継続企業の前提継続企業の前提(けいぞくきぎょうのぜんてい)とは、企業等が将来にわたって存続するという前提のこと。ゴーイングコンサーン(going concern)の前提とも呼ばれる。企業以外の組織体の場合は、継続事業の前提、継続組織の前提、継続組合の前提などと呼ばれることもある。 継続企業の前提の評価及び開示通常、財務諸表は企業等が将来にわたって存続することを前提として作られる。企業等の存続を前提とするか清算を前提とするかで、資産の評価額が異なる可能性がある。 そこで経営者は、財務諸表を作成するに当たり、その前提として、企業等が決算日から少なくとも1年間存続するかどうかを評価することが求められる。この経営者による評価は、会計基準に継続企業の前提に関する注記の規定があるかどうかとは関係なく行われる。財務諸表を公認会計士等が監査する場合、監査人は、経営者による評価が適切であるかどうかを評価する。 継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在する場合で、当該事象又は状況を解消し、又は改善するための対応をしてもなお継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められるときは、多くの会計基準では、継続企業の前提に関する事項として、以下のような内容を財務諸表に注記することが求められる。
注記するまでもない場合、すなわち重要な疑義があっても重要な不確実性はない場合、事業報告など注記以外の場所に開示することが求められる。 継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況は、例えば、以下のような項目が考えられる。 <財務指標関係>
<財務活動関係>
<営業活動関係>
<その他>
継続企業の前提の注記がなされている上場企業2024年11月15日現在[1]。
継続企業の前提に関する事項の注記の根拠規定継続企業の前提に関する注記を定める主な法令等は下表のとおりである。
公的部門の主体における継続企業の前提国際監査基準570のA2項では、継続企業の前提に関する経営者の評価は、公的部門の主体にも関連するとされている。例えば、国際公会計基準(IPSAS)第1号は、継続企業として存続する公的部門の主体の能力についての問題を取り扱っている。継続企業のリスクは公的部門の主体が営利目的で事業を行う状況、政府による支援が縮小されるか打ち切られるような状況又は民営化において発生することがあるが、それらに限られない。公的部門における継続企業として存続する主体の能力について重要な疑義を抱かせるような事象又は状況は、公的部門の主体の存続のための資金調達が困難な場合又は当該公的部門の主体が提供するサービスに影響を及ぼす政策の決定が行われる場合を含む。 しかしながら、我が国の独立行政法人については、その制度の仕組みから、継続企業の前提に関して検討を要する状況が想定し難いことから、独立行政法人に対する会計監査人の監査の基準には特段の規定を置かないとされている(「独立行政法人に対する会計監査人の監査に係る報告書の改訂について」平成15年7月4日 独立行政法人会計基準研究会、財政制度等審議会 財政制度分科会 法制・公会計部会 公企業会計小委員会)。 脚注外部リンク
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