Affinity Photo(アフィニティフォト)は、Serif Europeが販売するビットマップ画像編集アプリケーションソフトウェアである。macOS、Windows、iOS(iPad版)にて提供されている。
概要
主に写真編集(フォトレタッチ)、イラストレーション、RAW現像など画像の加工・編集のためのソフトウェアである。特にAdobe Photoshopの代替となる事をアピールしており、PSD、EPS、SVG、PDFなどの一般的なグラフィックファイル形式と互換性がある。一部のPhotoshopプラグインも利用可能である[1]。Affinity Photoをはじめとするセリフの製品は買い切り型のソフトウェアであり、サブスクリプション形式との差別化を強調している。
同じAffinityシリーズとの連携機能を備えている。ベクターイメージの取り扱いに秀でるAffinity Designer、印刷やテキスト関連の機能が豊富なAffinity Publisherへワンクリックで高速に移管する機能を持っている。またiPad版との互換性もあるため、iPadとmacOS/Windows間で一貫性を保った編集を行う事ができる。
機能
Affinity Photoは5つのペルソナモードを切り替えて使用する。モードごとに得意とする画像処理の分野が分かれている。
写真ペルソナ
Affinity Photoの最も基本的なモードである。レイヤーを用いて画像の全体像を操作できる。他のペルソナを使用後は必ず写真ペルソナに戻って全体像をチェックする事になる。いわば中心駅のようなモードと言える。また他のペルソナモードが得意とする処理も写真ペルソナ内で簡易的に行える。
ゆがみペルソナ
画像のゆがみ処理に特化したモード。たとえば写真内の人物を小顔にしたり目を大きく加工するなど、画像の変形処理を行える。
現像ペルソナ
RAW画像の現像を行うモード。色調補正、レンズ補正、赤目補正、傷除去などの機能を備える。
トーンマッピングペルソナ
コントラストの調整や、シャドウとハイライトの操作など、画像の見え方を調整するモード。
書き出しペルソナ
ファイルの書き出しを行うモード。画像の分割やサイズ変更、複数のファイル形式への出力などの設定を行える。
ファイル形式
Affinity Photo File拡張子 | .afphoto |
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MIMEタイプ | application/octet-stream |
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開発者 | Serif (Europe) |
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種別 | 画像ファイルフォーマット |
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Affinity Photoが出力するデフォルトのファイル形式は .afphoto である。afphotoファイルは複数の画像レイヤー、図形、鉛筆やペンの描画、ペイントストローク、テキスト、照明、着色効果など、Affinity Photoの要素を格納するファイル形式となっている。
歴史
2015年7月に、macOS専用の画像編集ソフトとして、Mac App Storeにてリリースされた。
2015年のAppleが選ぶMac App of the Yearを受賞した[3]。
2016年12月に、Windows版がリリースされた[4][5]。
2017年6月に、iPad版がリリースされた[6](AppleのWWDC 2017 基調講演中に行われた[7])。
2020年11月12日、Macの新プロセッサApple M1に対応するため、macOS版のみバージョン1.8.6をリリースした[8]。
2022年11月9日、Affinityバージョン2を発売。バージョン1とライセンスの互換性はないが大幅な機能追加が行われた。対応動作OSも更新された。またライセンス形態が変更され、PC版とiPad版の統合ライセンスであるユニバーサルライセンスをリリース。
リリース履歴
macOSおよびWindows版
バージョン
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リリース日
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備考
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サポート終了:1.3
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2015年07月09日
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Mac版公開。
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サポート終了:1.4
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2016年02月12日
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日本語に対応。アートボード、キャンバスの回転、キーボードショートカット機能の追加。
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サポート終了:1.5
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2016年12月08日
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シンボル機能、制約機能の追加。Windows版公開。
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サポート終了:1.6
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2017年11月02日
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フォント機能の強化。
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サポート終了:1.7
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2019年06月05日
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ブラシストークの改善、RAWエンジンの改善、Metalアクセラレーション対応による高速化。HDR/EDRモニタの対応。
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サポート終了:1.8
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2020年02月26日
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テンプレート機能、PSDスマートオブジェクトの読み込み対応。
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サポート終了:1.9
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2021年02月04日
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ライブゆがみレイヤー、パステキスト機能、画像のリンク化の機能を追加。RAWエンジンの改善。
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サポート終了:1.10
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2021年08月05日
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パフォーマンスの改善。
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サポート終了:2.0
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2022年11月09日
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非破壊RAW現像、複合マスク、色相範囲の抽出等の追加。
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サポート終了:2.1
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2023年05月18日
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写真切り抜きツールの改善、ペイント混合ブラシに自動初期化機能追加、バランスの取れた破線、より複雑な破線。
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サポート終了:2.2
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2023年09月19日
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OCIO v2サポート、ビューモードオプションの追加、移動/複製ダイアログ。
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サポート終了:2.3
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2023年11月29日
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螺旋ツール、ピクセルグリッドオプション、パスワードで保護されたPDFの作成と配置、アセットパネルの背景色変更。
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サポート終了:2.4
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2024年02月26日
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選択ボックスを設定、書き出しペルソナの変数指定、32ビットHDR PNGのサポート、追加のRAW形式。
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現行バージョン:2.5
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2024年05月23日
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Windows ARM64のネイティブサポート、バリアブルフォントサポート、QRコードツール、LibRAWのカメラ追加。
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凡例 サポート終了 サポート中 現行バージョン 最新プレビュー版 将来のリリース
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iPad版
バージョン
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リリース日
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備考
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サポート終了:1.0
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2017年06月06日
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iPad版公開
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サポート終了:1.7
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2019年06月05日
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Metalアクセラレーション対応による高速化。アセットパネル、ストックパネルの追加。ドキュメント履歴機能、ライブフィルターエフェクト、ノイズ軽減機能の強化
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サポート終了:1.8
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2020年02月26日
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テンプレート機能、キーボードショートカットのカスタマイズ機能の追加、PSDスマートオブジェクトの読み込み対応。
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サポート終了:1.9
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2021年02月04日
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ライブぼかしレイヤー機能の追加、外部ディスプレイ設定機能の追加、RAWエンジンの改善。
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サポート終了:1.10
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2021年08月05日
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パフォーマンスの改善。
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サポート終了:2.0
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2022年11月09日
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非破壊RAW現像、複合マスク、色相範囲の抽出等のデスクトップ版と同様の新機能に加え、クイックメニュー、コマンドコントローラなどUIの機能追加。
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サポート終了:2.1
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2023年05月18日
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編集メニューの刷新、iPadOS写真アプリと統合、スタイルピッカーツール。
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サポート終了:2.2
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2023年09月19日
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小数点以下の精度の設定の追加、「選択を保持する」の設定。
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サポート終了:2.3
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2023年11月29日
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螺旋ツール、ピクセルグリッドオプション、パスワードで保護されたPDFの作成と配置、アセットパネルの背景色変更。
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サポート終了:2.4
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2024年02月26日
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選択ボックスを設定、32ビットHDR PNGのサポート、追加のRAW形式、挿入ターゲットをロックする機能。
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現行バージョン:2.5
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2024年05月23日
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バリアブルフォントサポート、QRコードツール、LibRAWのカメラ追加。
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凡例 サポート終了 サポート中 現行バージョン 最新プレビュー版 将来のリリース
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シリーズ製品
脚注
外部リンク