荒木飛呂彦短編集 ゴージャス☆アイリン
『荒木飛呂彦短編集 ゴージャス☆アイリン』(あらきひろひこたんぺんしゅうゴージャス アイリン、GORGEOUS IRENE)は、集英社の『週刊少年ジャンプ』と『フレッシュジャンプ』にて読み切り掲載された荒木飛呂彦の漫画作品を収録した短編集(単行本)。後に愛蔵版が『ゴージャス・アイリン 荒木飛呂彦短編集』のタイトルで刊行されている。 短編集としては著者の第1弾にあたり、タイトル作品である『ゴージャス☆アイリン』2話、『魔少年ビーティー』の連載前のパイロット版、読切『バージニアによろしく』、著者のデビュー作『武装ポーカー』を収録している。『アウトロー・マン』の収録有無は媒体によって異なる。 収録作品ゴージャス☆アイリン表題作であり、2話ある。週刊少年ジャンプ特別編集「AutumnSpecial」(1985年)、週刊少年ジャンプ特別編集「スーパージャンプ」創刊号(1986年)に収録。荒木飛呂彦の作品では初の女性を主人公にした作品であり、元々連載に移行する予定であったというが、荒木は「ダメだ」と思って中断し『ジョジョの奇妙な冒険』に移行したという[1]。 あらすじ
登場人物
魔少年ビーティー1982年・フレッシュジャンプ3号に収録。『魔少年ビーティー』連載前の「パイロット読切版」である。 →詳細は「魔少年ビーティー」を参照
あらすじ舞台は現代の日本。中学生・麦刈公一が友人の「12歳にして悪魔的頭脳を持ち、罪悪感ゼロの恐るべき犯罪少年、通称B・T」のエピソードを語る。ある日、町でルポライターが殺害され、参考人として中学生の中川冬子が拘束される。彼女が警察に語るところによれば、ルポライターに乱暴されかかり、咄嗟にその場にあったはさみで刺殺してしまったという。冬子に恋心を抱いているらしいビーティーは、何とかして彼女の無実を証明しようとする。 バージニアによろしく1981年・週刊少年ジャンプ8月1日増刊号に収録。 あらすじ宇宙船デリンジャー号は、生活物資の運搬船として地球と金星間を往復している。乗組員ヒロシ・タケモトはロボットのクライドと共に宇宙旅行の退屈しのぎとして料理作りに興じていたところ、船外から謎の通信が届く。その通信は、デリンジャー号内に2つの爆弾を仕掛けたと語る。冗談だろうと笑い飛ばすヒロシだったが、直後に大爆発が発生し、脱出用の小型艇が破壊される。通信は更に、60分後にもう一つの大型爆弾『バージニア』が爆発する事を予告し「バージニアによろしく」と言葉を残して通信を切った。ヒロシは船長のマットやクライドと共に爆弾の解除を試みる。 武装ポーカー1981年・週刊少年ジャンプ1号に収録。第20回手塚賞準入選作であり、荒木のデビュー作である。 あらすじ西部開拓時代のアメリカ。保安官もおらず隣町まで行くのにも馬で3日かかるという、法の真空地帯の町が舞台である。そこに住む賞金首の悪人、ドン・ペキンパーは、酒場で出合った新顔の男に、ポーカーの勝負を挑む。その男マイク・ハーパーは、実はペキンパーとほぼ互角の銃とポーカーの腕を持つ賞金首だった。ハーパーの手管に乗せられ、負けが込んでいらつくペキンパーは、偶然に3のフォアカードを引き当てる。ペキンパーは悪魔の微笑をもらしつつ「面白いアイデアを思い付いた」とハーパーに提案する。それはお互いの命綱ともいえる拳銃を賭けようというものだった。2人の賞金首を前にして、酒場の男たちが殺気立ち始める。 アウトロー・マン1982年・週刊少年ジャンプ1月10日増刊号に収録。愛蔵版と文庫版には収録されているが、最初のコミック版と、ムック版には未収録。 初期の短編作品を完全網羅するために、愛蔵版の刊行の際に追加収録された。原画を紛失していたため、掲載当時の誌面からデジタルにて複製と処理を施し収録された[2]。そのため絵の質が他の収録作品に比べて荒くなっている。 あらすじ西部開拓時代のアメリカ。その男「アウトロー・マン」は賞金首としてピンカートン探偵社の追撃を受けている。逃げ回るルートを予測して待ち伏せる「逆尾行」や、草の埃や川底に残った痕跡までも見極めて彼を追う探偵たち。アウトロー・マンはついに愛馬のキャメロンを撃ち殺され、絶体絶命の危機に追い込まれる。 書籍情報すべて集英社より刊行。
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