裸のランチ
『裸のランチ』(はだかのランチ、英語: Naked Lunch)は、1959年に出版されたウィリアム・バロウズの長編小説。また、それを原作として1991年に製作されたイギリス・カナダの合作映画。 ストーリー
本作には明確なあらすじは無く、非線形な物語であるが、それは作家としてバロウズの意図するところのようである。本書中のいくつかのイベントについては要約できる。 冒頭、ウイリアム・リー(リー・ザ・エージェントとも表現されるバロウズの別人格)の冒険が語られる。彼の旅は、アメリカにおいて警察の捜索から逃れるところから始まり、旅の途中で様々なキャラクターが登場する。 日本語訳
映画
原作を忠実になぞったものではなく、ウィリアム・バロウズの作品を元に再構成された、デヴィッド・クローネンバーグ監督のオリジナル作品というべきものとなっている。 あらすじ1953年のニューヨーク。ビル(ウイリアム)・リーは、作家を志したが麻薬に溺れ、今は害虫駆除の仕事で生計を立てながら、作家志望の友人たちと交流していた。麻薬所持の疑いで警察に連行されたビルの前に、彼の上司だと名乗って現れる巨大な喋るゴキブリ。ビルの妻であるジョーンは「インターゾーン商会」の回し者だから殺せと命令され、ゴキブリを叩き潰して帰宅するビル。 ビルの妻・ジョーンは、ゴキブリ駆除の薬を麻薬として使い、中毒になっていた。誘われたビルも薬物中毒がぶり返しており、ベンウェイという医師を訪ねて治療薬が処方された。ビルが帰宅すると、作家志望の男とジョーンがセックスを試みている。気にもとめない様子のビル。だが、処方薬を混ぜた駆除剤を注射したビルはゲームと称して銃でジョーンを撃ち殺した。ベンウェイ博士が処方した薬もまた麻薬だったのだ。 妻の遺体を残して酒場に入ったビルは、マグワンプ(異形の怪物)から逃亡用の旅行チケットを渡され、インターゾーン商会の所在地である北アフリカのインターゾーン市に向かえと指示された。報告書を書くことが条件で、クラーク・ノヴァという機種のタイプライターを勧めるマグワンプ。 インターゾーン市で報告書をタイピングするビル。気づくとクラーク・ノヴァ(タイプライター)は警察で会ったゴキブリと融合し、口をきくようになっていた。クラーク・ノヴァを残して街に出たビルは、ジョーンと瓜二つの女性を見かけた。トム・フロストの妻のジョーンだと聞いて、パーティーで接近するビル。夫のトムは、妻を殺したいとビルに打ち明けた。 自分のタイプライターを試してみろとビルに貸すトム。2台のタイプライターを並べて置くと両方が昆虫化し、クラーク・ノヴァがトムのタイプを食い殺した。ジョーンを誘惑して情報を聞き出せと命じるクラーク・ノヴァ。トムの家にはインターゾーン商会の若者たちが出入りしているのだ。 トムの留守宅を訪れ、ジョーンにアラビア語のタイプライターを打たせながら誘惑するビル。タイプは性的な生物に変形した。そこに現れて二人を引き離し、タイプの生物を窓から追い落とす家政婦のファデラ。帰宅したトムは、アラビア語のタイプが壊れたのを見て、ビルに貸したタイプを返せと迫り、ビルの部屋まで押しかけてクラーク・ノヴァを奪い去った。 アメリカから短期旅行でビルを訪ねて来る作家志望の友人たち。ビルが書いているのは処女作の小説「裸のランチ」であり、出版社が待っているから早く書き上げろと励まされるビル。 男娼のキキの紹介で、壊れたトムのタイプライターを鍛冶屋に持ち込むビル。炉で溶かされたタイプはマグワンプ(怪物)型に生まれ変わった。タイプライターのマグワンプは口をきき、医者のベンウェイ博士こそインターゾーンの黒幕だとビルに伝えた。 トムの家の家政婦・ファデラがベンウェイと親しいとの情報を得るビル。ファデラとジョーンがいるという古い麻薬工事に潜入すると、マグワンプたちが吊り下げられ、触角から出る麻薬を搾り取られていた。憔悴したジョーンを見つけて、ファデラの元に案内させるビル。ファデラが老婆の皮(着ぐるみ)を脱ぎ捨てると、その中身はベンウェイ博士だった。 従来の麻薬より利益率の高いマグワンプの麻薬で儲ける為に、知己の多い北の国「アネクシア」の販路を任せたいとビルを誘うベンウェイ博士。ジョーンを開放することを条件に引き受けるビル。 ジョーンと共に旧式なキャンピングカーでアネクシアの国境まで辿り着くビル。国境警備隊員に職業を聞かれ「作家」と答えると、何か書いて見せろと要求された。迷わずに銃を抜き、後部に乗車していたジョーンを射殺するビル。驚きもせずに通行を許可する警備隊員に、ビルは涙を流しつつも満足げな表情を浮かべた。 キャスト※括弧内は日本語吹替
評価レビュー・アグリゲーターのRotten Tomatoesでは36件のレビューで支持率は69%、平均点は7.00/10となった[1]。Metacriticでは16件のレビューを基に加重平均値が67/100となった[2]。 参考文献
関連項目
外部リンク
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