Adobe Premiere (アドビ プレミア)はアドビ が販売している映像編集 を目的としたノンリニア編集 のソフトウェア シリーズ。
歴史
1991年8月、SuperMac社で「RealTime」というソフトウェアを開発していたRandy Ubillosは、事業部ごとAdobe社に買収され[ 1] 、12月の「QuickTime 」登場時に最初の対応ソフトとしてSuperMac社の「VideoSpigot」というハードウェアに無料バンドルという形態でMacintosh 専用の「Adobe Premiere」が販売された[ 2] 。以降もバージョンを重ね、途中Windows版も開発し(2002年9月リリースの6.5まで)、並行して機能を限定した簡易版のAdobe Premiere LE が発売されていた。
2003年10月、本流の高機能版はAdobe Premiere Pro というシリーズ名でWindows専用ソフトに、簡易版のシリーズはAdobe Premiere Elements にそれぞれ変更された。2007年からはMac OS X 版も発売している[ 3] [ 4] 。
なお、Adobe Premiereの開発者のRandy Ubillos はMacromedia→Appleと転職してFinal Cut Pro を開発した[ 5] 。
2006年に発表されたPremiere Pro 2.0 からは、各種HDTV ファイルの編集にも対応し始めた。[ 6] Premiere Elements 3.0からも対応している。[ 7]
また、Premiere ProはCS3(v3.0)よりAdobe Creative Suite に属していた。Premiere Elementsは属していないものの、同社の画像編集ソフトであるPhotoshop Elements とセットになったパッケージが販売されている。
バージョン
Premiere Pro
リリース(年)
バージョン
主な機能など
対応OS
2003
CS(1.0)
Windows XP SP2
2006
CS2(2.0)
ハイビジョン映像に対応。
Windows XP SP2
2007
CS3(3.0)
Intel Mac 版参入。複数の影像を同時に編集するマルチカム編集に対応。
Windows Vista、Windows XP SP2、Mac OS X
2009
CS4(4.0)
AVCHD に対応。v4.2.0のアップデータではAVC-Intra にも対応。
Windows Vista SP1、Windows XP SP3、Mac OS X
2010
CS5(5.0)
64bitOS、64bitCPUのみのサポート。映像再生処理エンジン を全面的に再設計。キーイングプラグイン「Ultraキーヤー」搭載
Windows 7 x64、Windows Vista SP1 x64、Mac OS X
2011
CS5.5(5.5)
Windows 7 x64、Windows Vista SP1 x64、Mac OS X
2012
CS6(6.0)
UI改良。マルチカム編集の台数制限がなくなる。手振れ補正エフェクト「ワープスタビライザー」搭載。
Windows 7 SP1 x64、Mac OS X
2015
CC2015(9.0)
タッチUI改良。4KおよびHDRメディアの編集に対応。
Windows 10 x64、OS X
2019
CC2019(13.1)
プロジェクトパネルのフリーフォーム表示。定規とガイド。 Sony Venice V3対応など
Windows 10 x64、macOS Sierra以降
2020
15.0
2021
15.4
Appleシリコン 対応[ 8]
2021
2022.0
2022
2022.2
Windows 10 (1909)、macOS Catalina以降
2023
23.5
Premiere Pro の機能の概要 2023年6月リリース[ 9]
Windows 10 (20H2)、macOS Big Sur以降
24.0
Windows 10 (20H2)、macOS Monterey以降
2024
25.0
プロパティパネルの新設と、それに伴うエッセンシャルグラフィックスパネルの廃止
新しいプロジェクト作成ダイアログ
Windows 10(64 ビット)日本語版バージョン 22H2(以降)または Windows 11
macOS Monterey(バージョン 12)以降
Premiere Elements
リリース(年)
バージョン
主な機能など
2004
1.0
2005
2.0
2006
3.0
2007
4.0
2008
7.0
2009
8.0
バックグラウンドでのレンダリングに対応
2010
9.0
Intel Macへの参入
2011
10.0
64bit Windows 7への対応
2012
11.0
2013
12.0
2014
13.0
FLV出力を削除
2015
14.0
2016
15.0
2017
(2018)
スマートトリミング等
2018
(2019)
アドビが開発したAIと機械学習のフレームワークAdobe Sensei を搭載し、自動で作品を作る機能を搭載。[ 10] 。可変フレームレート(VFR)をサポート。 macOS版ではHEIF形式画像の読み込み・編集対応(macOS 10.13以降はHEVCの動画にも対応)
2019
2020
2020
2021
2021
2022
2022
2022.1
Adobe Premiere 6.5 をもってMac版の開発が終了していたが、2007年7月リリースのAdobe Premiere Pro CS3 よりIntel Mac版の開発・販売が開始されている。また、2010年1月リリースのPremiere Elements 9からIntel Mac版の開発・販売が開始されている。
競合ソフトウェア
簡易版 であるAdobe Premiere Elementsは、VideoStudio やiMovie などと競合する。
アドビのソフトウェアであるAdobe After Effectsとの違いは、Adobe Premiere Proはすでに撮影した映像のカット、アレンジ、色の補強等に利用されるのに対して、Adobe After Effectsは高品質のモーショングラフィックやビジュアルエフェクトを動画に加えるツールとして使われる。
関連項目
脚注
外部リンク