杉戸清樹杉戸 清樹 (すぎと せいじゅ、1949年6月8日[1] - )は、日本の言語学者、日本語学者。愛知県名古屋市出身。専門分野は社会言語学、言語行動論。元・独立行政法人国立国語研究所長。他に、日本語教育学会会長、文化審議会国語分科会会長,NHK放送用語委員会委員などを務めた。 国立国語研究所では、企業や学校の中の敬語の実態調査[2]、愛知県岡崎市・山形県鶴岡市・北海道富良野市などでの定点・経年方式の臨地言語調査[3]、日本・ドイツの言語行動様式の対照研究調査[4],韓国・ベトナム・ブラジルなどに住む日本人の言語行動意識調査[5]など,社会言語学的な調査研究に参画するとともに、言語行動論の立場からメタ言語行動表現[6](言語行動についての言語表現)に注目して対人的な配慮表現[7]や文章構造[8]の研究などを行った。 国語審議会では「現代社会における敬意表現」(2000年)、また、後身の文化審議会国語分科会(2001年以降)では「敬語の指針」(2007年)、「改訂常用漢字表」(2010年)、「『生活者としての外国人』に対する日本語教育の標準的なカリキュラム案について」(2010年)[9]などの審議・答申に参画した。 この他、国立国語研究所の『分かりやすく伝える外来語言い換え手引き』(2006年)[10]、『病院のことばを分かりやすく-工夫の提案』(2009年)[11]、日本弁護士連合会の『やさしく読み解く裁判員のための法廷用語ハンドブック』(2008年)[12]、さらに佐藤和之(弘前大学教授)の主導する「災害時の外国人への緊急情報伝達のための『やさしい日本語』」に関する研究活動[13]等の応用的な社会的活動ともいえる事業にも参画した。
経歴[14]本務歴
学歴
教育歴・2012年 - 2015年 名古屋外国語大学 非常勤講師(集中講義) ・2001年 - 2008年 政策研究大学院大学 連携教授 ・2000年 筑波大学大学院 非常勤講師(集中講義) ・1999年 早稲田大学大学院 非常勤講師 ・1998年 大阪大学大学院 非常勤講師(集中講義) ・1992年 - 1996年 東京都立大学 (1949-2011)人文学部 非常勤講師 ・1991年 - 1996年 津田塾大学学芸学部 非常勤講師 ・1991年 名古屋大学文学部 非常勤講師(集中講義) ・1990年 北京日本学研究中心 客員教授 ・1988年 東京大学文学部 非常勤講師 委員等履歴【国立国語研究所の本務の中で】・2007年 - 2009年 国立国語研究所「病院の言葉」委員会 委員長 ・2005年 - 2006年 国立国語研究所「外来語」委員会 委員長 【学会】・1997年 - 2021年 日本語学会(旧・国語学会) 評議員 ・2012年 - 2018年 日本語学会 理事 ・1988年 - 1992年 国語学会 委員(学会誌編集・大会運営兼務) ------------------------------------------------ ・2006年 - 2007年 日本語教育学会 会長 ・2003年 - 2005年 日本語教育学会 副会長 ・2001年 - 2007年 日本語教育学会 常任理事 -------------------------------------------------- ・2011年 - 2015年 社会言語科学会 監事 ・2006年 - 2011年 社会言語科学会 理事 ・1998年 - 2003年 社会言語科学会 理事 ・1998年 - 2001年 社会言語科学会 理事,事業委員長 -------------------------------------------------- ・2002年 - 2008年 日本方言研究会 世話人 ・1994年 - 2009年 日本言語学会 委員 ・1995年 - 1998年 日本音声学会 国際交流委員 ・1983年 - 1994年 日本行動計量学会 運営委員 【国語審議会・文化審議会国語分科会】・2007年 - 2015年 文化審議会 国語分科会 日本語教育小委員会 副主査 ・2014年 - 2015年 文化審議会 臨時委員(国語分科会) ・2012年 - 2014年 文化審議会 国語分科会 会長 ・2012年 - 2014年 文化審議会 委員 ・2007年 - 2012年 文化審議会 臨時委員(国語分科会) ・2005年 - 2007年 文化審議会 臨時委員(国語分科会 敬語小委員会主査) ・1999年 - 2000年 国語審議会 専門調査員 【文部科学省・文化庁】・2009年 - 2012年 日本語教員の養成・研修に関する調査研究協力者会議 委員(座長) ・2009年 - 2011年 常用漢字表改定に伴う学校教育上の対応に関する専門家会議 委員 ・2004年 - 2010年 学習指導要領の改善に関する調査研究協力者会議 高等学校国語部会 委員 ・2004年 - 2009年 中央教育審議会 初等中等教育分科会 教育課程部会 専門委員 ・2000年 - 2001年 日本語教育のための試験の改善に関する調査研究協力者会議 委員 ・1997年 - 1999年 学習指導要領の改善に関する調査研究協力者会議 委員(高等学校国語「国語表現」分科会主査) 【大学・法人・団体】・2002年 - 2009年 日本放送協会(NHK)放送用語委員会 委員 ---------------------------------------------------------- ・2014年 - 2015年 大阪大学大学院言語文化研究科 外部評価委員会 学外委員 ・2003年 - 2005年 大学評価・学位授与機構 大学評価委員会 研究評価員 ・2006年 - 2009年 博報賞 審査委員会 委員長 / 国語・日本語教育部門 審査委員 ・2004年 - 2005年 日本弁護士連合会裁判員制度実施本部 法廷用語の日常語化に関するプロジェクトチーム 外部学識委員 ---------------------------------------------------------- ・2012年 - 2014年 日本学術振興会 特別研究員等審査会 専門委員 ・2012年 - 2014年 日本学術振興会 国際事業委員会 書面審査委員 ・2004年 - 2005年 日本学術振興会 科学研究費委員会 専門委員 ・1997年 - 2002年 日本学術振興会 科学研究費分科会 専門委員 --------------------------------------------------------- ・2006年 - 2009年 日本語教育振興協会 理事 ・2005年 - 2009年 国際教育支援協会 理事 ・2006年 - 2012年 国際日本語普及協会 評議員 ・2005年 - 2011年 日本語能力試験実施委員会 委員 ・2004年 - 2009年 国際教育支援協会 日本語教育能力検定試験 試験小委員会(主査) ・2001年 - 2017年 国際教育支援協会 日本語教育能力検定試験 実施委員会 委員 ・2007年 - 2009年 日本漢字能力検定協会 評議員 ・2005年 - 2009年 言語資源協会 理事 ・1999年 - 2000年 武蔵野市弓道連盟 理事 受賞歴・2018年9月 文化庁創立50周年記念表彰[15] ・2017年5月 日本語教育学会 功労賞[16] ・2015年12月 文化庁長官表彰[17] 編著書(共編著含む)[18]
脚注
外部リンク
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