慈済基金会慈済基金会(じさいききんかい、正式には財団法人 中華民国 仏教慈済慈善事業基金会)は、台湾の仏教系の慈善団体。 印順の弟子の釈証厳によって1966年4月14日に台湾の花蓮県で「仏教克難慈済功徳会」(慈済功徳会)として設立された。「慈済」の由来は「慈悲為懐、済世救人」(慈悲を抱き、世を助け人を救う) 尼僧が主婦グループを主導したことに始まるので、女性が主要メンバーとして活動することで知られる。 沿革
運営方針釈証厳とその師の印順は、「人間仏教」を理念に置いた。「家々に観音様、各世帯に阿弥陀如来」を転じて「人々を観音様に、各々を阿弥陀如来に」とし、仏教精神を個人化、生活に落とし込んだ。最初は30名の会員で結成され、慈善運動を始めた。この頃の活動は募金と貧民救済であった。 後には富める者に貧者救済を勧めることを目標とし、「無縁大悲、同体大悲」を掲げ、会員には、「仏心を己の心とし、師の志を己の志とするように」求めた。その後は、「四大志業、八大法印」を主要業務とした。 慈済十戒慈済ボランティアーは仏教の信者の一員として、釈尊が定めた五戒と釈証厳の定めた戒律(十戒)を守ることを義務付けられている。
世界に3つのいない事業を行う時は、釈証厳の「世界に3つのいない」を原則としている。
国際救援活動の3原則仏法の人間化を理想とするため、その事業運営にあたっては、民族、宗教、国籍を問わず、他の宗教や民族を貶めることはしない。
素食運動基金会では素食(ベジタリアン)は会員に強要はしないが、活動や制服を着る時に素食を食べる。 慈済大学の学生も、素食や仏教信仰は強要されないが、素食は奨励されている。 四大志業、八大法印基金会の四大志業、八大法印とは、奉仕、医療、教育、人文(文章・映像伝道)、国際支援活動、骨髄バンク、社会ボランティア、環境保全である。 医療1986年に花蓮市に設立した仏教慈済総合医院のほか、「仏教慈済医療財団法人」として分院を台湾各地に設立し、地域医療の充実に貢献している。 2000年には、各地の医療ボランティア組織を統合して「国際慈済人医会」(TIMA)を設立し、災害時の医療活動に従事している。 教育1989年に看護学校慈済技術学院(現、慈済科技大学)を、1994年に医科大学慈済大学を設立し、地域の特に先住民族の女子教育に力を入れ、民国国内のみならず、タイ、マレーシアなど国内外で幼稚園から大学院まで仏教精神に基づく一貫教育を行っている。 慈済伝播人文志業基金会慈済伝播人文志業基金会(英字:Tzu chi Culture and Communication Foundation)は、四大志業の内の人文活動を行う事業主体で、2005年に改組され、傘下に大愛電視、慈済文化出版社、静思人文社などを持つ。台北市の関渡志業パークに慈済人文志業中心を置く。 2013年には鑑真のアニメーション映画『鑑真物語』(漢語版)も製作している[8]。 2023年にはセンタービルの隣接地に関渡静思堂を建設、主要施設を移動させた[9]。 会員組織慈済は、アジア、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、オセアニアの54の国や地域で配布されている。
批判
国外の災害被災地での当会の寄付による学校や病院建設に際し、当会の建築デザインを押しつけているのではないかとの批判がある[10]。
詳しくはzh:內湖保護區反慈濟開發事件を参照。 当地を開発して社会福祉施設地区を設置しようとしたところ、自然破壊や水害の誘発を恐れた地域住民や緑の党からの反対運動にあい、これを断念するに至った。
高価で根拠不明の水晶製の宇宙大覚者像(創始者の釈証厳をモデルにした説がある)を製作、これを批判された。 ギャラリー
参考文献
脚注
外部リンク |