滋賀GOブラックス
滋賀GOブラックス(しがゴーブラックス、英語: Shiga GO Blacks)は、滋賀県を拠点に独立リーグのベースボール・チャレンジ・リーグ(ルートインBCリーグ)や日本海オセアンリーグ (NOL)に所属していたプロ野球球団である。 2019年までの名称は「滋賀ユナイテッドベースボールクラブ」。後述の通り、2019年シーズンはパートナー契約に基づく命名権により、「オセアン滋賀ユナイテッドベースボールクラブ」の呼称が使用されていた。2020年から2021年までは「オセアン滋賀ブラックス」。オセアンが日本海オセアンリーグの運営に参画することに伴い、2022年よりチーム名を変更した。 2017年からベースボール・チャレンジ・リーグの西地区でリーグ戦に参加[1]。2022年はBCリーグを離脱して日本海オセアンリーグに加盟していたが、2023年以降は活動休止の状態となっている[2]。 概要ルートインBCリーグで初めて近畿地方を主な活動地とするチームだった。また、滋賀県に本拠を置くプロ野球チームとしても初となる[注釈 2]。球団名を「ベースボールクラブ」とするチームは新潟アルビレックス・ベースボール・クラブに次いでリーグで2例目だったが、新潟と異なり名称に「・」は入らなかった[注釈 3]。 発足当時の運営会社は2015年12月21日に設立され、2016年6月の時点で33社のスポンサーと運営資金7,000万円を獲得としていた[5]。 創業者の初代球団代表は、独立リーグの選手にはNPBに進めず野球を断念するケースが少なくないことから、球団として在籍中の社会教育や退団時の就職支援などに積極的に取り組む意向を示していた[6]。 創設当時は親会社を持たなかったため資金不足が続き、練習環境も満足ではなかった[7]。2019年のシーズン中にオセアンが経営権を買収して親会社となる[7]。2021年時点で球団社長を務めていた黒田翔一によると、オセアンが命名権契約だけのつながりから球団の親会社に変わったのは、初代の球団運営会社に経理上の問題が起き、スポンサーも離れる状況になったことが理由であるという[8][注釈 4]。 運営母体の変更後は練習環境の確保に努め[8]、2020年に監督の成本は通常の野球場で練習できる機会が増えたと述べている[7]。 一方、県内での知名度は2020年時点では十分ではなく、2018年と2019年は2年続けて平均観客動員はリーグで最下位だった[7]。 2021年9月1日、来シーズンのリーグ不参加と、西地区4チーム(他に富山GRNサンダーバーズ・石川ミリオンスターズ・福井ワイルドラプターズ→福井ネクサスエレファンツ)による新リーグを結成することを明らかにした[10]。9月16日に新リーグの名称は日本海オセアンリーグとなることが発表された[11]。リーグ名に「オセアン」が含まれることに伴い、オセアンは滋賀球団の運営から離れ、球団名からも「オセアン」を除去すると、新リーグの代表となる黒田は述べている[12]。11月29日、日本海オセアンリーグにおけるチーム名を「滋賀GOブラックス」とすることが発表された[13]。その時点では新たな球団運営会社の設立登記に向けた準備を進めているとされた[13]。2022年1月時点のウェブサイトにおける運営企業表記は、「滋賀球団株式会社」となったが、国税庁の法人番号公表サイトでは従来の運営会社であるオセアンスリーマネジメントの改称、ならびに本店変更(京都府京都市下京区から滋賀県彦根市へ)である[14]。ただし、従来の本社も「京都事務所」として残存し、郵便物等は京都事務所宛とするよう球団ウェブサイトには記載されていた[15]。 2022年12月22日、滋賀県内に事業承継先候補となる企業を見つけ、事業承継交渉も含めた準備期間として2023年は活動を休止すると発表した[2]。これに先立ち、福井は同シーズン限りで活動を休止することが発表されていた。その後、日本海オセアンリーグからは富山と石川が脱退して日本海リーグ (NLB) を設立し、日本海オセアンリーグは千葉スカイセイラーズ(福井の運営会社が移転・改称して発足)とYKSホワイトキングス(神奈川県)の2球団からなるベイサイドリーグに改称して2023年シーズンは運営された。 リーグ代表の黒田は、2023年9月発売の雑誌インタビューで、福井が実質的に千葉に移転することになった時点で、遠隔地となる滋賀の事業を継続する判断はできなかったと述べた[16]。 開催球場BCリーグ時代リーグの多くの球団同様、特定の本拠地を定めていなかった。2017年は、ひばり公園湖東スタジアム・守山市民球場・甲賀市民スタジアム・高島市今津総合運動公園野球場・皇子山球場で試合を開催し、その中では湖東スタジアムが最多の15試合(NPB3軍との交流戦1試合を含む)、次いで守山市民球場が13試合(同2試合を含む)となっていた[注釈 5][17]。滋賀県立彦根総合運動場野球場では1試合が予定されていたが、雨天中止で代替試合を他球場で実施したため、開催がなかった[18]。リーグ代表の村山哲二が初年度シーズン終了後に述べたところでは、県内にナイター開催可能な球場が少ない上、数少ないナイター対応球場である皇子山球場は使用料が高価なため、興行的に苦戦したという[19]。