石川卯一郎

石川 卯一郎（いしかわ ういちろう、文久2年[1] - 大正8年（1919年）11月）は、日本の実業家。関東酸曹常務取締役[2]。東京府平民[2]。

丁稚奉公から身を興し、苦闘のすえ、昭和電工と日産化学の前身である関東酸曹という会社を創立した[3]。

初代経団連会長石川一郎の父。元鹿島会長、日本商工会議所会頭の石川六郎の祖父。

経歴

大坂に生まれる[4]。石川伊助の長男[2]。生家は江戸時代、｢宇田屋｣という屋号の商家[5]だった[6]。

明治10年（1877年）[4]、東京に出てきて[6]、苦学した[4]。海軍の軍人になろうとしたが、背の高さが足りずに諦め、大蔵省の印刷局に奉職した[6]。関東酸曹という会社を設立した。

家族・親族

石川家

（大阪府、東京府北豊島郡瀧野川町大字西ヶ原[2]（現東京都北区））墓所：染井霊園

• 父・伊助[2]
• 母・マツ（大阪府平民、伊木庄兵衛二女[7]）

天保4年7月生[7] - 没

• 妹・チカ（大阪府平民、宮部文七の養子となる[2]）

明治20年（1887年）11月生[2] - 没

• 妻・カネ（東京、士・宇津信勝三女[2]）

元治元年正月生[2] - 没

• 長男・一郎[2]（実業家）

明治18年（1885年）11月生[2] - 昭和45年（1970年）1月没

• 同妻・フミ（福島、平・関定次郎長女[2]）
• 同長男・馨[2]

• 次男・次郎[2]（実業家）

明治23年（1890年）1月生[2] - 没

• 三男・三郎[2]（実業家）

明治29年（1896年）8月生[2] - 没

• 四男・四郎[2]（実業家）

明治37年（1904年）1月生[2] - 没

• 長女・ツネ（長野県平民、牧音輔に嫁す[2]）

明治21年（1888年）1月生[2] - 没

• 二女・みつ（東京府士族、林寅蔵二男工学士静馬に嫁す[2]）

明治25年（1892年）3月生[2] - 没

• 三女・時（滋賀県平民、久保元治長男俊治に嫁す[2]）

明治25年（1892年）3月生[2] - 没

• 女・秋江[2]

明治31年（1898年）8月生[2] - 没

• 女・雅子[2]

明治35年（1902年）5月生[2] - 没

人物像

沈毅寡言にして物に動せず、頗る算數に巧みにして事物講究の念極めて緻密周到なり、又物に執着する癖ありて多種多様の職に従ふを厭ふ[4]。

参考文献

• 『実業家人名辞典』（監修者・由井常彦、浅野俊光、1990年、イ一七頁）
• 神一行『閨閥 改訂新版 特権階級の盛衰の系譜』（角川書店、2002年、298頁）

脚注

1. 出生した年は『実業家人名辞典』（監修者・由井常彦、浅野俊光、1990年、イ一七頁によれば「文久2年3月」だが『人事興信録. 5版』（大正7年）い一九三によれば「万延元年9月25日」である
2. ^ 『人事興信録. 5版』（大正7年）い一九三
3. 神一行著『閨閥 改訂新版 特権階級の盛衰の系譜』 298頁
4. ^ 『実業家人名辞典』イ一七頁
5. 神一行著『閨閥 改訂新版 特権階級の盛衰の系譜』 298頁には「石川家はもともと大阪の農家の出である」とある
6. ^ 石川六郎『私の履歴書』
7. ^ 『人事興信録. 4版』（大正4年）い一四一