28mm対空機銃
28mm対空機銃(1.1"/75 caliber gun)は、第二次世界大戦においてアメリカ海軍が使用した対空兵器である。名前の通り、内径が1.1in(28mm)の銃身を備え、その75倍の銃身長(2.1m)を有する。この口径法に関しては口径の項目を参照のこと。 概要従来用いられていた12.7mm機銃は、将来的には対空火器として力不足を来すものと考えた米海軍局は、新しい対空機銃の開発を開始した。
第二次世界大戦の早い時期においては、アメリカ海軍のたいていの駆逐艦や、巡洋艦などに装備されていた。日本による真珠湾奇襲攻撃が行われる前、すでにフィリピンのマニラ湾にあったカビテ海軍基地には、アジア艦隊に所属する重巡洋艦「ヒューストン」に搭載すべく、5基の28mm四連装機銃が送られていた。「ヒューストン」には4基が搭載され、1基は予備とされた。カビテ軍港が奇襲攻撃を受けた際、ドックに残っていた1基は日本軍の爆撃を生き延びた。この予備の28mm機銃は、マニラ湾に駐留する哨戒艇に搭載するには重すぎたので、25,000発の28mm機銃弾と共にはしけに乗せられ、コレヒドール島のアメリカ陸軍に寄贈された。このヒューストンに搭載されなかった予備の機銃についての記録は、コレヒドール島に送られた後どうなったかは分からない[2]。 いくつかのオンライン記事を参照すると、陸軍に寄贈されたこの機銃は、一つの説によれば、特製のコンクリート台座に据え付けられ、日本軍の航空機を撃墜するのに威力を発揮できたらしい[3]。 上部構造物の前後に8インチ連装砲を装備していたレキシントン級航空母艦は開戦後、対空火器を強化するためその8インチ砲を撤去して5インチ両用砲に換装する予定であったが、レキシントンは取り付けが間に合わず、かわりにこの28mm対空機銃を搭載した状態で珊瑚海海戦に参加した。 28mm対空機銃が初陣である真珠湾攻撃において、どの程度戦果を挙げたかについては記録が無い。その一方で、命中しなかった弾丸が地上に落ちた際、衝撃信管が作動してまるで手榴弾のように炸裂した、との言及が数多く残されている。 初期からの精度不良・作動不良を改善できなかったことによって、この機銃について、水兵達からの評判は非常に悪いものだった。この機銃は、可能な時に速やかにボフォース 40mm機関砲と交換されたが、いくつかの艦船では終戦まで使われ続けた。 また、この機銃は時々“シカゴピアノ”というあだ名で呼ばれていた。 関連項目参考文献
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