御手洗熊猫
御手洗 熊猫(ユーショウシー ションマオ[1])は中華人民共和国の男性推理作家。2009年4月時点で上海師範大学在学中[2]。 略歴2008年、中国のミステリ雑誌『歳月・推理』の不可能犯罪特集号[3](2008年6月号)に掲載された短編「異想天開之瞬移魔法」[4](奇想天外の瞬間移動マジック[1])でデビューした。その後は、『歳月・推理』や『推理世界』で作品を発表している。 デビュー前から、推理小説以外にもSFや武侠小説、純文学など様々なジャンルの小説を書いていた[2]。推理小説での処女作は、2007年9月執筆[5]の短編「二十角館的無頭屍」(二十角館の首なし死体[1])で、のちに『推理世界』2009年2月B号に掲載された。 デビュー作及び処女作には、島田荘司の小説に登場する御手洗潔をモデルにしたキャラクター「御手洗濁」が登場しており、その後もシリーズとして書き継がれている。2009年4月には著者初の単行本『御手洗濁的流浪 - 御手洗濁探案集 Mitarai Daku is Wandering』が出版され、シリーズ作品がまとめられた。この単行本の帯には、中国の本格推理ファンと書き手に向けた島田荘司の直筆メッセージが書かれている。 創作の理念は、「没有創新、就不創作」(創新(新しいものを生み出すこと)がなければ、創作はない)。小栗虫太郎の『黒死館殺人事件』に感銘を受け、御手洗濁シリーズの最後の作品として『渾濁館殺人事件』を計画しているという。[2] 筆名は、日本式に読めば「みたらい ぱんだ」となる。 御手洗濁御手洗濁(御手洗浊、みたらい だく、『島田流殺人事件』ではみたらい にごし)は、御手洗熊猫の小説に登場する架空の人物。御手洗熊猫の小説で探偵役を務める。作品中では、御手洗潔のモデルになった流浪者とされている。 二十角館の首なし死体原題は「二十角馆的无头尸」(二十角館的無頭屍)[1]。御手洗熊猫の推理小説での処女作。短編集『御手洗濁的流浪』では1番目に収録されている。ジョン・ディクスン・カーの『三つの棺』を読んだ後に構想を得たものだという[6]。解決編の前に、「読者への挑戦」が置かれており、事件解決の鍵はすべて本文中に記されていることが読者に向けて宣言される。
本格推理小説マニアの宮川は、ひょんなことから映画監督の鴉城仙冬と知り合う。鴉城は、原作に大胆な脚色を加えたミステリー映画を撮る監督として知られており、現在は綾辻行人の『十角館の殺人』を原作にした映画『二十角館の時空転倒』(二十角馆的时空倒置)を準備中だという。ある日、宮川は鴉城に誘われ、撮影のために北海道のオホーツク山に建てられた二十角館に向かう。そして、二十角館の中で俳優が拳銃自殺をする瞬間を目撃する。さらに翌日、首なし死体が発見される…。現場検証の場にふらりと現れたのは、島田荘司が御手洗潔のモデルにしたといわれている有名な「御手洗濁」だった。果たして彼は、この謎が解けるのか…? 作品リスト
脚注
外部リンク
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