金井宏之金井 宏之(かない ひろゆき、1925年5月16日[1] - 2012年1月26日[2])は、日本の実業家、切手収集家[3]。 繊維機器・不織布メーカーである金井重要工業の社長・会長。切手収集家としてはモーリシャスの切手コレクションで世界的に知られ、財団法人切手文化博物館理事長、有馬切手文化博物館(神戸市)館長を務めた。 生涯1925年5月16日、兵庫県尼崎市生まれ[1]。裕福な実業家を父に持ち、5歳の時にはじめて切手を収集した[4]:186。13歳の時に趣味にのめりこみ、大学在学中に2つの切手収集クラブを設立した[5]:178。金井は早稲田大学で政治経済学を学んだあと、日本大学で工学の学位を取得した。大学修了後、祖父が設立した繊維機械製造会社に勤務[1]。のちに、金井重要工業(社長在職:1961年 - 1997年[6])など多くの企業の社長となった[1]。 切手収集家として当初、金井は一般的な切手収集家であったが[1]、第二次世界大戦後に日本、フィンランド、イギリス植民地の切手の専門的な収集家となった[1][7]。郵趣家どうしの交流を通して、金井はモーリシャスの「ポストオフィス切手」(「ブルー・モーリシャス」、Red and Blue Mauritius "Post Office" stamps)に注目するようになり、やがてその所有者となった。この貴重な切手は確認されているものが27枚あるが、そのうち6枚を個人所有し、この切手の最大のコレクターとなった。 1971年に金井は、1ペニーの赤い切手と2ペンスの青い切手を貼付してボルドーの宛先に郵送された「ボルドー・カバー」(ボルドー・レターとも)と呼ばれるカバー (Philatelic cover) を、1億2000万円で購入した。1988年、金井はボルドー・カバーを売却し[8]:13、残る金井のモーリシャス切手コレクションは1993年、デヴィッド・フェルトマン(David Feldman)によってチューリヒでのオークションにかけられた[9][10]。モーリシャスの古い切手183ページからなるこの「金井コレクション」は、ギネスワールドレコーズに「最も高価な切手コレクション」として認定されている[11]。金井は多くの郵趣家の賞を受賞し、晩年は財団法人郵趣文化センター(2007年、切手文化博物館に改称)理事長、有馬切手文化博物館(神戸市)館長を務めた[7]。 栄誉
著作
脚注
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