2020年の報道では、「NPBの二軍戦が開催可能な県内のふたつの球場」は使用料がネックとなってほとんど使用がないと記されている[7]。 2018年は皇子山・今津・彦根では当初から予定がなく、湖東スタジアム・守山市民球場・甲賀市民スタジアムの3箇所で開催された[20][21]。前年最多だった湖東スタジアムは6試合にとどまり、代わって守山市民球場が19試合で最多、次いで甲賀市民スタジアムの10試合となっている[20][21]。また、ナイター開催は3試合のみ(前年は9試合)である[20][21]。ライターの阿佐智によると、ナイターを大きく減らしたのは「費用対効果」が原因だった[22]。 2019年は、2年ぶりに開幕戦が皇子山でおこなわれ[23]、京都市の京都市西京極総合運動公園野球場(わかさスタジアム京都)や彦根でも初めて公式戦が開催された[23][24]。また、雨天中止試合の振替として初年度以来となる今津で試合が開催された[23]。最多開催は前年に続いて守山市民球場(14試合)である[23][24]。 2020年の当初日程では、前年に続いて皇子山・彦根・今津・西京極が開催球場となっていたほか、大阪府東大阪市の花園中央公園野球場(花園セントラルスタジアム)でも1試合を開催する予定だった[25]。花園中央公園野球場は関西独立リーグ・06BULLSの本拠地球場である。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う日程変更後は、守山市民球場が10試合で最多、以下彦根8、甲賀7、湖東2、今津1の順で、当初予定にあった皇子山や県外球場での開催はなかった[26]。 2021年も守山市民が12試合で最多、次いで彦根の11試合、甲賀が6試合の順で、そのほかは湖東・皇子山・西京極・今津が各1試合だった。このうち今津は当初日程にはなかったが[27]、雨天中止試合の振替として実施された[28]。 2021年に初めて出場したポストシーズンゲームは、プレーオフの準決勝ラウンド1試合を守山市民、準決勝ラウンドの1試合と決勝ラウンド2試合を彦根でそれぞれ開催した[29]。 NOL時代2022年3月12日に発表された同年日程では、滋賀県開催のホームゲーム18試合中彦根が11試合で最多となり、次いで守山市民の5試合(未定2試合)となっていた[30]。未定だった2試合は、シーズン開幕後に守山市民と甲賀市民スタジアム各1試合に決定された[31][32]。BCリーグ時代に使用されていた他の球場は含まれていない。最終的な2022年の県内ホームゲーム開催試合数は、日程振替等により、彦根9試合、守山市民8試合、甲賀1試合だった[33]。 歴史2016年
2017年
2018年
2019年
2020年
2021年
2022年
2023年
成績BCリーグシーズン
プレーオフ
日本海オセアンリーグ
スタッフ選手・指導者については →「滋賀GOブラックスの選手一覧」を参照
マスコットキャラクター球団発足当時は、2017年1月7日に発表された「ユナ丸」と名付けられた手足と髷のあるだるまで、球団のマークが入った眼帯をつけて刀を背負い、「心優しいだるま忍者」と紹介されていた[90]。 2020年シーズンからは「2代目」として、「ユナ丸の双子の弟」という設定の「クロ丸」がマスコットとなった[91]。「ユナ丸」については「立派だるま忍者に成長しチームのマスコットを卒業」と説明されている[91]。 応援団私設応援団「近江豪勝連合」が存在する[92]。2018年時点では関東地方にもメンバーがいる[92]。2018年より使用されているチャンステーマ『南郷の洗堰』には「琵琶湖の水止めたろか」というフレーズがある[92](原曲は東狂アルゴリズムの 「琵琶湖の水止めたろか音頭」)。 NLBの滋賀球団ベイサイドリーグは滋賀のその後について発表しないまま、2023年シーズンだけで事実上活動を休止した。滋賀のウェブサイトは2024年12月の時点では「滋賀GOブラックスを運営する滋賀球団株式会社は現在活動を休止しております。」という案内を掲示していたが[93]、2025年1月にリンク切れとなった。 2024年7月29日、日本海リーグは滋賀県の新球団設立準備室が発足したことを発表し、10月上旬に加盟審査を実施する予定であるとした[94]。設立準備室代表の大八木大介は[94]、かつてBCリーグ時代の滋賀で球団運営に携わった(「オセアン滋賀」時代は球団代表)人物である[95]。 予告通り、加盟審査は10月7日に実施されて10日にその結果が発表され、滋賀球団設立準備室の準加盟を承認して、2025年は富山・石川と定期戦を実施しながら2026年の本加盟に向けた審査を受けることになった[96]。10月26日に日本海リーグおよび滋賀球団設立準備室代表による記者会見が開かれ、新球団の名前が「SHIGA HIJUMPS」となることが発表された[97][98]。この会見の中で準備室代表の大八木は、滋賀GOブラックスは「休止中」という見解を示しており[97]、あくまで別球団という形である。 脚注注釈
出典
関連項目
外部リンク
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