福岡市交通局4000系電車

福岡市交通局4000系電車
福岡市交通局4000系電車
(姪浜駅、2024年10月27日見学会)
基本情報
運用者 福岡市交通局
製造所 川崎車両兵庫工場[1]
製造年 2024年 -
製造数 18編成108両(予定)[2][3]
運用開始 2024年11月29日[4]
投入先 空港線箱崎線
JR筑肥線
主要諸元
編成 6両編成[5][3]
軌間 1,067 mm[6][3][7][8][9]
電気方式 直流1500 V(架空単線式)[6][3]
最高運転速度 85 km/h[3]
起動加速度 3.5 km/h/s(最大) [6][3]
減速度(常用) 3.5 km/h/s[6][3]
減速度(非常) 4.0 km/h/s[6][3]
編成定員 849(252)名[6][3]
()内は座席定員
車両定員 145(45)名(4200形 - 4500形)[6][3]
134(39)名(4100形)[6][3]
135(33)名(4600形)[6][3]
()内は座席定員
自重 33.3 t(4100・4200形)
31.5 t(4300形)[6][3]
31.6 t(4400形)[6][3]
33.4 t(4500・4600形)[6][3]
全長 20,000 mm(4200形 - 4500形)[6][3][9]
20,435 mm(4100形・4600形)[6][3][7][8]
車体長 19,935 mm[7][8][9]
全幅 2,862.4 mm(4100形・4600形。乗務員室握り棒間)[7][8]
2,845 mm(4200形 - 4500形。車側灯間)[9]
車体幅 2,800 mm[7][8][9]
全高 4,078.3 mm(4100形・4300形・4400形・4600形空間装置高さ)[7][8]
4,135 mm(4200形・4500形。パンタ折りたたみ高さ)[9]
車体高 3,725 mm(4100形・4600形。先頭部車体高さ)[7][8]
3,605 mm(4200形 - 4500形)[9]
床面高さ 1,130 mm[7][8][9]
車体 全アルミ合金製ボギー客車[5][3]
台車 リンク式片軸操舵台車 SC-109MC形・SC-109M形
いずれもボルスタ台車[3]
車輪径 860 mm[7][8][9]
固定軸距 2,100 mm[7][8][9]
台車中心間距離 13,800 mm[7][8][9]
主電動機 三菱電機製 MB-5702-A
同期リラクタンスモータ[3]
主電動機出力 190kW × 12基[10][3]
駆動方式 歯車形たわみ継手方式[3]
歯車比 109 : 14(7.79)[3]
制御方式 ハイブリッドSiC素子
VVVFインバーター制御
[3]
制御装置 三菱電機製
MAP-196-15V365[3]
制動装置 E122形 回生ブレーキ併用電気演算形電気指令式直通ブレーキ(遅れ込め制御)、応荷重装置、保安ブレーキ[6][3]
保安装置 ATC : 高周波連続誘導式、並列2重系
ATO:地点検知車上演算方式、待機2重系(地下鉄線内)
ATS-SK : 電圧レベル検知方式(JR筑肥線内) [6][3]
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福岡市交通局4000系電車(ふくおかしこうつうきょく4000けいでんしゃ)は、福岡市交通局(福岡市地下鉄)の通勤形電車

概要

甲種輸送されていた4000系の最初の編成(西唐津駅、2024年4月24日夜間)

1981年(昭和56年)の福岡市地下鉄開業以来(当時は1号線)、1000系およびそのリニューアル車である1000N系が使用されてきたが、製造より40年を迎えることから、後継車両を導入することとされた[1]。のちに形式が「4000系」となることが発表された[11]

1000N系の老朽化に伴う置き換え用として導入され、2024年度から2027年度にかけて1000N系と同数の6両編成18本(108両)が導入される予定であり、製造は川崎車両が全車を担当する[1][2][3]

2024年(令和6年)4月24日に最初の編成[注 1]が川崎車両より甲種輸送され、姪浜車両基地へ搬入された[12]。同年10月27日、最初の編成が姪浜駅にて開催された見学会に出展され、初めての一般公開となった[13]。同年11月29日には営業運転が開始された[14][15]

本形式は1992年(平成4年)に登場した2000系以来、空港線箱崎線用の車両としては32年ぶりの新型車両となる。

車両概説

本形式は「一人ひとりにやさしい移動空間~福岡の次世代へ向けて~」をコンセプトにサービス面、静粛性、安全性と安心の確保、省エネと省メンテナンスを重点に置いて設計された[16]

車体

姪浜駅で停車中の4000系(2024年10月27日見学会)

