築山古墳 (大分市)
築山古墳(つきやまこふん)は、大分県大分市(旧佐賀関町)大字神崎(ほんこうざき)字浄願寺にある5世紀代(古墳時代中期)の前方後円墳である。1936年(昭和11年)9月3日に国の史跡に指定された。 概要築山古墳は、佐賀関半島の北西海岸部、丘陵端部に位置する。著名な猫塚古墳(碧玉製鍬形石、後漢鏡片、鉄剣、鉄戈などを出土した)の東南約一キロメートルのところにある。後円部の一部が北側の村社八幡神社の境内になっている。 規模は、全長90メートル(前方部50m, 後円部径40m)、高さは前方部8メートル、 後円部10メートル、前方部幅45メートルで、葺き石が葺かれている。亀塚古墳に県下最大の座を譲っているが、総量34キログラムという大量の朱が使われているなど、当時としては最高級の豪華葬であったことが判明し、水軍をもつ海人部(海部郡)の歴史を解き明かす上で重要な遺跡と位置づけられ、調査が続けられている。愛称は「石棺さま」。 副葬品などから5世紀中頃と推測されている。 発掘調査鉄剣・鏡・管玉という「三種の神器」が発見されるなど盗掘を免れた意義は大きいが、墳丘は周辺住民によって前方部と後円部を裁断する様に道路が造成、住宅建設で前方部が削られていた為、発見時には前方後円墳の形を成していなかった。
被葬者1932年(昭和7年)、植林作業の際に後円部から2基の緑泥片岩製箱式石棺が発見され、その後の調査で「北棺」(長さ1.8メートル、幅0.65メートル、深さ0.73メートル)と呼ばれる石棺からは右腕に貝釧をつけた1体の女性、「南棺」(長さ1.95メートル、幅0.75メートル、深さ0.8メートル)からは3体の人骨(うち一体は女性)が発見された。 女性のみが単独で埋葬されている点などから呪術者であった女性の墓ではないかと推測されている。地元で祀られている「速吸日女」の墓ではないかという説や、邪馬台国議論に加わり卑弥呼の墓ではないかとする説が主張されている。 副葬品南棺から
北棺から
文化財国の史跡
大分県指定文化財
所在地大分県大分市大字本神崎字浄願寺 周辺の古墳・史跡周辺には約19基の古墳が確認されている。
脚注
参考文献
外部リンク
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