Spa”. sportscar365.com (John Dagys Media). http://sportscar365.com/lemans/wec/video-emerges-of-isaakyans-wild-airborne-crash-at-spa/ 20 May 2018閲覧。
外部リンク