「汝平和を欲さば、戦への備えをせよ」(なんじへいわをほっさば、いくさへのそなえをせよ、Si vis pacem, para bellum)は、ラテン語の警句である。通常、「peace through strength」、すなわち「強さを通じた平和」を意味すると解釈される。
出典
この格言の出典は明らかになってはいない[1]。
しかし一般的には、ローマ帝国の軍事学者フラウィウス・ウェゲティウス・レナトゥスの Igitur qui desiderat pacem, praeparet bellum. の表現を変えたものとされている[2]。390年ごろに書かれたとされる彼の論文「軍事論」に基づく数多くの格言の1つだと言われる。
この句が書かれているのは、軍事行動において準備を万全にしておくことの重要性を強調し、単なる偶然や数の優勢に頼ることをいましめた一節である。
1901年に開発された9 mmパラベラム弾。「パラベラム」(Parabellum)という名は、この拳銃用実包を開発したドイツの兵器企業DWM(ドイツ武器弾薬工業)が、「汝平和を欲さば、戦への備えをせよ」(Si vis pacem, para bellum)を社のモットーとしていたことによる。 そのコストと汎用性から世界で最も流通している弾薬であり 100年以上経った現在でも軍や警察、民間などで使用されている
これら陸海の巨大な軍備は、戦争を行う手段ではなく、戦争を防ぐ手段なのだと言われている……しかしもっと安全な道もある……必要なのは各国政府の同意と善意だけだ。昨今は、平和を望むなら軍備を、と言われる。この議会は、民衆に代わってこう言う、Si vis pacem, para pactum、平和を望むなら、平和維持に賛同せよ、と[5]。
他のあらゆる手段が失敗したとき...世界の軍事的圧制からの解放は、極端な場合だが、戦争に因ってのみ生じ得る。...Si vis pacem para bellumに代わって、近しい響きを持つ原則が必要になるかもしれない。Si vis pacem, fac bellum(汝平和を欲さば、戦をせよ)。[6]
^"Igitur qui desiderat pacem, praeparet bellum; qui uictoriam cupit, milites inbuat diligenter; qui secundos optat euentus, dimicet arte, non casu." The Latin Library