空色のメロディ
『空色のメロディ』(そらいろのメロディ)は、水沢めぐみによる少女漫画作品。 概要初出は『りぼん』(集英社)1987年6月号から1988年8月号まで。本編は全15回で、1回の休載もなく連載されている。この他、『りぼんオリジナル』昭和63年(1988年)秋の号、『りぼん』平成元年(1989年)2月号・3月号・10月号別冊に、番外編が掲載されている。本作は作者にとって『ポニーテール白書』に次ぐ2番目の長期連載であり、『ポニーテール白書』『姫ちゃんのリボン』などと並んで、代表作の1つに数えられる。水沢は87年春に大学を卒業しているため、当作品は作者が社会人(本格的なプロの漫画家)となって最初の連載ということになる。 連載の始まった1987年、作者は、漫画家で友人の柊あおい、編集の「みーやん」こと宮永正隆(さくらももこの前夫)らと共に13日間のヨーロッパ取材旅行を行っている。詳細な時期は不明であるが、『りぼん』1987年9月号(9月1日発売)の208~209ページに「わたしたちの欧州旅行ご報告~!」と題する報告が掲載されているから、同年の春から夏の間の事であると思われる(この時点では3人とも独身)。同報告のカットは、水沢、柊の2人による共作である。それによれば、一行はパリ(フランス)→ウィーン(オーストリア)→ザルツブルク(オーストリア)→ミュンヘン(ドイツ)→ロンドン(イギリス)の順にヨーロッパ各国を歴訪。帰国直後の空港では、偶然松坂慶子に出会う、という「得なおまけ」もついていたそうである。 全体的にファンタジーの要素が強い作品である。1986年に公開されたスタジオジブリ作品で宮崎駿監督の『天空の城ラピュタ』と物語の設定において非常に似通った部分がある。また、舞台となる架空の村「グリーン・フィールド」の名称は、有名な『赤毛のアン』の舞台「グリーン・ゲイブルス」を連想させる。ただし、同名作の舞台はヨーロッパではなくカナダである。 コミックスは全5巻で、現在は絶版となっている。2006年に発売された集英社文庫版は、全3巻。第1巻の巻末に、谷山浩子による解説エッセイ「シンプルでピュアな『空色のメロディ』の世界」が掲載されている。 『空色のメロディ』には当時アニメ化の企画もあったが、作者の妊娠・出産と重なったため中止となり、漫画の連載も無理やり終わらせたと、水沢自身が柊あおいの育児漫画『「おかあさん」の時間』(2001年6月、学習研究社)の巻末付録「柊あおい&水沢めぐみ ママ漫画家対談」で語っている。 あらすじ両親を亡くしたメロディは、愛犬ハチを連れて、祖父のいるグリーン・フィールドに移り住む。そして、飛行機作りに熱中するアークや多くの友達もでき、楽しい毎日を送る。そんなある日、メロディは屋根裏部屋で不思議な肖像画を見つける。その肖像画に描かれている女性は、何とメロディにそっくりだった。メロディは不思議に思うが、そのことを知ったダンに、二度と屋根裏部屋に入ってはいけないと厳しく叱られる。……学校の芸術祭に、ブルーストーン王国の使節団が訪れる。当日、メロディの祖父ダンと使節の人が話し込むのを目撃したアークは、メロディと王国の関係を独自に調査し、彼女が王位継承者であることを知ってしまう。……メロディがバークレイ家に監禁されて数日後、跡取り息子エドとの結婚式が強引に始まる。夫婦の誓いを拒否して逃げだしたメロディは、塔の上に追い詰められる。そして、物語はクライマックスを迎える(以上、文庫版の内容紹介を適当に編集)。 主な登場人物
書誌情報
イメージアルバム谷山浩子プロデュース・笠原弘子歌で、全10曲から成るイメージアルバム『空色のメロディ 水沢めぐみ作品集』がダブリューイーエー・ジャパンより発売されている(レコードは1987年、CDは1988年)。同アルバムの前半5曲は、『ポニーテール白書』など、他の水沢作品にもとづく楽曲であり、後半の5曲が、『空色のメロディ』にもとづく楽曲となっている。尚、このアルバムにはミニドラマも収録している(ポニーテール白書#イメージ曲参照)。
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