車体は、全長20 m(車体長19.9 m)全幅2.86 m 全アルミ合金製ボギー客車である[7][8][9][3]

前面形状は切妻形状であり、運転席前方の視認性やメンテナンスの向上を図っており、先頭部屋根側はアーチ構造とし、前面部・側面部のオフセット衝突の強化をするとともに意匠性を向上させている[16][5][17]

車体配色は既存の1000N系・2000N系に準じたブルーのラインを継承しつつ、「空の玄関口」となる福岡空港と希望の未来をイメージしたスカイブルーのラインを新たに車体中央部へ配したものとした[11][2][16]

内装

乗降扉は、車体片側4箇所に直流モーター駆動のラックピニオン式SY490571形・戸閉機で開閉する両開きドアを設け、幅は1,300mmとしてラッシュ時の乗降をスムーズにできる構造とした[3][7][8][9]

座席は既存車同様のロングシートとしたが、1人あたりの座席幅を国内最大の 480 mm として快適性を向上させた[11][2][17]。袖仕切りや荷棚などにガラスを用いることで明るさと広さを感じさせる空間としている[11][2][10]

福岡空港・貝塚寄り先頭車となる6号車には「フリースペース」を設ける。これは子供連れや車椅子ベビーカー利用者およびキャリーバッグなどの大きな荷物を抱える利用者に配慮したもので、大型の荷物置き場や子供でも車窓を楽しめるよう、大型の窓を設置する。また、保護者などが2方向から腰掛けられる座席を配している[11][2][10]

全車両に優先席が設置されており、優先席を通常の座席よりも60mm高くすることで、立ち座りのしやすさに配慮するほか、仕切りとなるひじ掛けを設置する。また、優先席の向かいには介助者が休憩できるヒップスペースを設ける[11][2][10]

車内案内表示装置は3画面の液晶ディスプレイ式となり、うち2画面を路線図や次駅等の案内用、残り1画面をニュースや広告用として用いる[11][2][17][18]

車内防犯対策として、乗務員のほか、交通局の職員がリアルタイムで監視できるようにし、迅速な状況把握を行えるよう各車両に防犯カメラを4台ずつ設置する[11][2][3]

運転室は視界を確保するため非常用貫通開戸を右側に寄せており、また左手操作式ワンハンドルマスコンを採用、デッドマン機能及び力行ロック解除機能を搭載し、操作性向上を図っている[17]

車内貫通扉には小さな力で開閉できるアシストレバーが取り付けられている[2]

機器類

主電動機に営業列車への本格導入としては世界初となる同期リラクタンスモーターを採用した[11][2]。既存車両のかご形三相誘導電動機と比較してさらに高効率になっており、使用電力量は約20%の削減を見込んでいる[11]。また、全閉式となっているため、塵埃の侵入を防ぎ、内部清掃の省力化が図られている。[2]

台車リンク式片軸操舵台車とし、曲線部通過時の走行安定性の向上、および走行音の軽減を図っている[11][2]

また、運行中の車両を遠隔監視できるものとして車両情報監視システムを導入する。これにより、車両故障などの運行障害が生じた場合に迅速な対応ができるものとしている[11][2]

電動空気圧縮機(コンプレッサー)はオイルフリースクロール式 ・RR16T形を採用し、メンテナンス性の向上を図っており、編成当たり1ユニット2台構成の装置が2ユニット搭載されている[18][3]

運用

筑肥線での初運用(今宿駅、2024年12月4日)

2024年4月24日に前述の通り最初の編成が搬入され[12]、同年5月20日より試運転が開始された[19]。同年11月29日に姪浜駅で出発式を行い、同日の姪浜15:00発福岡空港行きより営業運転が開始された[4]

地下鉄空港・箱崎線内のほか九州旅客鉄道(JR九州)筑肥線の姪浜駅 - 筑前前原駅間への直通運転にも使用される[11][2][14]

注釈

  1. ^ 4125 - 4225 - 4325 - 4425 - 4525 - 4625

出典

参考文献

  • 交友社鉄道ファン』通巻765号(2025年1月号)
    • 福岡市交通局 運転車両部 車両課 江村卓朗「空港線・箱崎線1000N系置換え用新形車両 福岡市交通局4000系」 pp. 48 - 53
    • 編集部「福岡市交通局 制御電動客車 形式4100(Mc1) 付図」
    • 編集部「福岡市交通局 制御電動客車 形式4600(Mc6) 付図」
    • 編集部「福岡市交通局 電動客車 形式4200(M2) 付図」

Web資料

外部リンク

4000系車両 - 福岡市交通局

 

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