統一場心理学統一場心理学(とういつばしんりがく)とは、吉家重夫によって提唱された心理学である。 吉家は統一場心理学は心(意識現象)は物理学の法則で説明できる、という観点から心の全貌の理解を試みた理論体系であり、この理論体系により、古今東西全ての心理学をこの中に位置づけて考えることができる、つまり、全ての心理学を統一的に理解することができる、としている。 概要
統一場心理学では、難解な専門用語をなるべく使わず、できるだけ一般の人が日常的に使っている言葉で、心(意識現象)のありようを記述するように努めているが、いくつかの用語については、特別に定義して使っている。 特別に定義された用語
理論と仮説イメージ情報理論イメージ情報は基本的に、多くのものが調和して統合され、大きな塊になればなるほど安定する。これは、化学において、複数の分子から1つの化合物が合成される際の反応と似ている。複数の分子でいるよりも、1つの化合物になったほうがエネルギー的に安定するように、心(意識現象)に含まれるイメージ情報も、基本的に大きな塊になり安定する方向へと変化する、と考えるのである。このように、イメージ情報をより大きくつなげて安定しようとする物理的性質は、実感・体験としては知的好奇心などと呼ばれる。 一方、外界からもたらされるイメージ情報が、心に元々あったイメージ情報と調和しない場合は、受け容れられない。化学においては、複数の分子から1つの化合物が合成される際には、活性化エネルギーを要する、とされているが、この活性化エネルギーを多く要する場合、元々の分子の構造を維持しようとして、化合物は生成されづらい。これと同様に、イメージ情報も、調和しないもの同士は統合されないままとなる場合がある、と考えるのである。 このように、調和しないイメージ情報に対して、元々のイメージ情報のまとまりを壊さないように維持する物理的性質は、嫌悪感や拒絶感として実感・体験される。さらに心(意識現象)が不安定になると、人間はそこに含まれているイメージ情報を自然な意味づけを超えて強引に調和させ、大きな塊を作ることで安定させようとする。これが、思い込みやこじつけ、妄信などを生起させる。 イメージ情報理論は、イメージ情報の物性を論じた理論であり、外的観点からの観察的な説明(物理的な説明)と内的観点からの実感・体験とをすり合わせて考える。これにより、私たちの心が必然性に従って変化してゆくことを示している。 内在者理論統一場心理学を人間関係に焦点を当てて展開したもので、内在者が人間の日常生活とどのように関係しているかを論じた理論。心の中に蓄えられているイメージ情報の大半は、内在者に関するものだと推察される[要出典]ので、心に起きる問題の多くは内在者に関係すると考えられる。 5次元仮説イメージ情報が立体の3次元に質感軸(時間軸)、情感軸の2つを加えた5次元の存在であるとする仮説。質感は時間の経過と共に生起する性質であり、論理は、基本的に質感の経時変化を普遍的に表現したものであるので、質感と論理は共に質感軸(時間軸)上に存在すると考えられる。一方の情感は、どれほど複雑で多くの情報が含まれていても、一瞬にして感じることができる。このことは、情感に関する情報が質感軸(時間軸)に垂直に存在していることを示しており、つまり質感と情感が、互いに直交する座標軸上の情報であることを示していると考えられる。 普遍主体仮説人間などのもっている主体という性質が、魂やその他のいわゆる神秘的な現象ではなく、物理的に一定の条件を満たすことで、どこにでも生起し得る現象であるとする仮説。 関連項目参考文献
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