護法祭護法祭(ごほうさい。地元では護法実とともに、祭り自体もゴーサマと呼ばれる)とは岡山県久米郡などで行われる祭り。国の選択無形民俗文化財[1]。 真言密教と修験道が融合した全国でも珍しい奇祭で、村人から選ばれたひとりの者が一週間寺で精進潔斎に務める。これを護法実(ゴーサマ)と言い、行を終えて身を清めたその者に修験者らの祈り憑けによって護法善神が憑依して、深夜の山岳寺院を疾駆跳躍する。これを「御法楽」「お遊び」と称する。 このお遊びの場に心身不浄の者が混じっていると護法実につかまり三年以内に死ぬと言われ、[2]参加者にも穢れを避けることが求められる。参詣者はつかまらないように逃げ回ったり隠れたりしなければならない。[3] もっとも古い伝統を持つと見られるのが両山寺で、現在も両山寺を中心に執り行われているが、周辺の寺院・神社でも祭りは開催され、かつては泰山寺(岡山市北区建部地域)、本山寺(美咲町)など久米郡南部を中心に様々な場所で行われていた。 発祥建地(建治)元年(1275年)七月十日、僧定乗、於鎮守廟言護法神託、寺僧書為軸、号護法託宣、率千数百字、皆不経之言也。(『作陽誌』久米郡北分寺院部) 場所と期日
以下は、近代化後も行われていたが、現在では中止された場所。
以下は歴史上かつては護法祭が行われていた場所
護法実の資格日頃まじめな暮らしをしている者でなければならない。 『二上山鎮守護法祭式行事記』 違い鳥護法・・・両山寺のゴーサマは鳥護法であるから、高い所まで追いかけてくる。佛教寺もそうであったという。 犬護法・・・清水寺のゴーサマは犬護法であるから、堂の床下まで追ってくる。豊楽寺もそうであるという。[7] 仏教寺および本山寺の護法祭は、祈り憑けの際に独特の唱え言をする、護法実が両腕を固定した特種な姿勢を取る、「鳥飛び」と称する様式化した足踏み法を行うなど、両山寺のそれとはやや異なる法楽があった。 脚注出典
注釈
関連研究
参考文献
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