英雄伝説シリーズ
英雄伝説シリーズ(えいゆうでんせつシリーズ、The Legend of Heroes)は、日本ファルコムによるロールプレイングゲーム(RPG)のシリーズ。略称は「英伝」(えいでん)。本稿ではシリーズ全体について取り扱う。 概要1989年(平成元年)『ドラゴンスレイヤー英雄伝説』(以下『I』)から始まるRPGシリーズであり、〈イースシリーズ〉とならぶファルコムの看板作品。 初期2作は《ドラゴンスレイヤー(ドラスレ)シリーズ》として発売されたが[1]、群像劇として個々のキャラクター像を深める物語を描く[2]1994年(平成6年)の第3作『英雄伝説III 白き魔女』で各作品毎に主人公は変更されながらも世界設定が2〜3作間で共有される《英雄伝説シリーズ》として確立[3]した。第6作以降は複数の作品で構成されるため、通算では14作を越える(詳細は#シリーズの分類を参照)。 3人称視点のコマンド選択が特徴[注 1]であり、近年ではドラマ性の高いストーリーを重視する本シリーズ[4][5]は「ストーリーRPG」とも称される[5][6][7][8][9]。シリーズ最新作は「英雄伝説 黎の軌跡Ⅱ」。 当初はパーソナルコンピュータ[注 2]向けに発売されたシリーズだが、7作目以降はコンシューマー機向けに開発され、様々なプラットフォームに移植もされている。5作目までは全て他社によって移植が行われていたが、6作目の『空の軌跡』シリーズは PSP への移植を自社開発で行っており、続く第7作『零の軌跡』と『碧の軌跡』がPSPが土台となり[10]、第8作目『閃の軌跡シリーズ』はPlayStation 3(PS3)とPlayStation Vitaとのマルチプラットフォームで発売された。(詳細は#日本国内での対応プラットフォームを参照) シリーズの分類一部のキャラクターが作品を跨いで登場するなど世界設定を共有する本シリーズは、第1期〈イセルハーサシリーズ〉(I・II)・第2期〈ガガーブトリロジー〉(III・IV・V)・第3期〈軌跡シリーズ〉(VI・VII・VIII・IX)に区分される。 第1期 イセルハーサシリーズファンタジー世界のイセルハーサが舞台であり、『II』は『I』の20年後で『I』主人公の息子が主人公[11]。 →詳細は「ドラゴンスレイヤー英雄伝説」を参照
「Dragon Slayer VI」に位置する[注 3][12]『ドラゴンスレイヤー英雄伝説』『ドラゴンスレイヤー英雄伝説II』の2作からなる《ドラスレシリーズ》。1995年(平成7年)のシリーズ最終作『風の伝説ザナドゥII』以降、リメイクや移植作品では『新 英雄伝説』・『英雄伝説I・II』として発売される。 シリーズ作品
第2期 ガガーブトリロジー巨大な大地の裂け目「ガガーブ」と険しい大山脈「大蛇の背骨」に隔絶された3つの異なる大陸、ティラスイール(III)、エル・フィルディン(IV)、ヴェルトルーナ(V)が舞台。一部のキャラクターは3作を通じて登場する[14]。 →詳細は「英雄伝説 ガガーブトリロジー」を参照
第3作『英雄伝説III 白き魔女』・第4作『英雄伝説IV 朱紅い雫』・第5作『英雄伝説V 海の檻歌』からなる三部作(トリロジー)。ガガーブ三部作、ガガーブ編[15]などとも呼ばれる《ドラスレシリーズ》から独立した《英雄伝説シリーズ》[16]。 時系列では2作目『IV』→『V』→『III』となり[17]、最終的には1つの物語として繋がる。 『III』と『IV』は「新」・「旧」が存在し、特に『IV』は別作品と言える程の大きな変更がある。 シリーズ作品第3期 軌跡シリーズ導力と呼ばれるエネルギーによる機械文明が普及しつつあるゼムリア大陸西部で、覇権を競う2大国エレボニア帝国(VIII)とカルバード共和国(IX)に挟まれたリベール王国(VI)やクロスベル自治州(VII)、レミフェリア公国(暁)が舞台[18]となる2024年時点において進行中のシリーズ。 →詳細は「英雄伝説 軌跡シリーズ」を参照
