^デヴィッド・クラーク・テイラー David Clark Taylor(1871-1918)は、音楽学者。声楽教師、作家、雑誌編集者。ニューヨークの生まれ。1890年に大学を卒業したのち、ピアノをウィルキンスンに、理論その他をリミー、スティラー、ケンニーらに学ぶ。また、別に各地で歌唱法を習得。The Art of Music誌を編集した。主著に『歌の心理学』(1908)『歌手のための自助論』(1914)。
^本書は、原題はThe Psychology of Singing(1908)。京文社における編集主幹乙骨三郎、田邊尚雄、小林愛雄による音楽叢書の1巻。
^チャールス・スチュワート・マクファースン Charles Stewart Macpherson(1865-1941)は、スコットランド系イギリス人の音楽家、音楽教育者。作曲家、ピアニスト、合唱指揮者でもあった。リヴァプールに生まれる。王立音楽学院(R.A.M.)においてサー・ジョージ・アレグザンダー・マクファーレンに師事。作曲および理論を学ぶ。該当書執筆時点では、王立音楽学院の和声および作曲法の教授であった。また1908年に音楽教師協会を設立し、1923年まで会長を務め、1925年から1927年までロンドン大学音楽学部の学部長であった。イギリス音楽界の名士として諸種の音楽団体や学校に関係する傍ら、音楽教育運動の第一線に立って活動した。自身作曲の作品、著書が多数ある。
^1920年前後に、東京音楽学校の乙骨三郎教授が用いた教科書のひとつ。原題はMusic and its Appreceation or The Foundations of true Listening(Joseph Williams、1910)。1930年には翻訳終了し、乙骨の校閲を仰いでいたが、乙骨が肺結核に罹患し、かつ自身の主著である『西洋音楽史』の執筆に没頭したため、校閲することができなかった。なお、乙骨の『西洋音楽史』は、生前から乙骨を手伝っていた乙骨の遺弟太田太郎や高橋均、英子夫妻が未完部分を補完して上梓した。「譯者序言」「例言」『器樂鑑賞の基礎 附・器樂小史』共益商社書店 1936