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この項目では、新見市の大字について説明しています。
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新見(にいみ)は、岡山県新見市にある大字である。同市の市役所所在地。旧新見市においても市役所所在地であった。かつての阿賀郡新見村(にいみそん)に相当する。古くは下市(しもいち)と称した。
近世においては関氏新見藩の陣屋町として、また高梁川の高瀬舟の発着点となる川港町として栄えた。
郵便番号は〒718-0011(新見郵便局管区)。
概要
市の中心地区で新見盆地の中央に位置している。高梁川の東岸の平地に市街があり、平地の東方は山地となっている。山手には旧陣屋町の一部をのこしている。川に沿うように平地部に南北に長く市街が形成され、また、地区の北部では北東から南東へ向かい熊谷川流れ、当地の北西で高梁川と合流する。つまり、両河川の合流点に当地が存在している[1][2]。
船川八幡神社、曹洞宗安養寺、同養源寺、同西来寺、同雲居寺、真言宗青龍寺、同古祥寺、日蓮宗泉福寺等の社寺、特に寺院が多い。また、檜崎利景の居城とされる鳶ヶ巣山城跡、関氏の政庁であった新見陣屋跡が城山公園や新見市立思誠小学校などに残る[2]。
また昔からの町並は、町筋などに昔の陣屋町の趣を残し、御殿町付近や三味線横丁あたりなど一部では古い建造物も残っており、御殿町センターを拠点に「新見御殿町」として町並保存を行う機運もある[3]。
なお、新見駅は旧上市村域内になる西方地区にある[1]。
沿革
歴史
古代においては、備中国哲多郡新美郷(新見郷)の一部であったとされる。詳細は分からないが、後の時代に阿賀郡(英賀郡)へ移管された[2][4]。
古代後期から中世には、吉備地方有数の荘園で「たまがき書状」などで知られる新見庄の一部となり、平安時代頃は最勝光院領、鎌倉時代以降は京都の東寺領となった[2][4]。
もと阿賀郡下市村といい、はやくから山陰往来の宿場・市場として家並をつくったが、近世に入ると承応元年(1652年)、高梁川の高瀬舟が新見まで通うようになり、水運の基点としても栄えた。 所有する船株20、新見から松山(高梁)までを上下する決まりで、30石積みの船が主であった[2]。
しばらく幕府領として松山代官の支配に属していたが、元禄10年、関長治が1万8千石の領主として現在の城山(じょうやま)に居館を構え、南麓に侍屋敷町を設け、町筋を整備した。このとき下市村を改めて新見村とし、関氏の治める藩を新見藩と称することとした。古い郷名の新見(爾比美)を復活したものである。村高1,196石3斗9升と『備中村鑑』にある[2]。
明治22年月1日、阿賀郡新見・馬塚・高尾の3村が合併して村制を施行、新見村と称し村役場を新見に置く。同29年2月26日、町制を実施して新見町になる。 同33年3月、阿賀・哲多の両郡を統一して阿哲郡とし、郡役所を新見に設ける。これにともない政治、産業、教育などの諸施設がこの地に集まり、備北地方の中心地として発展した[2]。
昭和29年6月1日、同郡上市町など7町村と合併して新見市をつくり、市役所を新見に置く。米、麦、目男、炭酸カルシウムなどを主要産物とした。翌年阿哲郡千屋村を合併[2]。
倉敷から新見を経て米子に至る伯備線の全通したのは昭和3年10月で、同10年12月には新見 - 広島間の芸備線が全通米、同11年4月には姫路から津山を経て新見に至る姫新線が全通した。なお、鉄道路線は、隣接地区の境界付近を通り、当地は通過しておらず、新見駅は当地ではなく北西対岸の西方地区に置かれた。しかし、新見とその近接地は伯備・芸備両・姫新3線を十字に結ぶ交通の要衝を占め、産業・経済面で発展をすることになるが、同時に長年親しまれた高梁川の高瀬舟は昭和のはじめ姿を消し、人力車も荷馬車も見られなくなった[2]。
平成17年3月に周辺町村と合体合併、新たなる新見市を新設している。
地名の由来
当地を含む周辺にあったとされる古代の郷、新美郷(新見郷)に由来。前述の通り、江戸時代の元禄10年に関長治が領主として陣屋を構えたときに、下市村から改称させた[2][4]。
下市は、前述の通り山陰への街道の要衝で、市が立つなど沿線に町並ができ、高梁川の上流側の町を上市(現 同市上市)、それに対し当地は下流にあるので下市と呼び分けたことによる[2][4]。
年表
地勢
山岳
河川
行事
主要施設
公的施設
教育施設
医療・福祉施設
郵便局
金融機関
一般企業・商店
神社仏閣・その他宗教施設
公園・史跡
その他の施設
交通
道路
旧街道
参考文献
- 『県別マップル岡山県道路地図』昭文社(2013年)
- 巌津政右衛門 『岡山地名事典』日本文教出版社(1974年)
- 下中直也 『日本歴史地名体系三四巻 岡山県の地名』平凡社(1981年)
脚注
- ^ a b 『県別マップル岡山県道路地図』昭文社(2013年)
- ^ a b c d e f g h i j k 巌津政右衛門 『岡山地名事典』日本文教出版社(1974年)
- ^ 御殿町まち歩きガイド
- ^ a b c d 下中直也 『日本歴史地名体系三四巻 岡山県の地名』平凡社(1981年)
関連項目
外部リンク