本シリーズは一部のキャラクターがシリーズを通じて登場するだけではなく、時間軸も「FC」と同時期「碧」および「閃の軌跡II」までがおよそ3年程の範囲に収まる[19]ため、1つの大長編と見ることもできる[19]。 大きく見れば第6作『英雄伝説VI 空の軌跡』と第7作『英雄伝説VII』、第8作『英雄伝説VIII 閃の軌跡』、プラウザ版『英雄伝説 暁の軌跡』、番外編『英雄伝説 創の軌跡』、第9作『英雄伝説IX 黎の軌跡』、『英雄伝説 界の軌跡』が発表されているが「SC」の発売以降、シリーズナンバーは裏設定とされ販売タイトルには含まれなくなった[20]ため、内訳は『VI』が「空の軌跡FC」・「空の軌跡SC」・「空の軌跡 the 3rd」、『VII』が「零の軌跡」と「碧の軌跡」、『VIII』が「閃の軌跡」・「閃の軌跡II」・「閃の軌跡III」・「閃の軌跡IV」、スピンオフ作品「暁の軌跡」と「創の軌跡」を挟み『IX』の「黎の軌跡」と「黎の軌跡II」と「界の軌跡」、通算では14作品を超える。 また「the 3rd」と「零」の間に派生作品として『VII』の主要メンバーからロイドとエリィが参戦する[21][22]対戦アクションゲーム『イースvs.空の軌跡 オルタナティブ・サーガ』が発売。さらには、『VII』のマスコットキャラ・みっしぃがスピンオフ出演するアクションRPG『那由多の軌跡』が発売されているが、世界観が一新されて共通点があまりないためかタイトルには「英雄伝説」が含まれていない。 シリーズ作品
日本国内での対応プラットフォームシリーズ作品の多くが様々なプラットフォームへと移植されている。
ゲームシステム※ この項では原則として、オリジナルの物とファルコム自らリメイクした物のシリーズを通しての特徴について言及する。作品毎の差が大きいシリーズであるため、詳細については各作品の項を参照の事 ストーリー構成旧『IV』を除き、全ての作品が複数の章・部・話[注 6]から成り立っており、ストーリーに区切りがつけられている。『I』では「第1章」から始まり「第1章」が最初の章となっているが、その他の作品では「序章」[注 7]から始まり、「第1章」は2つ目の章となっている。 章毎に動ける範囲が限定され、クリアした章の舞台には再度訪れる事が出来ない作品が多い。 フィールド表現『II』までは街やダンジョンなどはフィールド上にアイコンで示されていた。『III』以降はアイコン描写は廃止され、フィールド・街・ダンジョン等に関わらず、全てが同縮尺で表現されている。 敵との遭遇は〈イセルハーサシリーズ〉ではシンボルエンカウント(ただし、特定のアイテムを使わないと敵のシンボルが画面上に表示されない)、〈ガガーブトリロジー〉では定点でのランダムエンカウントがPSP版はシンボルエンカウントです、〈軌跡シリーズ〉ではシンボルエンカウントとなっている。 戦闘シリーズ毎に大きく異なる。
3は始めからすぐ自動的に戦闘が移行する、そして途中でキャラクターを選択してコマンド入力し行動を変える。 4と5は始めからコマンドを選択して自動的に戦闘が移行する、そして3と同じ途中でキャラクターを選択してコマンド入力し行動を変える。
魔法シリーズ毎に体系が異なり全体を通して共通する魔法はないが、世界設定を共有する各シリーズ内では同一の魔法が使われている。ただし〈ガガーブトリロジー〉は設定を共有しながらも互いに隔絶した世界となっている為、作品毎に異なる魔法体系となっている。 『III』を除いた全ての作品において、多くのRPG同様に魔法の使用にはMPもしくはそれに相当するEPを消費する。『III』におけるMPは魔法習得時に消費するポイントであり、習得した魔法の使用時に消費するステータスはない。 換金物『III』以降の作品では人外の敵との戦闘では直接現金を手に入れる事は出来ず、代わりに換金物が手に入る。買い物をする為には一度現金に換金する必要があるが、換金率は場所や時間等によって変動する。 本の収集『III』以降の作品では複数巻からなる作中作の本がアイテムとして登場し、これを収集するサブイベントが存在する。これらの本は全巻を揃えることによって、最強の武器などの他では入手出来ない貴重な道具と交換出来るが、本の多くは取得可能な時期が短時間に限られており、さらには素直にストーリーに沿ったプレイでは見つけ難い場所にあるため難易度の高いイベントとなっている。なお『V』でこのイベントに関わる作中小説『人形の騎士』は、シリーズを跨いで〈軌跡シリーズ〉作中においても小説として登場する。 参考文献
脚注注釈
出典
外部リンク
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