高見 浩(たかみ ひろし、1941年2月19日 - )は、日本の翻訳家。本名・高野紘一。
来歴・人物
東京生まれ。1965年東京外国語大学マレー・オランダ語科卒。
1965年光文社入社。雑誌「宝石」編集部勤務を経て、1969年退社。フリーの翻訳家になりミステリーを中心に翻訳。スウェーデンのマイ・シューヴァルとペール・ヴァールー夫妻のマルティン・ベックシリーズ、ビル・プロンジーニ、エルモア・レナード、トマス・ハリスなどのほか、ヘミングウェイの新訳も出し、ヘミングウェイについては著書が1冊ある。
角川春樹によるとテリー・サザーン『キャンディ』の翻訳者の「高杉麟」は、高見のペンネームである[1]。
著書
- 『ヘミングウェイの源流を求めて』(飛鳥新社) 2002
翻訳
- 『七年目の殺し』(ミッキー・スピレイン、早川書房) 1970
- 『女海賊』(カーター・ブラウン、早川書房、世界ミステリシリーズ) 1970
- 『毒蛇商人』(ジョン・ラング、早川書房) 1971、のち改題『スネーク・コネクション』(河出文庫)
- 『彼女』(A・N・ワードスミス、二見書房) 1971、のち文庫
- 『シシリアンディフェンス』(ジョン・N・イアヌッツィ、日本リーダーズダイジェスト社) 1972
- 『良き時悪しき時』(ジェイムズ・カークウッド、早川書房) 1973
- 『妖精たちの森』(マイクル・ヘイスティングス、角川文庫) 1973
- 『ゲッタウェイ』(ジム・トンプソン、角川文庫) 1973
- 『シンデレラ・リバティー』(ダリル・ポニクサン、角川書店) 1974
- 『エデンの妙薬』(ジョン・ラング、早川書房) 1974
- 『スクールガール殺人事件』(コリン・ウィルソン、新潮社) 1975、のち文庫
- 『殺し屋はサルトルが好き』(スティーヴ・ニックマイヤー、ごま書房) 1976、のち改題『ストレート』(創元推理文庫)
- 『スティーム・ピッグ』(ジェイムズ・マクルーア、早川書房) 1977
- 『マスクのかげに』(オッレ・ヘーグストランド、TBS出版会) 1977
- 『殺したくないのに』(バリ・ウッド、集英社) 1979、のち文庫
- 『魔女の隠れ家』(ディクスン・カー、創元推理文庫) 1979年
- 『エヴァ・ライカーの記憶』(ドナルド・A・スタンウッド、文藝春秋) 1979、のち文庫、のち創元推理文庫
- 『最後の一夜』(ドムニック・キャシオ、富士見ロマン文庫) 1980
- 『今月のペテン師 年刊ミステリ傑作選1977』(E.D.ホウク編、創元推理文庫) 1980
- 『デルタ・オヴ・ヴィーナス』(アナイス・ニン、杉崎和子共訳、二見書房) 1980
- 『ザ・400』(スティーヴン・シェパード、角川書店) 1981、のち改題文庫化『イングランド銀行をカモれ』
- 『クレムリン戦慄の五日間』(ディヴィッド・リピンコット、創元推理文庫) 1982
- 『爆破予告』(ペール・ヴァールー、角川文庫) 1982
- 『スペクターの逆襲』(新ジェイムズ・ボンド・シリーズ)(ジョン・ガードナー、文藝春秋) 1983、のち文庫
- 『メルトダウン作戦』(新ジェイムズ・ボンド・シリーズ)(ジョン・ガードナー、文藝春秋) 1983、のち文庫
- 『テクノストレス』(クレイグ・ブロード、池央耿共訳、新潮社) 1984
- 『ナイト・ヴィジョン 私立探偵ギル・ルイスは語る』(ジョン・セジウィック、河出書房新社) 1985
- 『野獣の血』(ジョー・ゴアズ、角川文庫) 1985
- 『ロンドン警視庁特派捜査官 消えたスチュワーデス』(ジェイムズ・メルヴィル、光文社文庫) 1985
