曙出版
曙出版(あけぼのしゅっぱん)は、かつて東京都に存在した日本の出版社[1]。1948年(昭和23年)創業。 概要曙出版は土屋弘が創業し、1948年(昭和23年)から出版を始めたとされる。会社名は東京都文京区曙町(現在の本駒込)で創業したのが由来。その後、練馬区へ移転。最終的には新宿区矢来町のメディアックス内に在所した。[要出典] 創業当初は子供向けの世界名作文学や美談・歴史系の漫画や絵物語を出版。その後、時代劇・母恋い少女もの・戦記ものなど、その時々の流行に応じて多数の単行本を出版していた。その後、赤本・貸本で業績を上げ、1960年代よりコミックや児童書を中心に出版活動を行う。この過程で『おそ松くん』『天才バカボン』で知られる赤塚不二夫を輩出し、日本漫画史に名を残す。1960年(昭和35年)には曙出版の実用書・人文図書部門を独立させた形で土屋書店が開業する。[要出典] 2004年(平成16年)8月[2]、編集プロダクション岩尾悟志事務所を経営する岩尾悟志が経営に参画し、2006年3月にメディアックスと業務提携[3]。2012年(平成24年)までレディースコミック雑誌と成年向け雑誌を発行していた。 なお、曙出版分離後の土屋書店は2006年(平成18年)に滋慶学園の傘下に入り、2011年(平成23年)に株式会社滋慶の一部事業を継承して「株式会社滋慶出版」へ社名変更[4]。2018年(平成30年)に出版部門(商業出版事業)が分社して「つちや書店」が再興した[5][6]。 過去の雑誌
アケボノコミックス現在、すべて絶版及び入手困難。当時の曙出版は赤本・貸本の中堅版元で、新しくコミック部門を置き、その名称こそアケボノコミックスであった。なおアケボノコミックス第1号出版作品は『おそ松くん全集』第4巻である。1968年から1977年に掛け発行。その間発行されたアケボノコミックスは確認されているものだけで実に300冊以上に上る。曙出版は当時、自社の漫画雑誌を持っていないので、アケボノコミックスのラインナップの大多数は他社雑誌の連載作品と貸本系作家の書き下ろし作品という構成になっている。[要出典] 初出の雑誌は少年誌や少女誌、週刊誌や新聞に至るまで実にさまざまで、特定の出版社や雑誌に偏るというよりは、明らかに「作家単位でキープする」形のレーベルと言えるだろう。 メインは曙出版がデビューの赤塚不二夫や曙出版と縁のある長谷邦夫をはじめ、フジオプロの作家群とよこたとくお、板井れんたろうなど、曙出版で赤本を執筆していた作家の過去作品を引っ張ってきてラインナップの作品数を増やした。全体の特徴としてはやはりフジオプロのギャグ作品、よこたとくおらのコメディー作品がかなり多くの割合を占めている(他には好美のぼる、徳南晴一郎、白川まり奈のホラー作品)。[要出典] コミックスの裏表紙には、「フジオプロ」や「ファミリー企画」といった、著者の所属するプロダクションのロゴが大きく印刷されて主張している。このラインナップを見ると、まるで曙出版がフジオプロの出版部門にも思えるが、もちろん曙出版は赤塚不二夫のデビュー前から存在する老舗出版社であり、そのような関係ではない。[要出典] 1977年(昭和52年)以降は、新規のアケボノコミックスは発行されなくなったが、重版は1980年代前半まで続いたとみられる。2000年頃に在庫僅少であったアケボノコミックスは完売した。よって現在の曙出版には1冊も在庫が残っていない。および2005年にはコミック事業から完全撤退した。[要出典] 赤塚不二夫赤塚不二夫はつげ義春の仲介で曙出版と契約を交わし、1956年(昭和31年)に描き下ろしの単行本『嵐をこえて』でデビューしている。赤塚作品のブーム到来と共に赤塚とフジオプロ作家の作品のほぼすべてをアケボノコミックスとして刊行した。また曙出版は代表作である『おそ松くん』『天才バカボン』の単行本を初めて完全な形で刊行した赤塚にとっても重要な出版社である。
曙文庫
古谷三敏
曙文庫
長谷邦夫
とりいかずよし
日大健児+神保史郎
脚注注釈出典
外部リンク |
Portal di Ensiklopedia Dunia