長野電鉄8500系電車
長野電鉄8500系電車(ながのでんてつ8500けいでんしゃ)は、長野電鉄の通勤形電車。東急電鉄で使用されていた8500系電車を譲受し、一部改造を施したものである。 概要2005年(平成17年)に2000系と3500系非冷房車の置き換えおよびサービス向上を目的に東京急行電鉄(当時)より8500系8両(3両編成2本と部品取り用2両)を購入し、整備・改造の上導入された。同年9月2日より長野線(長野駅 - 信州中野駅間)で営業運転を開始した[注釈 1]。これにより老朽化した3500系の幾つかの編成と一部の2000系が置き換えられた。 構造0系・10系「OSカー」以来24年ぶりの20m級車両であり、0系以来39年ぶりに投入された4扉車両でもあるが、車齢は10系を5年余り上回っている。 8500系は長野電鉄では初の運転台にワンハンドル式主幹制御器を装備する界磁チョッパ制御車で、導入に当たっては行先表示器をLED式に交換、車内は蛍光表示管式の旅客案内表示装置が1両につき4か所のドア上に千鳥配置され、ドアチャイム、車椅子スペースが設置されたほか、ワンマン運転用に車内チャイム付自動放送装置も搭載されている[注釈 2]。さらに降雪が多い地域での運転のため、客用ドアの凍結対策としてドアレールヒーター、ブレーキ力の低下を防ぐ耐雪ブレーキ装置、長時間停車時の車内保温対策として3/4ドアカット機構がそれぞれ追加された。またこれまで東急の車両が地方鉄道に譲渡された際、回生ブレーキ装備車の場合は使用停止にされる事例が多々見られたが、この8500系では回生ブレーキの失効速度を東急時代の22km/hから25km/hに変更することで回生ブレーキ機構を引き続き生かすこととしており、これに伴いブレーキシュー(制輪子)はレジン製から鋳鉄製に交換された。 外観については、中間車改造車や細かい改造箇所を除くと、東急の社紋が現在所属する長野電鉄の社紋に替えられた以外はほぼ東急時代の面影を残している。一部の編成は車体の帯の赤色が東急時代よりも暗い色調のものに変更されていたが2023年1月のT4編成全般検査出場時に東急時代に近い赤色に戻されたため、現在はすべての編成が明るい赤色になっている。 勾配用の抑速ブレーキは装備していないので30 - 40‰の勾配が連続する信州中野駅 - 湯田中駅間には入線できない。このため、1000系や2100系の代走には充当されない。
編成表
今後の予定置き換え計画信濃毎日新聞によると、長野電鉄は2022年2月25日、同社で運行する通勤電車を2028年度までに3000系などの省電力車両に置き換える方針を明らかにした。長野電鉄が設定した主要KPI(重要業績評価指標)によれば、報道時点(2022年2月26日)にて保有する全45両に占める省電力型の割合を20%から、2028年度までに73%に引き上げることを目標とした。この数字を具体的に当てはめると、当時すでに置き換えが発表されていた3500系2連2本、省電力20%を補う新形式の3000系3連3本、特急電車であるため今回の目標の対象外となる1000系4連2本、2100系3連2本を省き、残りの在籍数を18両とした場合、本系列3連6本(全編成)が置き換え対象になることが示唆されている[2]。時系列が若干前後するものの、2021年に行われた信濃毎日新聞の取材に対し長野電鉄は「製造後20年程度で全長18m級、車体幅2800mm、2 - 3両編成への短編成化改造が容易」な車両を希望しているとしている[3]。 脚注注釈
出典
関連項目外部リンク
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