- 『アイスブレーカー』(新ジェイムズ・ボンド・シリーズ)(ジョン・ガードナー、文春文庫) 1985
- 『フルメタル・ジャケット』(グスタフ・ハスフォード、角川文庫) 1986
- 『コンタクト』(カール・セーガン、池央耿共訳、新潮社) 1986、のち文庫
- 『ネロ・ウルフ対FBI』(レックス・スタウト、光文社文庫) 1986
- 『噛みついた女 ヒューストン連続殺人』(デイヴィッド・リンジー、新潮文庫) 1987
- 『透明人間の告白』(H・F・セイント、新潮社) 1988、のち文庫、のち河出文庫
- 『ニューヨーク・ガイドブック 「NYタイムズ」が個性派の旅人に贈る』(ニューヨーク・タイムズ編、井上一馬共訳、河出書房新社) 1988
- 『結婚式の客』(デイヴィッド・ウィルツ、新潮文庫) 1989
- 『香水ジルバ』(トム・ロビンズ、新潮社) 1989
- 『ロック・スプリングズ』(リチャード・フォード、河出書房新社) 1990
- 『ファイナル・フライト』(スティーヴン・クーンツ、新潮文庫) 1990
- 『名残りの薔薇』(アリス・アダムズ、飛田茂雄共訳、新潮社) 1991
- 『IBMの息子 トーマス・J・ワトソン・ジュニア自伝』(新潮社) 1991
- 『ヘミングウェイと歩くパリ』(ジョン・リーランド、新潮社) 1994
- 『ホット・ゾーン』(リチャード・プレストン、飛鳥新社) 1995、のち新版 2014、のち小学館文庫、のちハヤカワ文庫)
- 『キャリアーズ』(パトリック・リンチ、飛鳥新社) 1996
- 『ラブ・アンド・ウォー 第一次大戦のヘミングウェイ』(ヘンリー・S・ヴィラード,ジェイムズ・ネイグル編著、新潮文庫) 1997
- 『ヴァンパイアの塔』(ディクスン・カー、大村美根子,深町眞理子共訳、創元推理文庫) 1998
- 『コブラの眼』(リチャード・プレストン、飛鳥新社) 1998
- 『第四の母胎』(スタンリー・ポティンジャー、新潮社) 1999
- 『パイロットの妻』(アニータ・シュリーヴ、新潮社) 2001、のち文庫
- 『殺さずにはいられない 2』(オットー・ペンズラー、ハヤカワ・ミステリ文庫) 2002
- 『感染者』(パトリック・リンチ、飛鳥新社) 2002
- 『レッド・ドラゴン シナリオ・ブック』(トマス・ハリス、新潮文庫) 2003
- 『天才たちのラヴレター 世界史を彩った50人愛の告白』(デーヴィッド・H・ローウェンハーツ、光文社) 2004
- 『いつか、どこかで』(アニータ・シュリーヴ、新潮社) 2004
- 『先駆の才トーマス・ワトソン・ジュニア IBMを再設計した男』(トーマス・ワトソン・ジュニア,ピーター・ピーター、ダイヤモンド社) 2006
- 『ハンニバル・ライジング』(トマス・ハリス、新潮文庫) 2007
- 『サラの鍵』(タチアナ・ド・ロネ、新潮社) 2010
- 『猛き海狼』(チャールズ・マケイン、新潮文庫) 2010
- 『ヴェネツィアが燃えた日 世界一美しい街の、世界一怪しい人々』(ジョン・ベレント、光文社) 2010
- 『ザ・ライト エクソシストの真実』(マット・バグリオ、小学館文庫) 2011
- 『羊たちの沈黙』【新訳】(トマス・ハリス、新潮文庫) 2012
- 『魚のいない世界』(マーク・カーランスキー、フランク・ストックトン絵、飛鳥新社、ポピュラーサイエンス) 2012
- 『父と息子のフィルム・クラブ』(デヴィッド・ギルモア、新潮社) 2012
- 『ヘミングウェイの妻』(ポーラ・マクレイン、新潮社) 2013
