4-アミノビフェニル (4-aminobiphenyl) は、芳香族アミンの1種。4-アミノジフェニル、p-フェニルアニリンとも呼ばれる。
性質
特徴的な臭気を持つ白色の固体であるが、空気中で酸化され紫色を呈する。水にほとんど溶けないが、熱水には溶ける。
国際がん研究機関によってヒトに対する発癌性が認められている。タバコの煙、とくに副流煙の中に検出されるほか、料理油の油煙から検出されたこともある。[5]
用途
発がん性のため、産業的利用は行われなくなった。かつては染料の合成中間体として、あるいは硫酸塩の検出試薬として使われていた。[5]
法規制
1950年代以降、ヒトに対する発癌性、特に膀胱癌を引き起こすことが明らかとなったため、各国の政府によって取扱いが厳しく規制されている。日本では1972年労働安全衛生法によって試験研究用途以外での製造・輸入・譲渡・提供・使用が禁止されている。
脚注
- ^ a b c d e f NIOSH Pocket Guide to Chemical Hazards 0025
- ^ a b c d Record of CAS RN 92-67-1 労働安全衛生研究所(IFA)(英語版)発行のGESTIS物質データベース, accessed on 8. April 2009
- ^ Humans, IARC Working Group on the Evaluation of Carcinogenic Risk to (2010). Some Aromatic Amines, Organic Dyes, and Related Exposures. International Agency for Research on Cancer. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK385419/
- ^ Haynes, William M., ed (2016). CRC Handbook of Chemistry and Physics (97th ed.). CRC Press. pp. 5–88. ISBN 978-1498754286
- ^ a b “4-AminoBiphenyl”. IARC Monographs 100F: 41-52. (2012). http://monographs.iarc.fr/ENG/Monographs/vol100F/mono100F-6.pdf 2014年11月4日閲覧。.