横浜国際プール
横浜国際プール(よこはまこくさいプール)は、神奈川県横浜市都筑区にある、横浜市営の国際規格の水泳用プールである。1998年に完成し、かながわ・ゆめ国体会場として使用された。公募で決定された愛称は、「WATER ARENA ウォーターアリーナ」。 プールなどの水泳施設の他に屋内競技のための体育室や、テニスコート、緑地などもある。また、当施設は個人利用のためにも開放されているほか、映画やテレビ番組などの撮影にも利用されている。 指定管理者は、2011年4月1日から公益財団法人横浜市スポーツ協会・コナミスポーツ株式会社・トーリツグループJV[2]となっている。 また2011年より、bjリーグの横浜ビー・コルセアーズの試合会場として、Bリーグ発足初年度である2016-17シーズンからも引き続きホームアリーナとして使用される。 施設メインアリーナメインアリーナは、夏季はメインプール・ダイビングプールとして使用され、冬季は床転換が行われスポーツフロアとして使用される。観客席は約4000席。 メインプール50m×25mの国際公認された屋内温水プール。飛び込みを除いた水泳競技全般を行うことができる。競泳の大会の際には長水路(50mプール)として行われることが多く、この際は10コースである。短水路(25mプール)として使用されることもある。また、可動床を採用しており、深さが0mから3.5m(両端は0mから2.5m)まで変更できる(個人利用時は水深1.2m)。 ダイビングプール25m×25m×5m(深さ)の国際公認プール。飛び込み台の高さは10m、7.5m、5mの3種類、飛び板の高さは3m、1mの2種類。飛込競技で使用されることが多いが、スキューバダイビングやアーティスティックスイミングの教室や大会が開かれたり、競泳のアップ会場として使われることもある。原則として個人利用はできない(サブプールの水抜き点検の時期などは利用できることがある)。 スポーツエリア冬季はプールを閉じて約90m×約37mのスポーツフロアになり、バスケットボールやテニス、フットサルなどの競技が行われる。個人利用の例としてはテニスコート(5面)。大会利用の例としてはテニスコートで5面、バレーボール・バスケットボール・フットサルコートで4面、バドミントンコートで20面分などがある。 横浜ビー・コルセアーズのホームアリーナレギュラーシーズン中にはおよそ8割の試合をこの横浜国際プールで行っている。
観客席は2Fに約4,000席、1Fに仮置き客席を置くことで5,000人にも対応可能となる。 4月・5月のホームゲームについては、スポーツアリーナからプールへの床転換作業が行われる関係上、当施設が使用不可能となるため、横浜文化体育館(2020年に閉館・解体後は横浜武道館)とトッケイセキュリティ平塚総合体育館の2会場において開催していたが、横浜文化体育館跡地に建設された横浜BUNTAIがオープンした2024年4月以降は、横浜BUNTAIでの開催に一本化している[5]。 当施設は、2026-27シーズンから発足する「Bプレミア」のアリーナ基準を2024年時点において満たしていないため、2026-27シーズンから横浜ビー・コルセアーズの全ホームゲームを横浜BUNTAI(同施設はBプレミア基準に適合)にて開催する予定である(後述)。 サブプール50m×8コースの屋内温水プール。年間を通してプールとしてのみの使用(スポーツフロア等にはならない)。可動壁を用いて、25mプール2面としても使用できる。入口側半面はメインプールと同様、可動床となっており、水深0.3mから3.5mまで設定できる(個人利用時は水深1.0m)。電光掲示板側半面は固定床で、水深は2.5mである。観客席は約360席。リラクゼーションプールやサウナも存在する。 その他の屋内施設
屋外施設
再整備計画2024年、メインプール廃止を含めた再整備計画が明らかになり、2025年3月に本計画が正式に決定した。2030年頃の完成を目指す[6]。 その名の通り、国際大会の開催を想定して建設されたプールだが[7]、国際大会の開催実績は1998年のオープン以来わずか4回にとどまり、施設面ではオリンピックや世界選手権などを開くための現行基準を満たさない[8]。さらに、2022年度にはスポーツフロアの需要がプール利用を超えたり、コロナ禍後においてメインプールはサブプールにと比べ利用率が下がる一方であった。 2024年6月3日、横浜市はメインアリーナのプールとしての利用を廃止し、通年体育館とする再整備計画の方針を示した。竣工後26年が経過し、老朽化(とりわけ深刻なのは大型ビジョンの球切れ・床のひび割れ・シャワー施設の故障など)に伴う改修工事が必要である。部品そのものが生産終了で調達・修復困難な状況に陥っており、2021年度の外部監査によると、プールからスポーツアリーナへの床転換作業だけで年間約5,000万円以上の費用(令和2年度で約5,100万円・令和5年度は約5,500万円に増大[9])ならびに合計2か月程度の閉館期間について指摘を受けていた[8]。 さらに、現行のままではBリーグ新基準(Bプレミア)のライセンス交付規則の一つである「ホームアリーナ基準」を満たしていないため、横浜ビー・コルセアーズは、Bプレミアが発足する2026-27シーズンから横浜BUNTAIでホームゲーム全試合を開催する予定である[10] 再整備の素案では、以下の事柄を公表した。 メインアリーナ(改修)夏季はプール・冬季はスポーツアリーナとするための床転換作業を行わず、メインプール廃止・通年スポーツアリーナとする。 Bプレミアに適合するよう大型ビジョン設置、観客席を6000席に増席、音響設備改修、スウィート・ラウンジを設置する。これにより、本計画が完成するとBプレミア基準で試合開催が可能となる。 サブプール(改修)バリアフリー対応(だれでも更衣室・バリアフリートイレの新設)の上、観客席を現在の500席から700席に増設し、再整備後もパラ水泳や市民大会などを継続して行えるようにする[8]。 練習・ウォーミングアップ用プール(新設)サブプールで水泳大会を開催することになるため、25mプールを5レーン新設する。また、同時にバリアフリー対応のほか、選手の待機も可能な多目的スペースなども整備予定である。 斜行モノレール(新設)最寄駅である横浜市営地下鉄グリーンラインの北山田駅 からは、当施設までの最短経路に長大な階段と自転車を押して通行できる程度のスロープが存在する。車いす・ベビーカーなどでは、周辺道路を迂回しなければならないため、北山田駅までは最短経路より倍以上の時間がかかる。とりわけ、パラ水泳開催時は、選手を輸送するためのシャトルバスを運行するほどである。 そこで、車いすやベビーカーなどが利用しやすいよう、最短経路の階段横に斜行モノレールを整備する予定である。 この再整備計画に関しては「行き場がなくなる大会もある」として日本水泳連盟や県水連、横浜水泳協会は猛反発しており、1万1129人分の反対署名を市に提出した[11][12]。ただし、横浜市民の半数以上はメインプール廃止に理解を示しており、廃止反対を訴えている者の大多数は水泳関係者や横浜市外の者で[7]あることが明らかになっている。 施設名称についてメインプール廃止を伴う再整備事業により、当施設の名称が「横浜国際プール」から変更となる見通しである[13][14]。 なお、神奈川県内には他にさがみはらグリーンプールと平塚総合体育館に日水連公認50mプールがあり[15]、隣接する東京都にはオリンピック・パラリンピックも開催した東京アクアティクスセンターが存在する[16]。このため、当施設のメインプールが廃止になったとしても大きな損失とはならない。 大会など過去の大会
その他
利用料金土曜日に限り、小学生・中学生・高校生は生徒証またはそれに準ずるものを提示した場合、利用料金が免除となる[17]。
アクセス公共交通機関
自動車
脚注
参考文献
外部リンク |
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