- 『思い出のマーニー』(ジョーン・G・ロビンソン、新潮文庫) 2014
- 『カタツムリが食べる音』(エリザベス・トーヴァ・ベイリー、飛鳥新社) 2014
- 『9.11 ビル崩壊のさなかに夫婦が交わした最後の言葉 本当にあった37の愛のかたち』(デイヴ・アイセイ、河出書房新社) 2014
- 『捜索者 西部劇の金字塔とアメリカ神話の創生』(グレン・フランクル、新潮社) 2015
- 『眺めのいい部屋売ります』(ジル・シメント、小学館文庫) 2015
- 『エスター、幸せを運ぶブタ』(スティーヴ・ジェンキンズ,デレク・ウォルター、飛鳥新社) 2016.7
- 『北氷洋』(イアン・マグワイア、新潮文庫) 2018.9
- 『カリ・モーラ』(トマス・ハリス、新潮文庫) 2019
- 『心を強くする「世界一のメンタル」50のルール』(サーシャ・バイン、飛鳥新社)2019
- 『ワシントン・ブラック』(エシ・エデュジアン、小学館) 2020.9
- 『陪審員C-2の情事』(ジル・シメント、小学館) 2021
- 『闇の奥』(ジョゼフ・コンラッド、新潮文庫) 2022.10
マイ・シューヴァル、ペール・ヴァールー
- 『バルコニーの男』(マイ・シューヴァル,ペール・ヴァールー、角川文庫) 1971
- 『笑う警官』(マイ・シューヴァル,ペール・ヴァールー、角川文庫) 1972
- 『消えた消防車』(マイ・シューヴァル,ペール・ヴァールー、角川文庫) 1973
- 『ロゼアンナ』(マイ・シューヴァル,ペール・ヴァールー、角川文庫) 1975
- 『サボイ・ホテルの殺人』(マイ・シューヴァル,ペール・ヴァールー、角川書店) 1975、のち文庫
- 『密室』(マイ・シューヴァル,ペール・ヴァールー、角川書店) 1976、のち文庫
- 『唾棄すべき男』(マイ・シューヴァル,ペール・ヴァールー、角川書店) 1976、のち文庫
- 『蒸発した男』(マイ・シューヴァル,ペール・ヴァールー、角川文庫) 1977
- 『警官殺し』(マイ・シューヴァル,ペール・ヴァールー、角川書店) 1978、のち文庫
- 『テロリスト』(マイ・シューヴァル,ペール・ヴァールー、角川書店) 1979、のち文庫
「マフィアへの挑戦」
- 『戦士起つ』
- 『抹殺部隊』
- 『仮面の復讐者』
- 『裏切りのコート・ダジュール』
- 『サドの末裔』
- 『3人の女』
- 『フォクシーレディ』
- 『死を呼ぶカジノ』
- 『カリブの回転場』
- 『逆説の街』
- 『バレンチナ我が愛』
- 『黒い瞳のクラウディア』
- 『抹殺部隊ふたたび』
- 『フィラデルフィア・パニック』
- 『月曜日:還ってきた戦士』
- 『火曜日:憂い顔の戦士』
- 『水曜日:謀略のシナリオ』
- 『木曜日.悪魔の要塞島』
- 『金曜日:禿鷲の饗宴』
- 『土曜日:戦士よ永遠に』
ビル・プロンジーニ
- 『誘拐』(ビル・プロンジーニ、新潮文庫) 1977
- 『失踪』(ビル・プロンジーニ、新潮文庫) 1978
- 『殺意』(ビル・プロンジーニ、新潮文庫) 1980
- 『死角』(ビル・プロンジーニ、新潮文庫) 1981
- 『脅迫』(ビル・プロンジーニ、新潮文庫) 1983
- 『名無しの探偵事件ファイル』(ビル・プロンジーニ、新潮文庫) 1984
- 『復讐』(ビル・プロンジーニ、新潮文庫) 1985
ピート・ハミル
- 『ニューヨーク・スケッチブック』(ピート・ハミル、河出書房新社) 1982、のち新版(河出文庫) 2021
