1980年代前半、イギリスのニューロマンティック系アーティストがMTVによるビジュアル効果を利用してアメリカのヒットチャートを席巻し、「第2次ブリティッシュ・インヴェイジョン」と呼ばれる一大ムーブメントを巻き起こした。ABCもその例に漏れず、ダンディかつきらびやかなジゴロ的イメージ戦略でブームに乗り、1982年に英米で「ルック・オブ・ラブ!! (The Look Of Love)」のシングル・ヒットを放った。この曲は日本でもディスコで連日流されるほどの大ヒットとなる。
ファースト・アルバム『ルック・オブ・ラヴ』からは、「涙まだまだ (Tears Are Not Enough)」(全英19位)「Poison Arrow」(全英6位)「ルック・オブ・ラブ!!」(全英4位)「我が心のすべてを (All Of My Heart)」(全英5位)と4曲ものビッグヒットを放ち、デビュー作がいきなり全英アルバムチャート1位となった。そのほか、収録曲の一つであった「Valentine's Day」が、ホンダが1982年発表したスクーター「リード」のCMソングに採用され、日本国内のみシングルカットされ発売されている。
その後、メンバーチェンジを行い1985年にサード・アルバム『ハウ・トゥ・ビー・ア・ジィリオネアー』をリリース。英国ではかつての勢いを取り戻すには至らなかったが、「ビー・ニア・ミー (Be Near Me)」(全米9位)や、メンバーがアニメキャラになったPV「How To Be A Millionaire」が話題になり、全米で人気を博す。