潮境潮境(しおざかい、boundary of water-masses[1]、oceanic front[2])とは、異なる水塊の境界のこと。これは一般に、優勢な海流帯や、海流の収束帯に一致する。海水温、塩分など海水の物理的、化学的性質がほぼ一様なもののかたまりを水塊というが、その境目である潮境を横断して観測すると、水温、塩分、栄養塩、溶存酸素量などが急変し、水色、透明度も著しく変わるので肉眼でわかることが多い。潮境海域における海況は時間的にも場所的にも変動が激しく、寒暖両水塊がモザイク状に入り乱れたり、局部的な収束、沈降域や発散、湧昇域が複雑に配列されていたりする。 流れに乗って寒暖両系の魚群が密集しやすく,また湧昇流が栄養分を運び上げてプランクトンを繁殖させるため、有利な漁場となることが多い。親潮と黒潮の接触する三陸沖や、ラブラドル海流とメキシコ湾流の接するニューファウンドランド沖などがその好例である。 潮目潮目(しおめ、current-rip[1][2])とは、局所的な表面の流れの収束線をいう。多くは潮境が海面に現れたもの。強い収束によって、泡や、海藻、木片などが集積していたり、鏡のような海面にさざ波が立っていたりするので、肉眼でも識別できることが多い。顕著な潮目は著しい不連続性を示し、わずかな距離で水温が数度も変化することがある。 類義語と語義の変遷潮境は現在では異なる水塊の境界という意味で広く使われている。しかし、時代によってはその語義が現代と異なっていたり、その類義語である「潮合(線)」や「潮目」が代わりに使われていたりするので、過去の文献を読む際は注意が必要である。このことは「潮境とその類義語の語義変遷の歴史[3]」に詳しく書かれている。これによれば、「潮境」の初記載者は宇田道隆(1931)で、そのときの意味は現在の潮目に近い意味であった。 脚注
関連項目外部リンク
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