無人島無人島(むじんとう)とは、人間のいない島。有人・無人の区別は島の分類学(taxonomy)でも用いられる区分の一つである[1]。 概説島の分類学(taxonomy)では、島の大きさ、地形、海洋上での位置、本土との距離、生態系、統治形態、経済的自立度などによって分類が行われ、有人島と無人島の分類もその一つである[1]。国連海洋法条約第121条第1項では「島とは自然に形成された陸地であって、水に囲まれ、高潮時においても水面上にあるもの」とされ、一方で同条第3項では「人間の居住又は、独自の経済的生活を維持できない岩は、排他的経済水域を有しない」とされている[2]。小陸地があっても人間の居住又は経済活動が行われていない場合には、領土として周囲に領海は認められても排他的経済水域は認められないことになる[2]。 無人化する要因には次のようなものがある。
世界の無人島世界最大の無人島はカナダのデヴォン島である。面積は約55,000km2で、カナダの島の中で第6位[注 1]、世界の島の中で第27位で、本州の24%、北海道の66%、九州の1.49倍、四国の3.01倍である。 日本
上記の定義において、日本のすべての島(6,852)から本土(本州、北海道、九州、四国、沖縄本島)及び有人離島(432)を除けば、日本における無人島の総数は6,415となる[4]。日本の施政下で最も大きな無人島は渡島大島で面積は9.73km2。 かつて人が住んでいたり、農地として使用されていた島が過疎化の進行と無人島となってしまった島も、日本には多い。近年では無人島をキャンプ場として利活用する動きが増えてきている。
中華人民共和国中華人民共和国では2003年に無人海洋島保護及び利用管理規定、2010年に海島保護法が制定され、無人島での採石等の採取、建設、観光などが原則禁止されている[5]。 韓国韓国では2010年に無人島嶼管理法と無人島嶼総合管理計画が制定され、絶対保全無人島嶼、準保全無人島嶼、利用可能無人島嶼、開発可能無人島嶼の4つに分類し、類型別に規制を制定している[5]。 パラオパラオには200以上の島が点在しているが、人々が生活しているのは10ほどの島々であり、残りの島々はジャングルに覆われている[6]。 名称古来の日本語では、「ぶにん」と読む場合の「無人」の意味するところは、「誰もいなくて寂しい」もしくは「人手が足りない」ことである[7]。一方、「むにんじま」「むにんしま」「むにんとう」と読む場合、「誰もいない」ことを意味した。このことを考えれば、「誰もいない島」という意味での「無人島」は、「むにんじま」「むにんしま」「むにんとう」と読んでいたはずであり、「ぶにんじま」と読むのはおかしいということになる[7]。 無人島を舞台とした作品文学作品内の『無人島』無人島は、しばしば都市や文明の対極にあるものとして描かれる。デフォーの『ロビンソン・クルーソー』をはじめ、しばしば文学作品などのテーマとして取り上げられる。多くの場合、その意図は、文明社会から隔絶された人間を描くことで、人間や人間社会の本質を浮き彫りにしたり、通常は所与のものと考えられている科学、宗教、教養、人との関わりなどが人間にとって本当に必要か否かといったことを考えさせる点にあるといえる。 漫画における無人島文学に見られる無人島の扱いがそのままに漫画でも見られるが、漫画において独特なのは一コマ漫画の場合である。アメリカでは1コマ漫画が大きなジャンルとして成立しており、そこでは無人島が非常に大きなテーマとして扱われる。その典型はヤシの木が1本だけある小島に流れ着いた一人の男、というものである。星新一はこのタイプの漫画をきっかけにアメリカの一コマ漫画のコレクションを趣味にし、それに基づく本も出版している。それによると、アメリカの一コマ漫画における最大のジャンルであり、専門のアンソロジーも多数出版されている。おそらくその起源はロビンソン・クルーソーのパロディであろうと推察している[8]。また、星は「そこに人がいる以上は無人ではない」として、このジャンルを「孤島漫画」と呼んでいる。 手塚治虫は、狭い舞台(孤島)、登場人物はせいぜい2人か3人という限られた設定であるにもかかわらず、どんなアイデアの広げ方もでき、更には1コマ漫画でも長い話でも作れることから、「無人島マンガはナンセンスマンガの基本」と述べている[9]。 日本では秋竜山が孤島1コマ漫画を得意としており、1000点を越して作品集『秋竜山のロビンソンクルーソー―秋竜山孤島漫画1000点より』 (1978年)などが刊行されている。 無人島を舞台とした映画無人島を舞台としたゲーム無人島を取り上げた書籍
脚注注釈
出典
関連項目
外部リンク
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