白衣性愛情依存症
『白衣性愛情依存症』(はくいせいあいじょういぞんしょう)は、工画堂スタジオより2015年に発売された、PlayStation Vita用百合[3]系アドベンチャーゲーム。『白衣性恋愛症候群』を前作と位置付けられており、同作の作風を受け継いだ作品となっている[3]。Microsoft WindowsやNintendo Switchにも移植されている。 ゲーム内容インターフェース看護学校を舞台とした[4]本作品では、専門用語が用いられることもあるが、参照が素早く出来る用語集機能が付いている[3]。 開発本作は、『白衣性恋愛症候群』の世界観でもう1本作るというところから始まったが、前作で看護師ものとしてやりたいことをやりきったので、医療要素を薄めつつも、前作ではできなかった看護師のたまごを描くために、看護学校が舞台に選ばれた[5][6]。 本作のディレクターを務めたみやざーは、Innocent Greyのスギナミキらとの対談の中で、「看護学校の授業についてもちゃんと描くことが看護学校ものをやる意味であり、フレーバーとして用いてもキャラクターたちの成長する姿がより見えると思う」とし、「前作が辛口のカレーなら今回は甘口のカツカレーのように違う楽しみ方ができる」と話している[6]。 舞台の変更に伴い、みやざーは『百合少女』の雑誌の挿絵を担当した早瀬あきらを新たなイラストレーターとして起用した[5]。 また、プロデューサーである北川貴規の紹介を受けた向坂氷緒がシナリオライターとして起用された[5]。 本作の開発期間は3年であり、これはアドベンチャーゲームの開発期間としては長い方である[5]。 3年という時間の中で、停滞や試行錯誤はあったものの、作りこみに充てられる時間が増えたのはうれしい誤算だったとみやざーはファミ通とのインタビューの中で振り返っている[5]。 通常、工画堂スタジオでアドベンチャーゲームを開発する際、プロットの段階でイラストの発注を行うため、イベントCGの追加発注が発生したり、出来上がったイラストがシナリオと合わないという事態が発生していた[5]。一方、本作ではシナリオが出来上がってからイラストの発注を行ったため、そのような心配は生じなかった[5]。 インターフェースはユーザーの意見を取り入れつつも、前作から改善された[7]。また、『白衣性恋愛症候群 RE:Therapy』で好評だったクリア済みキャラクターのシステムボイスもメインキャラクターの分だけ用意された[7]。 さらに、工画堂スタジオの過去作品への敬意を表して、これらの作品群のキャラクターがモブとして背景にあしらわれた[7]。 キャラクター設定あすかとさくやは最初に作られたキャラクターであり、当初はきょうこという人物と姉妹であるという設定だった[7]。 その後、この姉妹設定は没となり、あすかはなおと姉妹であるという設定が作られた[7]。 また、かえでは当初前作のはつみのような20代後半の凛々しい女性を想定していたが、向坂がこのようなキャラクターをうまく扱えないため、現在の形に変更された[7]。 キャスティング武田さくやの役には、過去に工画堂スタジオの作品に出演したことがある田村ゆかりが起用された。 みやざーはファミ通とのインタビューの中で「田村さんは収録前に本作をギャルゲーだと思っていたとおっしゃっていましたが、収録時となるとガールズラブの部分もきちんと演じてくれた」と振り返っており、前作に出ていた声優が収録に参加していたことも、雰囲気に慣れるという観点から非常に助かったと述べている[7]。 また、音響監督はマウスプロモーションの社長が務め、開発スタッフにセリフの内容について指導した[7]。北川はファミ通とのインタビューの中で、「最初に本作のタイトルについて『い"ぞ"んしょう』と読むのか、『い"そ"んしょう』と読むのかと聞かれ、すごいと思いつつもひやりとした」と述べ、頼もしいサポートをいただいたと振り返っている[7]。 ストーリー・設定ストーリー大幸あすかは適当に人生を生きてきた女子高校生だったが、卒業が近づくにつれ進路を考えさせられるようになる[8]。そうした中発見した幼き頃の絵本の最終ページには、自分の文字で「かんごしになる」と書かれていた[9]。これをきっかけに妹のなおの力を借りて「帝都看護専門学校」へ入学することとなる[9]。 入学したあすかは、天藤いつきや武田さくやに出会い、3年間に及ぶ看護学生としての生活をスタートさせた。 登場人物
評価電撃オンラインのカワチは、「ストーリーは起伏に富んでいるが、前作よりもコミカルなシーンが増えたためテンポよく読み進めることができた」と述べた[4]。同じく電撃オンラインの長雨は、女性の視点で序盤をプレイした感想として「いずれのキャラクターも個性的ながらも癖がなく、女性が見てもかわいいと思えるキャラクターだった。用語集がしっかりしていたおかげで医療用語が多数出てきても混乱することなくためになった。メインは女性同士の恋愛だが、看護学校という作品の世界観が丁寧に描かれていた。女性たちの交流は恋愛と言うより姉妹愛、友情、師弟愛という雰囲気が強かった。」と述べた[4]。 主題歌
関連書籍ファンブック
出典
外部リンク |
Portal di Ensiklopedia Dunia