「校務員」(こうむいん、原題: "The Caretaker")は、イギリスのSFドラマ『ドクター・フー』の第8シリーズ第6話。ギャレス・ロバーツ(英語版)とスティーヴン・モファットが脚本を執筆し、ポール・マーフィーが監督した。2014年9月27日に BBC One で初放送され、イギリスでの視聴者数は682万人を記録した。批評家からは肯定的なレビューをされた。
本作では、異星人のタイムトラベラー12代目ドクター(演:ピーター・カパルディ)が、コンパニオンのクララ・オズワルド(演:ジェナ・ルイーズ・コールマン)の勤務するコールヒル高校の校務員として潜入し、世界を危機に陥れるロボットのスコヴォックス・ブリッツァー(演:ジミー・ビー(英語版))を止めようとする。また、ドクターはクララの彼氏である元兵士ダニー・ピンク(英語版)(演:サミュエル・アンダーソン(英語版)と対立する。
連続性
ドクターの偽名ジョン・スミスは The Wheel in Space(1968年)以来長く利用されている[1]。ドクターが言及したリヴァー・ソングは、「ドクターの名前」(2013年)が最後の登場となっていた[1]。
製作
「校務員」の台本の読み合わせは2014年3月20日に行われ[1]、撮影はカーディフのビュート・ストリート(英語版)とロイド・ジョージ・アベニュー(英語版)で3月24日に開始された。4月4日にはカーディフ湾(英語版)の麦芽製造工場とスプロット(英語版)の旧 St Illtyd's Boys' College で、4月5日にはヴェール・オブ・グラモーガンのバリーのホルトン小学校で、4月8日にはサウスウェールズの Tonyrefail Comprehensive school で撮影された[2]。主要撮影は4月11日に完了した。その後、セブ(演:クリス・アディソン(英語版))のシーンが6月11日に撮影された[1]。
放送と反応
放送
放送当夜の視聴者数は489万人で、タイムシフト視聴者を加えると682万人に達した[3]。アメリカ合衆国では96万人が視聴した[4]。Appreciation Index は83を記録した[3]。
批評家の反応
本作は肯定的にレビューされた。デイリー・ミラー紙のリチャード・ビーチは本作に星4つを与え、「面白くて気楽で、そしてすっかり愉快だ」と評価し、カパルディのコミカルな場面を称賛した[15]。デイリー・テレグラフのセリ・ラッドフォードも星4つを与え、カパルディの演技を称賛した[14]。Den of Geekのサイモン・ブリューは本作が「第8シリーズで間違いなく最高だ」と評価した。また、彼は本作のコメディ調の要素を称賛し、ロバーツの話運びの技術も高く評価した。彼はコールマンとアンダーソンを称え、第8シリーズで最も良い演技だったと述べた[16]。デジタル・スパイ(英語版)のモーガン・ジェフェリーは本作に肯定的であり、「面白く、暖かく、そして感動的だ」と評価した。彼はカパルディと彼のドクターに対する解釈を称賛し、「エクルストンのドクター以来最も複雑で変化に富んだタイムロードだ」と述べた。しかし、スコヴォックス・ブリッツァーの脅威には批判の声を挙げた。最終的なエピソードの評価は星4つであった[13]。
IGNのマット・リズレイも本作に肯定的であり、第8シリーズにおけるクララのキャラクター性を称賛した。彼は「昼ドラの馬鹿馬鹿しさに滑り落ちることもしばしばあったが、それでも満足な出来だった」と「校務員」を評価した。彼は主演3人の演技を称賛したが、スコヴォックス・ブリッツァーについては「『宇宙家族ジェットソン』のメイドロボットとルンバがおかしくなったようなデザインだ」と批判した。全体として彼は本作に10点満点中7.9点を与え、「『校務員』はダイナミックな台詞で感情的に魅力的だった」と論評した[10]。インデペンデント紙のニーラ・デブナスは本作に否定的なレビューをし、「興奮させることができなかった、地球を舞台にした当たり障りのない冒険だ」と評価した。しかし、彼女は女子生徒コートニー・ウッズ役のエリス・ジョージを称賛した[17]。
出典
- ^ a b c d “Doctor Who, Series 8, The Caretaker - The Caretaker: Fact File”. Doctor Who. BBC (27 September 2014). 27 September 2014閲覧。
- ^ “Autumn 2014 Series: Series 8”. Doctor Who Spoilers. 19 September 2014時点のオリジナルよりアーカイブ。11 September 2014閲覧。
- ^ a b “Doctor Who Series 8 (2014) UK Ratings Accumulator”. Doctor Who TV. 2020年9月23日閲覧。
- ^ Saturday cable ratings: college football wins night attack on Titan hell on wheels, Doctor Who, Outlander, more, オリジナルの2014-10-02時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20141002090329/http://tvbythenumbers.zap2it.com/2014/09/30/saturday-cable-ratings-college-football-wins-night-attack-on-titan-hell-on-wheels-doctor-who-outlander-more/308412/
- ^ Wilkins, Alasdair (27 September 2014). “Doctor Who: "The Caretaker"”. The A.V. Club. 5 November 2018閲覧。
- ^ Berriman, Ian (27 September 2014). “Doctor Who S8.06 - The Caretaker Review”. SFX. 5 November 2018閲覧。
- ^ Pavlica, Carissa (27 September 2014). “Doctor Who Season 8 Episode 6 Review: The Caretaker”. TV Fanatic. 5 November 2018閲覧。
- ^ Lewis, David (27 September 2014). “'Doctor Who': 'The Caretaker' review”. CultBox. 5 November 2018閲覧。
- ^ Welsh, Kaite (27 September 2014). “Review: 'Doctor Who' Season 8 Episode 6, 'The Caretaker,' Pits Officer Against Gentleman”. IndieWire. 5 November 2018閲覧。
- ^ a b Risley, Matt (27 September 2014). “Doctor Who: "The Caretaker" Review”. IGN. 28 September 2014閲覧。
- ^ Ruediger, Ross (28 September 2014). “Doctor Who Recap: Come and Knock on Our Door”. Vulture.com. 5 November 2018閲覧。
- ^ Mulkern, Patrick (27 September 2014). “The Caretaker”. Radio Times. 5 November 2018閲覧。
- ^ a b Jeffery, Morgan (27 September 2014). “Doctor Who series 8 'The Caretaker' recap: "Funny, warm and moving"”. Digital Spy. 28 September 2014閲覧。
- ^ a b Radford, Ceri (27 September 2014). “Doctor Who, The Caretaker, review: 'as kitsch as Clara's blouses'”. デイリー・テレグラフ. 28 September 2014閲覧。
- ^ a b Beech, Richard (27 September 2014). “Doctor Who review: The Caretaker was funny, lighthearted and gave us more of an insight into Danny Pink's significance”. デイリー・ミラー. 28 September 2014閲覧。
- ^ Simon Brew (2014年9月27日). “Doctor Who series 8: The Caretaker review”. Den of Geek. 2020年9月23日閲覧。
- ^ Neela Debnath (2014年9月30日). “Doctor Who, The Caretaker - TV review: Bland Earth-based adventure fails to excite”. インデペンデント. 2020年9月23日閲覧。
外部リンク