4-アミノビフェニル

4-アミノビフェニル
識別情報
CAS登録番号 92-67-1 チェック
PubChem 7102
ChemSpider 6835 チェック
UNII 16054949HJ ×
EC番号 202-177-1
国連/北米番号 3077
KEGG C10998 チェック
ChEBI
ChEMBL CHEMBL44201 チェック
RTECS番号 DU8925000
特性
化学式 C12H11N
モル質量 169.22 g mol−1
外観 白色の固体
匂い フローラルな[1]
密度 1.16 g/cm3[2]
融点

52 ~ 54℃ [2]

沸点

302℃ [2]

への溶解度 冷水にわずかに溶け、熱水に溶ける[3]
蒸気圧 20 mbar (191 °C)[2]
酸解離定数 pKa 4.35 (共役酸; 18 °C, H2O)[4]
危険性
主な危険性 potential occupational carcinogen[1]
NFPA 704
1
2
0
引火点 147 °C (297 °F; 420 K)
発火点 450 °C (842 °F; 723 K)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

4-アミノビフェニル (4-aminobiphenyl) は、芳香族アミンの1種。4-アミノジフェニルp-フェニルアニリンとも呼ばれる。

性質

特徴的な臭気を持つ白色の固体であるが、空気中で酸化され紫色を呈する。水にほとんど溶けないが、熱水には溶ける。

国際がん研究機関によってヒトに対する発癌性が認められている。タバコの煙、とくに副流煙の中に検出されるほか、料理油の油煙から検出されたこともある。[5]

用途

発がん性のため、産業的利用は行われなくなった。かつては染料の合成中間体として、あるいは硫酸塩の検出試薬として使われていた。[5]

法規制

1950年代以降、ヒトに対する発癌性、特に膀胱癌を引き起こすことが明らかとなったため、各国の政府によって取扱いが厳しく規制されている。日本では1972年労働安全衛生法によって試験研究用途以外での製造・輸入・譲渡・提供・使用が禁止されている

脚注

  1. ^ a b c d e f NIOSH Pocket Guide to Chemical Hazards 0025
  2. ^ a b c d Record of CAS RN 92-67-1 労働安全衛生研究所(IFA)英語版発行のGESTIS物質データベース, accessed on 8. April 2009
  3. ^ Humans, IARC Working Group on the Evaluation of Carcinogenic Risk to (2010). Some Aromatic Amines, Organic Dyes, and Related Exposures. International Agency for Research on Cancer. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK385419/ 
  4. ^ Haynes, William M., ed (2016). CRC Handbook of Chemistry and Physics (97th ed.). CRC Press. pp. 5–88. ISBN 978-1498754286 
  5. ^ a b “4-AminoBiphenyl”. IARC Monographs 100F: 41-52. (2012). http://monographs.iarc.fr/ENG/Monographs/vol100F/mono100F-6.pdf 2014年11月4日閲覧。.