清水 純一(しみず じゅんいち、1924年7月23日[1] - 1988年11月1日)は、日本のイタリア文学者。京都大学名誉教授。専攻はイタリア・ルネサンス期文化(ルネサンス文学・哲学史)、特に異端とされたジョルダーノ・ブルーノを研究し、訳・紹介した。
経歴
1924年、福井県福井市生まれ[2]。京都帝国大学に入学するも、学徒出陣経て、1949年京都大学文学部哲学科を卒業。同大学大学院を修了。イタリア・フィレンツェやロンドンに留学し、研鑽を積んだ。
帰国後は広島大学助教授に着任。1968年、京都大学文学部イタリア文学科助教授に転任し、1973年に教授昇進。後に文学部学部長として、学園紛争の処理に当たった。多くの後進を育成し、日本でのルネサンス研究をより幅広く多様なものにしたが、1988年に京都大学定年退官後、間もなく病没した。
著書
翻訳
- エウジェニオ・ガレン『イタリアのヒューマニズム』[3]創文社 名著翻訳叢書、1960、新版1981。のち講談社「創文社オンデマンド叢書」
- ジョルダーノ・ブルーノ『無限、宇宙と諸世界について』現代思潮社、1967
- フェデリコ・シャボー『ヨーロッパの意味 西欧世界像の歴史的探究』 サイマル出版会、1968、再版1977
- エウジェニオ・ガレン『イタリア・ルネサンスにおける市民生活と科学・魔術』 斎藤泰弘と共訳、岩波書店、1975
- 『世界の名著 続6 ヴィーコ』「新しい学」米山喜晟と共訳、中央公論社、1975、普及版・中公バックス、1979
- 『ダ・ヴィンチ マドリッド手稿』 岩波書店、1975 - ※全5巻で4巻目に一部参加
- 『レオナルド・ダ・ヴィンチの解剖図』ケネス・キール、カルロ・ペドレッティ編、萬年甫と共訳、岩波書店、1982
- デニス・ヘイ「ルネサンス観の変遷」
- 『ルネサンスと人文主義』〈叢書ヒストリー・オヴ・アイディアズ3〉平凡社、1987 に所収
- ジョン・チャールズ・ネルソン「ルネサンス・プラトン主義」
- 『プラトン主義の多面体』〈叢書ヒストリー・オヴ・アイディアズ11〉平凡社、1987 に所収
- 『カスティリオーネ 宮廷人』岩倉具忠・天野恵と共訳、東海大学出版会「東海大学古典叢書」、1987
- 原典との対訳、ラファエロ「カスティリオーネの肖像」で著名
記念論集
- 『イタリア・ルネサンス文化 知の饗宴 清水純一教授退官記念論文集』同刊行会編、紀伊國屋書店(販売)、1988
脚注
- ^ 『現代物故者事典 1988~1990』(日外アソシエーツ、1993年)p.323
- ^ 『ルネサンスの偉大と頽廃』著者紹介
- ^ エウジェニオ・ガレン (1909-2004) は、ルネサンス思想史研究の第一人者、留学時に師事。
- 弟子たちによる以下の訳書がある。
- 『ヨーロッパの教育 ルネサンスとヒューマニズム』 近藤恒一訳、サイマル出版会, 1974
- 改訳版『ルネサンスの教育 人間と学芸との革新』 知泉書館, 2002
- 小著『ルネサンス文化史 ある史的肖像』 澤井繁男訳、平凡社, 2000、平凡社ライブラリー, 2011
- 編著『ルネサンス人』 近藤恒一ほか訳、岩波書店, 1990 - 題名論考と「哲学者と魔術者」を執筆担当。