2023年財政責任法

2023年財政責任法
Fiscal Responsibility Act of 2023
アメリカ合衆国の国章
正式題名To provide for a responsible increase to the debt ceiling.
制定議会アメリカ合衆国第118議会英語版
引用
一般法律Pub.L. 118–5
Stat.137 Stat. 10
立法経緯
署名するバイデン大統領(2023年6月3日)

2023年財政責任法Fiscal Responsibility Act of 2023)は、アメリカ合衆国第118議会で成立した法律であり、2025年1月まで債務上限を停止することで2023年のアメリカ合衆国の債務上限危機に終止符を打った[1]。この超党派の法案は共和党と民主党の指導部双方から支持され、大統領のジョー・バイデンと下院議長のケビン・マッカーシーの間で交渉された合意を実現するためにパトリック・マクヘンリー英語版によって2023年5月29日に提出された。法案は5月31日に下院、6月1日に上院を通過し、6月3日にバイデンが署名した[2]

規定

  • 債務上限は2025年1月1日まで停止される。
  • 2024および2025会計年度裁量的支出英語版には上限が設けられる。
  • COVID-19パンデミック対策として計上された未使用資金はすべて取り消しとなる。
  • 2022年インフレーション抑制法英語版によって内国歳入庁に追加された800億ドルのうち14億ドル[3]が取り消しとなる。
  • 行政はPAYGO英語版原則の下での運営が義務づけられており、支出が歳入を上回る措置がある際は他の連邦プログラムから同額以上を節減しなくてはならない。この原則は行政管理予算局の判断で免除される。
  • 2020年に制定された学生ローンの支払い猶予制度は2023年9月1日に終了する。バイデン政権が導入した学生ローン一部免除制度は影響を受けないままである。
  • 扶養家族のいない成人のSNAP受給者の就労要件が引き上げられ、2023会計年度には51歳未満、2024会計年度には53歳未満、2025-2030会計年度には55歳未満となる(以前は50歳未満が対象であった)。退役軍人とホームレスはこの規定から除外される。
  • エネルギー事業、特にマウンテン・バレー・パイプライン英語版建設における連邦許可の取得が容易となる[4][5][6][7][8][9]

投票

下院

     民主党賛成票      民主党反対票
     共和党賛成票      共和党反対票
     民主党無投票
     共和党無投票

委員会の投票

2023年財政責任法を下院本会議に提出することを決定する規則委員会英語版の投票
2023年5月30日 政党 総得票数
民主党 共和党
賛成 0 7 7   (53.85%)
反対 4 2 6   (46.15%)
無投票 0 0 0   (0.00%)
結果: 通過

下院本会議の投票

2023年財政責任法を審議するための手続き投票[10]
2023年5月31日 政党 総得票数
民主党 共和党
賛成 52 189 241  (55.40%)
反対 158 29 187  (42.99%)
無投票 4 3 7  (1.61%)
結果: 通過
2023年財政責任法の最終採決[11]
2023年5月31日 政党 総得票数
民主党 共和党
賛成 165 149 314  (72.18%)
反対 46 71 117  (26.90%)
無投票 2 2 4  (0.92%)
結果: 通過

上院

上院の投票結果。凡例は画像を参照
2023年財政責任法の最終採決[12]
2023年6月1日 政党 総得票数
民主党 共和党 無所属[注釈 1]
賛成 44 17 2 63  (63.00%)
反対 4 31 1 36  (36.00%)
無投票 0 1 0 1  (1.00%)
結果: 通過

脚注

  1. ^ 3人の無所属上院議員の全員が民主党と会派を組んでいる英語版

参考文献

  1. ^ Senate passes debt limit deal to avert default”. CNN (June 1, 2023). June 1, 2023時点のオリジナルよりアーカイブJune 1, 2023閲覧。
  2. ^ Gregorian, Dareh (June 3, 2023). “Biden signs bipartisan debt ceiling bill to avert government default” (英語). NBC News. June 3, 2023時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年6月3日閲覧。
  3. ^ Debt Ceiling Deal: Details & Analysis” (英語). Tax Foundation (2023年5月31日). 2023年6月2日時点のオリジナルよりアーカイブ2023年6月2日閲覧。
  4. ^ Here are the 6 must-know provisions of the new debt ceiling deal”. POLITICO (May 28, 2023). May 29, 2023時点のオリジナルよりアーカイブJune 2, 2023閲覧。
  5. ^ Luhby, Tami (May 30, 2023). “Here's what's in the debt ceiling deal | CNN Politics”. CNN. June 2, 2023時点のオリジナルよりアーカイブJune 2, 2023閲覧。
  6. ^ Walters, Joanna (May 29, 2023). “Biden hails debt ceiling deal and urges lawmakers to pass agreement”. The Guardian. オリジナルのJune 2, 2023時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20230602045852/https://www.theguardian.com/us-news/2023/may/28/us-debt-ceiling-deal-latest-biden-mccarthy June 2, 2023閲覧。 
  7. ^ Politi, James; Williams, Aime (May 28, 2023). “US debt crisis: Joe Biden gets the deal done but at a cost”. Financial Times. オリジナルのMay 29, 2023時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20230529071951/https://www.ft.com/content/12ff8ac9-579a-44ab-a2e9-95093ecc5921 June 2, 2023閲覧。 
  8. ^ What to know about the Mountain Valley Pipeline in the debt ceiling deal Archived 2023-06-02 at the Wayback Machine. NPR
  9. ^ “New Details in Debt Limit Deal: Where $136 Billion in Cuts Will Come From” (英語). The New York Times. (2023年5月29日). ISSN 0362-4331. https://www.nytimes.com/2023/05/29/us/politics/debt-ceiling-agreement.html 2023年6月19日閲覧。 
  10. ^ Roll Call 241” (May 31, 2023). June 1, 2023時点のオリジナルよりアーカイブJune 2, 2023閲覧。
  11. ^ Roll Call 243” (May 31, 2023). June 1, 2023時点のオリジナルよりアーカイブJune 2, 2023閲覧。
  12. ^ Roll Call Vote 118th Congress - 1st Session” (June 1, 2023). June 2, 2023時点のオリジナルよりアーカイブJune 1, 2023閲覧。

外部リンク