- 『マンハッタン・ブルース』(ピート・ハミル、創元推理文庫) 1983
- 『東京スケッチブック』(ピート・ハミル、新潮社) 1991、のち文庫
- 『アメリカン・ジャーナル』(ピート・ハミル、青木書店) 1991
- 『血の胸飾り』(ピート・ハミル、創元推理文庫) 1991
- 『愛しい女』(ピート・ハミル、河出書房新社) 1991、のち文庫
- 『アメリカ・ライフル協会を撃て』(ピート・ハミル、集英社) 1994
- 『ドリンキング・ライフ』(ピート・ハミル、新潮社) 1999
- 『天国の銃弾』(ピート・ハミル、創元推理文庫) 2003
スティーヴン・L・トンプスン
- 『A-10奪還チーム出動せよ』(スティーヴン・L・トンプスン、新潮文庫) 1982、のちハヤカワ文庫 2009
- 『サムソン奪還指令』(スティーヴン・L・トンプスン、新潮文庫) 1983
- 『鉄血作戦を阻止せよ』(スティーヴン・L・トンプスン、新潮文庫) 1986
- 『上空からの脅迫』(スティーヴン・L・トンプスン、新潮文庫) 1992
エルモア・レナード
- 『グリッツ』(エルモア・レナード、文藝春秋) 1986、のち文庫
- 『スティック』(エルモア・レナード、文春文庫) 1986
- 『野獣の街』(エルモア・レナード、創元推理文庫) 1987
- 『バンディッツ』(エルモア・レナード、文藝春秋) 1988
- 『フリーキー・ディーキー』(エルモア・レナード、文藝春秋) 1989
- 『キルショット』(エルモア・レナード、文藝春秋) 1992
- 『スプリット・イメージ』(エルモア・レナード、創元推理文庫) 1993
- 『スワッグ』(エルモア・レナード、文春文庫) 1993
- 『ミスター・マジェスティック』(エルモア・レナード、文春文庫) 1994
- 『プロント』(エルモア・レナード、角川書店) 1994、のち文庫
- 『追われる男』(エルモア・レナード、文春文庫) 1995
- 『ゲット・ショーティ』(エルモア・レナード、角川文庫) 1996
- 『ラム・パンチ』(エルモア・レナード、角川文庫) 1998
- 『アウト・オブ・サイト』(エルモア・レナード、角川文庫) 2002
- 『ビー・クール』(エルモア・レナード、小学館文庫) 2005
- 『ママ、大変、うちにコヨーテがいるよ!』(エルモア・レナード、角川書店) 2005
- 『キューバ・リブレ』(エルモア・レナード、小学館文庫) 2007
- 『ホット・キッド』(エルモア・レナード、小学館文庫) 2008
- 『キルショット』(エルモア・レナード、小学館文庫) 2008
アーネスト・ヘミングウェイ
- 『何を見ても何かを思いだす』(アーネスト・ヘミングウェイ、新潮社) 1993、のち文庫
- 『われらの時代 / 男だけの世界 ヘミングウェイ全短篇1』(新潮文庫) 1995
- 『勝者に報酬はない / キリマンジャロの雪 ヘミングウェイ全短篇2』(新潮文庫) 1996
- 『蝶々と戦車 / 何を見ても何かを思いだす ヘミングウェイ全短篇3』(新潮文庫) 1997
- 『日はまた昇る』(アーネスト・ヘミングウェイ、角川春樹事務所) 2000、のち新潮文庫 2003
- 『武器よさらば』(ヘミングウェイ、新潮文庫) 2006
- 『移動祝祭日』(ヘミングウェイ、新潮文庫) 2009
- 『誰がために鐘は鳴る』上・下(ヘミングウェイ、新潮文庫) 2018.3
- 『老人と海』(ヘミングウェイ、新潮文庫) 2020.6
参考文献
脚注
- ^ 『本の雑誌』2015年10月号。坪内祐三による角川春樹インタビュー