(じん、rèn)は、中国古代の長さ単位である。

仞は、両腕を広げた長さで、『説文解字』九、人部に「仞、伸臂一尋、八尺。从人刃声。」とある。実際の長さについては上記『説文解字』に見えるように8尺とするものと、7尺とするもの[1]の両方があり、一定しない。

」も両腕を広げた長さであり、両者の違いがはっきりしないが、一般に「尋」は幅、「仞」は高さ・深さに用いられる[2]。なお「尋」と「仞」は日本語では発音も同じであるが、中国語では異なる。

今日「仞」は単位としては用いられないが、非常に高い・あるいは深いことを表現するのに「百仞・千仞・万仞」などの語を使う(箱根八里の歌詞にも「千仞の谷」が見える)。また「九仞の功を一簣に虧く」[3]という成句でも用いられる。

出典

  1. ^ たとえば『儀礼』郷射礼「杠長三仞」の鄭玄注「七尺曰仞。」
  2. ^ 『説文解字』「仞」の注による
  3. ^ 』旅獒「為山九仞、功虧一簣。」を出典とする