(じょう)は、中国および日本の古代において使われた長さの単位の一つ。

中国

代の長さの単位で、16=2=1常であった[1](なお、周代の1尺は約23cm=近代日本における約7尺6寸に相当する[2])。ここから「尋常」という言葉が生まれた。左伝では「わずかばかりの土地」の意味で使われている[3]。後世には「普通」を意味するようになった[4]

後世には「常」は単位としては使われなくなった。

日本

日本においては律令制初期における布の丈量単位として見える。『令集解』穴記によれば、長さ1尺3の布をもって1常としたことが記されている。同書所収の和銅6年2月19日713年3月19日に2丁分の庸布2尺6寸を1とする規定が存在し、『続日本紀』には和銅5年12月7日(713年1月7日)には庸調を銭で納める場合には5文で庸布・調布1常分とする記事、和銅7年2月2日714年2月20日)には商布において常を用いない規定が導入された記事があり、次第に常から段に切り替えられていったことが窺えるが、その後の記録でも常布などの表現が登場する例が見られた[4][5]

脚注

  1. ^ 『小爾雅』広度「四尺謂之仞。倍仞謂之尋。尋、舒両肱也。倍尋謂之常。」
  2. ^ 『単位の歴史事典』「尺」(P119)
  3. ^ 『左伝』成公十二年「争尋常、以尽其民。」
  4. ^ a b 『単位の歴史事典』「常」(P133)
  5. ^ 『日本歴史大辞典』「常」(P494)

参考文献

関連項目