緊急通報受理機関
緊急通報受理機関(きんきゅうつうほうじゅりきかん)とは、緊急事態を察知した通報者から発信された緊急通報用電話番号による緊急通報を受理[1]し、それらに対応する措置を取ることによって、社会の治安および人々の生命と健康を守る機関の総称である。 緊急通報受理機関とは、日本国内で独自に使用される名称であるが、これは英語圏における狭義のエマージェンシー・サービス (英: Emergency services) に相当するものと思われる。以下、当項目では後述の節にて、このエマージェンシー・サービスについても扱う。 緊急通報受理機関日本国内で緊急通報受理機関と呼ばれる機関は以下の3つである[1]。
エマージェンシー・サービスエマージェンシー・サービス (英: Emergency services) は、様々な緊急事態に対応して、社会治安の確保と人々の健康の増進を図る機関の総称である。これらの機関は、ある特定のタイプの緊急事態のみを処理するために単独で組織されるものから、機関の平常時における任務・業務の一部として、一度きりの緊急事態の処理をするものまで、その存在は多様である。その多くは、緊急事態を未然に回避するため、あるいは発生した場合も、それを察知すると同時に速やかに通報してもらう助けとなるために、日常的に人々が自治意識や予防計画を持つように働いている。 それらの緊急対応機関が利用可能かどうかについては、利用者の居場所に大きく左右されることはもちろん、時にはサービスの受け手が報酬の支払いや適切な保険への加入、あるいはその他に担保が必要となる場合も存在する。 エマージェンシー・サービスの主要な機能エマージェンシー・サービスの主要な機能は以下の3つである。
イギリスなどの一部の国では、これら3つの機能は地域別に3つの独立した機関によって提供されている。一方で、(日本を含む)多くの国々では消防と救急の機能が共に同一の機関により提供される。 緊急事態の切迫した状況を伝える緊急通報に対応するため、緊急対応機関は1つまたは複数の専用の緊急通報用電話番号を指定している。欧州緊急通報番号の112番[2]や英国の緊急通報番号999番[2]などである。一部の国では、すべての機関に対応した単一の番号が使用されている。一方で、機関毎に個別の番号が割り振られている国もある。 その他のエマージェンシー・サービス以下のエマージェンシー・サービスは、その分野における中核的な機関または独立した政府機関や私設機関により提供される。
民間防衛組織以下の機関および組織は緊急事態に対応し、他の安全関連機関へ速やかに通知する。その活動は職務上の義務であったり、会社の主な任務であったり、時には趣味の一環であることもある。
特定の場所における緊急対応機関地理的に特別な環境あるいは場所においては、以下のような専門の組織が緊急事態に対処する。ただし、これは管轄の区域外で彼らが持っている技能の行使を妨げるものではなく、区域外の他のエマージェンシー・サービスをサポートする形で提供される。
共同・連携より効果的にエマージェンシー・サービスが活動するには、複数の様々な機関が緊密な連携により協働することのほか、開かれた通信回線・手段を持つことが要求される。優れた活動を展開するエマージェンシー・サービスにとって、通信設備・手段の不備は深刻な損失となるが、多くの機関は適宜、これらに対応する通信・連絡網を備えている。その他、プロフェッショナルの機関とボランティアの団体の対立であったり、それぞれの管轄する地域や部門・分野に起因する論争等の様々な理由により、複数の異なるエマージェンシー・サービス同士が緊張状態に至ることもある。 大規模な緊急事態に備えて、異なる機関によって緊急時を想定した共同訓練や統一的な行動規範の検討、通信手段をより効果的に改良するなどの試み等が実施されることがある。イギリスではCHALETやETHANE等の共有のプロトコルが一般的に使用され、運用されているほか、アメリカでは国土安全保障省がインシデントコマンドシステム (ICS) [3]を含む、国家インシデントマネジメントシステム (NIMS) [4]を全米的に実施する旨を発表している。 関連項目出典
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